その1:商標のキ・ホ・ン
2014年5月に商標法が改正され、色彩のみからなる商標、音商標など「新しい商標」と呼ばれる保護対象が追加され、現在、「文字、図形、記号、立体的形状、色彩、音など」が商標登録できます。また、日本の商標権は特許情報プラットフォームを使用することで、だれでも無料で検索することができます。商標データベースからは、様々な企業や個人から「新しい商標」の出願が複数確認でき、順次登録査定が進んでいます。
(画像:(左)登録5938552/株式会社LINE/音商標、(真ん中)商願2015-030276 /株式会社エヌ・ティ・ティ・データ/色彩商標、(右)登録5808808/富士通株式会社/位置商標)
日本の商標制度
日本の商標法は、原則、「早く出願した者に商標登録を認める」ルールとなっているので、出願が遅くなると第三者に商標登録されてしまうリスクがあるため、できるだけ早い出願が必要となります。
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多区分出願の可否 | 可 |
商標データベース | https://www2.j-platpat.inpit.go.jp/syutsugan/TM_AREA_A.cgi?0&1536557646841 |
出願から登録までの期間 | 6ヶ月間~1年 |
権利存続期間 | 登録日から10年間 |
登録までの流れ | (調査)→<出願料納付>→出願→審査→登録査定→<登録料納付>→商標登録→公報発行→更新 *拒絶理由通知を受けなかった場合 |
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[su_highlight background=”#f7ff99″]商標は出願した国のみで通用します。国により制度が異なる点は注意が必要です。[/su_highlight]
その2:ネーミング時に確認したいこと
事業立ち上げ時や新しいブランドを立ち上げる際のネーミング時には、下記の点に留意する必要があります。
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1. | [su_highlight background=”#f7ff99″]商標の登録状況(完全一致の有無)[/su_highlight] (検索方法)日本の商標権は特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使用することで、だれでも無料で検索することができます。商標権侵害になるかどうかを判断するためには専門的な知識が必要なので、正確な状況を確認したい場合は専門家に確認してください。 |
2. | [su_highlight background=”#f7ff99″]ドメインネームの登録状況(完全一致の有無)[/su_highlight] (検索方法)WHOISと呼ばれる検索ツールで、取得状況を検索することができます。 ㏄TLDやgTLDの種類によっては検索結果が閲覧できないものがあるため、正確な状況を確認したい場合は専門家に確認してください。 |
3. | [su_highlight background=”#f7ff99″]ネガティブな意味が含まれていないか「ネガティブチェック」[/su_highlight] (検索方法)特にないため、専門家に依頼をすることが一番安心です。 |
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ネーミングに際して商標調査と登録、ドメインネーム調査と登録という一連の手続きが必要になります。[su_highlight background=”#f7ff99″]ネーミングが決定してから商標調査をするのではなく、ネーミング候補を複数準備する段階で上記のことを確認しておくことで、早い段階から登録時の障害を取り除くことができます。[/su_highlight]それにより、その後の段取りがスムーズに進みます。
また、商標やドメインネームが登録できても、[su_highlight background=”#f7ff99″]そのネーミングに「ネガティブな要素」があれば、悪印象が広がり、せっかく決めたネーミングを変更をせざる負えない状況に陥る可能性も高くなります。[/su_highlight]
先に述べた通り、日本の商標法は「早く出願した者に商標登録を認める」ルールとなっているので、商品やサービスの発表前に出願を行うようにしましょう。
その3:「ビジネス」を予測できる
本メディアでもいくつか出願商標からの予測記事をご紹介していますが、「技術」を守る特許とは違い、[su_highlight background=”#f7ff99″]「ビジネス」を守る商標からは、今後のビジネス化動向を予測することが可能です。ただ、[/su_highlight]apple社やDyson社は、「製品発表直前に商標出願を行う」といった、徹底した出願時期のコントロールを行うことで、発表前にリークさらないようにしていますので、こうした場合は先読みすることは難しいですが、このようなコントロールにより、消費者に驚きを提供する知財戦略を取っている企業もあります。
例えば、世界最大の商標データベースGlobalBrandDatabaseでは、世界各国の商標のデータ閲覧が可能です。試しにスターバックス社の最新の出願商標を確認してみた結果がこちら。
まだ上記商品の詳細はWEB上で確認することができませんが、近年、コーヒーに留まらずお茶商品の人気の高まりが話題となっている同社の新たなお茶商品の展開予測ができる出願商標ではないでしょうか。
このように、各国オープンデータベースを利用すれば、出願中の商標や登録されている商標に関する詳細情報を誰でも確認することができます。[su_highlight background=”#f7ff99″]データベースを活用することで、気になる会社や競合他社の今後のビジネス展開の予測ができるかもしれない有効なツールなのです。[/su_highlight]
〈ライタープロフィール〉
中山 礼美(なかやま れいみ)
GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/メディア担当
consul@brights.jp
2011年に入社後営業サポート業務に携わり、2017年5月よりメディア担当者として、商標やドメインネームの業務を学びながら記事を発信。様々な業界のトレンドを意識した記事作りの難しさに奮闘中。趣味は食べるコト、プチプラでお得感の高いものを探すこと。