中国ブランドセキュリティ事情、今日の言葉「反向混淆」

     

はじめまして!GMOブライツコンサルティングの申思です。

日本の滞在歴は長く、早稲田大学でMBAを取得後にGMOブライツコンサルティングで勤めております。
現在、新型コロナウイルスの影響もあり、中国東北地方の瀋陽の実家で在宅勤務体制に入っております。
今回から不定期ではありますが、中国のブランドセキュリティ関係の情報をお届けしてまいります。

本日は中国の人民日報よりこのニュースです。

      

「小米被指“鸠占鹊巢”,一审判赔1200万元」
Xiaomi(小米)は「巣を占領している(※1)」と非難され、最初の裁判は1200万元を失いました。

     

さて記事の内容ですが、携帯電話でも有名なXiaomi(小米)が既存商標を無断に使用し、権利者から訴訟を起こされているというニュースです。

▼概要
小米通訊技術有限公司および、小米科技有限責任公司により自社の商標を侵害されたと杭州聯安安防工程有限公司が小米社と大手ECサイト運営の京東会社を訴えました。

杭州市中級人民法院は小米社が聯安社の第10054096号「MIKA米家」登録商標を侵害したとの事実を認め、小米社に対して聯安社の経済損失約1200万元の支払いと一審判決を下し、京東社に関しては、権利侵害は認められないとしました。

▼補足
杭州聯安安防工程有限公司は、2003年5月に設立し、中国国内でインターネット警察通報システムを提供している会社です。「MIKA米家」の商標は、インターネット通信設備、カメラ、ビデオカメラ等を指定商品として、2012年に登録されました。
一方、小米社は、2016年から「米家」の商標をネットワークカメラ、スマートカメラマウント、ドライブレコーダーなどの商品に使用して京東などで販売してます。

先に商標を登録したのは、杭州聯安安防工程有限公司であるにも関わらず、小米社は自社の知名度の優位性を用いて、「米家」が付されている商品は、小米の商品だと、消費者を誤解させました。

記事では本件を「反向混淆(逆混同※2)」と表現しています。
中小企業が大企業の著名な商標を無断使用するような事例は、今まで数多くありましたが、今回は大企業が中小企業の権利を侵害しているので、「反向混淆」という表現を使用しています。

中国での商標権の取得が、大企業だけでなく中小企業でも一般的になってきた昨今において、このような事例はますます増えていくのではないでしょうか。

▼これからの動向
小米社は一審判決に対して、不服を申し立て、改めて訴訟が行う姿勢を見せています。
記事中では商標権に関する詳細な説明も盛り込まれており、人民日報や政府の知的財産に関する啓蒙姿勢が伺えます。

それではまた次回のレポートをお楽しみに!

※1 鹊巢鸠占(カササギの巣をキジバトが占める)の故事成語から。他人の家屋や土地を強引に占拠する、という意味。

※2 逆混同(Reverse Confusion)については、大島厚弁理士の論文に詳しく説明があります。


〈ライタープロフィール〉
申 思(しん し)
GMOブライツコンサルティング株式会社

情報部

2014年に入社。社内のシステム開発や受託開発のディレクターに就き、ベトナムのホーチミンにある開発支社の役員を二年担当して、現在中国の瀋陽に滞在しております。中国の知的財産権に関する情報を収集しながら、勉強中です。

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