アニメ、歌おもちゃも大人気! 国民的ヒーローのアンパンマンキャラクターを調査! バイキンマンやだだんだんよりも手ごわい侵害者にアンパンチ!

      

誰もが知っている国民的ヒーロー「アンパンマン」。その人気は30年以上たった今でも全く衰えることはなく、おもちゃ売り場や子供用品売り場に行けばアンパンマングッズが溢れかえっています。

そんなアンパンマンの特徴のひとつといえば、キャラクター数の多さ。アンパンマンの他、バイキンマン、ドキンちゃん、カレーパンマン、しょくぱんまん、ジャムおじさん、バタコさん、メロンパンナちゃん、ロールパンナちゃん、クリームパンダなどといったメインキャラクターに加え、今なお新しいキャラクターが増え続けています。
そのキャラクター数はディズニーを圧倒するほどに多く、2009年時点で1,768体。「最もキャラクター数の多いアニメシリーズ」としてギネス認定もされています。

商標的視点で見れば、これらのキャラクターをどこまで権利化すればいいのかということがとても気になるところ。今回は中国を例にとって、アンパンマン、そして各キャラクターの権利周りがどのようになっているのかを見ていきたいと思います。

     

anpanmanの中国権利状況

        

ではまず中国DBで「アンパンマン」の検索結果をみてみましょう。

      

       

直近で第三者商標がちらほら出てますが、アンパンマンの権利者であるフレーベル館が広い区分で権利を固めているのがわかります。

       

     

次にフレーベル館の保有商標状況を見ていきましょう。オーナーシップサーチでみてみると権利数は118件。商標態様は大きく5つで、「anpanman」、「anpanman+面包超人」、アンパンマンの漢字である「面包超人」「红豆面包超人」、そして下記のようなアンパンマンの顔での出願でした。

     

    

区分はかなり広く出願しているのですが、気になるのは保有商標が「アンパンマン関連のもののみ」であるということ。アンパンマン以外のキャラクターは出願していません。
現在アンパンマングッズの海外進出は台湾のみなので、中国ではあまり認知がないのか、と思いアリババで検索してみると

    

     

たくさんのアンパンマングッズがヒットしてきました。やはり中国でも人気なようです。
気になり詳細を見ていくと、商品タイトルの中に「細菌小子」の文字を含む出品がチラホラ。「細菌小子」、これは漢字から「バイキンマン」であろうことが容易に予測されます。気になり中国DBで検索をしてみると……

    

やはり多数の第三者商標がヒットしてきました。ご丁寧に「baikinman」とのアルファベット付きの商標もあります。
おもちゃの28類、食器類の21類、洋服の25類などなどグッズなどメイン区分は軒並み第三者によって出願されています。こうなってくると気になるのは他のキャラクターたち。

    

   

これは百度百科にあるアンパンマンキャラクターを紹介したページ。バイキンマンの権利状況を見た後に、各キャラクターの説明を見ると、正直嫌な予感しかしませんが、この表記をもとに各キャラクターの商標状況がどうなっているのかをみていきたいと思います。

    

第三者に侵害されるキャラクターたち

    

まずはジャムおじさん。

    

    

残念ながら洋服、バッグ、そして食べもの飲み物区分が複数の第三者によって出願されています。

続いてバタコさん

   

こちらもつい先日第三者によって出願されています。
続いて人気キャラクターの一人であるメロンパンナちゃん。

     

そしてメロンパンナちゃんと兄弟のような関係のクリームパンダ

    

どちらも第三者によって重要区分が権利化されてしまっていました。

アンパンマンの仲間たちが……何者だかわからないやつらにやられてしまっている…助けてアンパンマン!
しかし調べていくと、アンパンマン自身もじわじわと嫌な冒認出願をされているのを見つけました。

   

     

こちら、先ほどバイキンマンを出願していた権利者の商標一覧です。バイキンマン以外にも多数の冒認出願らしきものを出願しているのですが、その直近の出願の中に複数の「bread warrior」の商標が。

    

   

Bread warrior、パンの戦士……これ!絶対アンパンマンのことですよね!?アンパンマン狙ってますよね?!
アンパンマンよりもだいぶ強そうな響きですが、bread warriorの漢字表記である「面包勇士」で百度検索をかけると、やはりアンパンマンがヒットしてきました。

    

   

現状、「面包超人」がアンパンマンの漢字として認識されていますが、今後「面包勇士」もアンパンマンとして認識されてしまった場合、様々なリスクが生じてくる可能性があるかと思います。

今回の調査からは、あの手この手でキャラクターを侵害しようとしてくる第三者の姿が見えてきました。
今は企業がキャラクターを持つケースが増えており、キャラクター商標に関し「権利をどこまで守ればいいのか」「図形としてどのように取得するのか」「区分や国はどうすればいいのか」などといったご相談をいただくケースも増えております。
弊社では豊富な実績を元に、様々な角度からのご提案をすることが可能でございますので、お困りの際は一度お気軽にご相談いただければ幸いです。

      


〈ライタープロフィール〉
村上 加苗 (むらかみ かなえ) 
GMOブライツコンサルティング株式会社

営業部/関西営業アシスタント

2011年入社。営業マンとして6年ほど勤務した後、出産を機に営業アシスタントへと転向。現在は年間300以上のブランド調査をしています。侵害者目線からの商標、ドメインなどといった侵害発見を得意としています。趣味はお酒、ダイビング、漫画。

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