【ブランド戦略】新gTLD・ブランドTLD徹底分析!ブランドTLDとは?どんな企業がどう活用している?

ブランドTLDから見る企業のブランド戦略

インターネットが普及してから、企業はいち早くウェブサイトを作り、インターネット・マーケティングに取り組んできました。今はオンラインとオフラインに関わらず、各種広告にウェブサイトに誘導するためのドメインネームを記載することが当たり前になっています。既存メディアであるテレビ広告でもドメインネームや検索キーワードが提示されます。ドメインネームの露出は、露出 → 認知 → 興味に繋がるマーケティング活動を超えて、ブランド戦略の一種に進化しています。

レガシードメインを含め、企業のドメインネーム運用は様々な形で行われます。昔は企業のウェブサイトを一つのドメインネームに統合するのが当然だと思われていましたが、製品やサービスが拡大するにつれて、複数のドメインネームが必要な場合もあります。また、インターネット環境の進化とともに、より豊かなブランド経験を提供することが可能になりました。今回はドメインネームを構成するトップレベルドメイン(Top-Level Domain:TLD)の中で、ブランドTLDの世界を詳しく見ていきます。

目次
1.インターネットにおけるブランドとドメイン戦略
2.ブランドTLDとは?
3.インターネットの拡張!新gTLDの登場!
4.新gTLDの種類は?
5.ブランドTLDを取得している企業!日本企業はどんな企業がある?
6.ブランドTLDの導入目的とメリット!
7.ブランド価値を高めるために

 

1.インターネットにおけるブランドとドメイン戦略

企業においてオンライン空間で行われるインターネット・マーケティングは、今になってはオンラインを超えて、オフラインまで影響を与えています。インターネット・マーケティングは、企業やブランドや商品・サービスを認知してもらったり、商品・サービスを利用するように魅力を伝えたりするなど、「顧客とどのようなコミュニケーションをしていくか」に関する戦略とも言えます。

インターネット・マーケティングの入口となるドメインネームは、マーケティングだけでなく、ブランドの成功にまで大きく関わる時代になりました。現在、ドメインネームは一つの独立したブランドとして位置付けらるほど、企業において重要なマーケティングツールの一つです。

 

2.ブランドTLDとは?

現在使われているドメインネームの中には、まさに企業の組織名、または所有するブランド名で構成されるトップレベルドメイン(Top-Level Domain:TLD)があります。それが「ブランドTLD」です。簡単に言えば、その名の通り、ブランド名がドメインネームに使われるものです。

ブランドTLDは、取得した企業だけが独占的に運用できるレジストリとなるため、広大なインターネットの世界で企業名(ブランド名)の土地を所有することと同じです。ブランドTLDは、地主であるブランドTLDの所有者が権利を持ち、第三者が登録することができないため、自社専用やグループ内など使用範囲が限定できます。ドメインネームを利用して、思い描いた独自の街作りができるのです。

また、ブランドTLDは、従来の「.com」のように既に文字列が空いていないこともなく、使い終わったドメインネームを破棄しても第三者の不正利用の心配がないので、より自由に、よりガバナンスの効いたドメインネーム・マネージメントが可能となります。

ブランドTLDとは?
Source:GMO Brights Consulting

 

3.インターネットの拡張!新gTLDの登場

ドメインネームをTLDで分類すると、gTLD(Generic Top Level Domain)、ccTLD(Country Code Top Level Domain)、そして新gTLD(New Generic Top Level Domain)があります。

従来、ドメインネームには「.com」「.net」「.org」など一般的な目的及び機関レベルで利用可能な22個の一般名称TLDが使われていました。これらのことをgTLDと言います。また、gTLDとともに日本の「.jp」、アメリカの「.us」、イギリスの「.uk」など国別コードによって割り当てられるTLDとして、2文字で構成されるccTLDがあります。

さらに、gTLDの飽和を受けて、2012年、インターネット資源の割り当ての管理・調整を行う組織であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)により、新gTLDプログラムが開始されました。これにより、従来のgTLDと国別のccTLDとはまた違う新しいTLDが登場するようになりました。それが新gTLDです。

ちなみに、ICANNによる2012年の新gTLD申請を第一ラウンド(1st Round)と言います。2022年頃には第二ラウンド(2nd Round)の申請に関する詳細が発表される見込みです。それに伴い、第一ラウンドの申請を見逃した多くの企業が第二ラウンドの開催に注目しています。これからインターネットの世界はまた新たな変化を迎えるでしょう。

関連記事:【ブランドTLD】セカンドラウンドはこう変わる!

 

4.新gTLDの種類は?

新しく登場したTLD、つまり新gTLDには幾つかの種類があります。代表的なのが、一般名称の新gTLD(New Generic TLD)、地域名称TLD(Geographical TLD)、コミュニティTLD(Community TLD)、ブランドTLD(dotBRAND TLD)です。

今は私たちもごく普通に目にするようになった「.shop」「.media」「.site」などは一般名称の新gTLDです。その他に「.tokyo」「.okinawa」「.nyc」などは地域名称TLD、「.catholic」はコミュニティTLDに分類できます。

ブランドTLDには、Googleの「.google」、Microsoftの「.microsoft」のような企業名はもちろん、「.youtube」「.android」「.windows」「.office」など企業の商品・サービス・ブランドをTLDに申請したものも多くあります。今まで委任された新gTLDは約1,238件で、そのうち約570件をブランドTLDが占めています。

 

5.ブランドTLDを取得している企業!日本企業はどんな企業がある?

それでは、どんな企業がブランドTLDを取得しているかを見てみましょう!

下記は、ブランディングファームであるInterbrandのブランドランキング(2020年)から見るブランドTLD取得企業です。上位50位内の企業の60%がブランドTLDを取得しています。

 

グローバル企業の約390社が約570件のブランドTLDを取得・運用しています。企業名の他に複数のブランド名でブランドTLDを取得している企業も多くあります。中には、英語の組織名と中国語、両方のブランドTLDを取得している企業もあります。例えば、電気機器関連メーカーであるPhilipsは「.philips」と中国語の組織名「.飞利浦 (xn--kcrx77d1x4a)」を取得して両方活用しています。

日本企業の中では43社が47件のブランドTLDを取得しています。

 

日本企業の中では、初期からコーポレートサイトを「global.canon」へ移行するなどブランドTLDを積極的に活用してきたキヤノン株式会社の「.canon」や東レ株式会社の「.toray」がブランドTLDの活用トレンドを先導しています。

 

また、キヤノンの「@mail.canon」、東レの「@mail.toray」に加わって、本田技研工業株式会社も2020年3月から電子メールアドレスのドメインネームをブランドTLDを用いた「@jp.honda」に変更するなど企業メールへの活用も進んでいます。

★ 【関連記事】HONDA、メールアドレスのドメインネームとしてブランドTLD「@jp.honda」利用開始!

 

6.ブランドTLDの導入目的とメリット!

多くのグローバル企業がブランドTLDを自社の新しいドメインネームとして導入、または導入を検討しています。ブランドTLDは消費者への信頼度向上、ウェブサイト管理の容易化、運用費用の節約効果、マーケティング効果はもちろん、結果として企業のブランド力向上に繋がる役割をしているからです。

ブランドTLDのメリットは、大きく分けて(1)ブランド統合・強化、(2)信頼性向上、(3)顧客接点の強化、(4)デジタル・プレゼンス向上の面から考えられます。

(1)ブランド統合・強化

ブランドTLDはドメインネームにブランドを前面に出すことで企業のブランディング効果を最大化する他、自社内のインナーブランディング効果も得られます。膨大な企業のドメインネームの統括を図り、体系的なドメインネーム管理が可能になるため、企業としてはガバナンス強化とマネージメントの簡素化も期待できます。

(2)信頼性向上

何より第三者の使用を排除できるため、年々増加しているサイバー攻撃から消費者を守り、セキュリティ対策として活用することができます。一目で分かる、運営元の保証ができるドメインネームは企業・ブランドの証明書のような役割を果たし、信頼性を担保できます。

個人情報を取り扱う会員制のサイトや企業が運営するショッピングモールなどより強化されたセキュリティ対策が必要なウェブサイト、なりすましなど悪用されやすい企業のサイトは、ブランドTLDの活用で被害を防ぐことができます。保護ドメインの取得・運用費用の削減効果も期待できます。

(3)顧客接点の強化

短くて覚えやすいドメインネームの自由自在な設定は、消費者への広告効果を高めます。複数のドメインネームを登録しても運用費用が変わらないため、消費者が辿り着ける複数のアクセスルートを作ることもできます。

(4)デジタル・プレゼンス向上

オンラインとオフラインの融合がより加速化するデジタルトランスフォーメーション(DX)時代に、デジタル・プレゼンス向上による企業の存在感の確立は企業の存続にも関わるものです。消費者に触接伝わるブランドTLDは、ブランド・商標の保護はもちろん、オン・オフラインを繋ぐブランド・コミュニケーションを活発にし、企業のデジタル・プレゼンス向上に役立ちます。

このようなメリットに注目し、インターネットを取り巻く環境変化への対策として、レガシードメイン戦略を受け継ぎながらブランドTLDへの移行・併用運用を進めている企業も増えています。

   

7.ブランド価値を高めるために

ここまで、ブランドTLDの定義とメリットを見てみました。

企業においてドメインネームはインターネット上のID・識別子としての機能を超えて、今やブランドそのものに値する価値を持つ「ブランド資産」の一つとなっています。

特に、ブランドTLDは簡単に他のサイトとの差異化ができる様々なメリットを持っています。そのため、ブランドTLDの運用はその価値を認識した上で戦略目標とそれによって得られる効果に注目し、企業全体のブランド・コミュニケーションの下でブランドTLDを含むドメイン戦略を検討する必要があります。

GMOブライツコンサルティングは、現在ブランドTLDを運用している国内有数の大手企業及び今後第二ラウンドでの取得を検討している企業にブランド戦略コンサルティングを提供しています。ドメインネームをブランド資産の一つとして捉え、ドメインネームに留まらず各ブランド・コミュニケーションのバランスと全体像を見ながらより価値を高める戦略を提供しています。

ブランド戦略において気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!日本国内のブランドTLD顧客シェアNo.1!GMOインターネットグループがお悩みに寄り添ってお答えします!

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<ライタープロフィール>
鄭 美羅(Mila Jung)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/New gTLD Consultant
consul@brights.jp
2017年11月に入社、IT・メディアコンサルタントとしての経歴を活かして、ドメイン分野を学びながら新gTLD、特にBrand TLDを専門にレポートを提供。新gTLD分野に興味津津。「これ、面白いっす」と色々発見中。趣味は散歩(ひたすら歩く)、写真(めちゃくちゃ撮る)、カフェ(ただぼっとしている)、そして世界の観察と分析(?!)。