企業でドメイン担当をしている人の永遠の謎。保護ドメインはどれだけ取ればいいの?答えは企業のデジタルブランドに対する考えや事業戦略の考え方にまで及ぶため、一義的な答えを導くことはできませんが、「企業はどれくらいドメインを取得しているのか?」という疑問には答えられるじゃん!、と思いこの企画をスタートします。
本サーチはGMOブライツコンサルティングの簡易サーチツールで確認したものであり、WHOIS情報を一つ一つ確認して登録者を判断しているものではありませんのでご承知置きください。
また、一般人として見たときのブランドイメージは重要であると考え、ホスト名(例:brights.jpでいうと、”brights”の部分)は、一般人が容易に想定するものも入れてみました。ピックアップしている企業は、売上高上位の企業です。また、ホスト名に完全一致するドメインを取り上げています。
ドメインネームの性質変化
はじめに、ドメインネームの役割変化を是非知っておきましょう。「ドメインなんて何でもいい、検索エンジンが中心だし」という考えをドメイン担当が持っているとすれば、少し時代は変化しているかもしれません。
では、いよいよ業界ごとの傾向です。
銀行業界
三菱UFJFGが群を抜いている印象があります。4文字のホスト名ということで、略称として他社の取得もあるかもしれません。みずほ銀行は”mizuho”としてブランディングをしていることがよくわかります。保護取得もそれを優先しているのでしょう。また、ゆうちょ銀行は、”jp-bank”をサブドメインで使用をしていますが、ドメインの取得があります。ハイフンなしのドメインも取得しており、ブランドリスクを考慮した保護取得の範囲は広いといえます。
証券業界
他金融業界に比べると取得数は多い業界です。楽天証券は、”rakuten-sec”としてではなく、”rakuten”ブランドとしてブランディングしていることがよくわかります。保護の意識も高く、その取得は群を抜いています。またアクティブ率が非常に高いのも特徴的です。GMOフィナンシャルHDも群を抜いてはいますが、3文字ドメインのため他社取得も大いにあるでしょう。SBI証券も同様です。その他ネット証券のマネックスをみた場合、やはり”monex”でのブランディングをしていますので、保護取得の範囲はそちらに寄っています。なお、野村証券、大和証券がマネックスと同等の取得件数という点が、売上規模、事業形態の違いからすると以外な結果です。
保険業界
前2業界も同様ですが、ホールディングスという印象より、一般人はブランドとして企業を認知することが多いからか、企業もブランドに一致したドメインを取得・保護する傾向にあることがよくわかります。かんぽ生命は、”jp-life”をサブドメインで利用していますが、銀行の時と同様、ブランドリスクを考慮した広い保護取得をしていることが分かります。一点、ウェブサイトを見ると、ブランドは”JP INSURANSE”とあるのに、サブドメインが”jp-life”となっている点にブランディングの観点から少し違和感がありました。日本生命は、ブランドコミュニケーションで多用している”nissay”を推していることがわかります。
クレジットカード業界
イオンがダントツの取得状況です。クレジットカード以外の業種もあるためだと考えます。また、一般名称の”finance”や”card”などを省いたブランドをまずは優先して保護していることがよくわかります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ブランド名と会社名で保護範囲は全然異なることが分かったと思います。また、ブランドコミュニケーションがオフラインとオンライン(デジタル)とで一致しているほうが、一般人として信用がしやすいことも分かるのではないでしょうか。ドメインは単なる識別子ではありません。デジタルブランド資産として、無駄のないコミュニケーションをするための重要なリソースです。是非ブランドの観点からドメインを再構築してみましょう。
詳細な調査をされたい方は是非お問い合わせをください。
〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)
GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部