デカコーン企業”Uber”の上場。今後は何を考えてるのか?

未上場企業で評価額が100億ドルを超える企業のことを 「デカコーン企業」 というらしいのですが、そんなデカコーンの一角 ”Uber” が、2019年5月にニューヨーク証券市場に上場しました。

日本で ”Uber” といえば、白タクとの関係もあって、”Uber Eats” が一番馴染みがあるのではないでしょうか?

国内にいるとあまり ”Uber” の広がりを実感できませんが、調べてみると事業展開がとんでもないです。上場はほんの通過点であり、集めた資金によって更なる進化をしていく感じがしますが、マーケ情報からだけでなく、知財情報からも少し振り返ってみましょう。(知財情報はWIPOの提供する各種オープンデータベースの情報を確認しています。)

  

”Uber” の本業は?


言わずもがな、配車が事業の中核。

自身も調べるまでは自動車の配車サービスしか知りませんでしたが、配車サービスは陸海空に広がっています。

”Uber” さえあれば、移動は何でもできる!

みたいな事態です。

 

空を制する? ”Uber Air” からの ”Uber Copter”


空を利用した移動手段は、”Uber Air” から始まりました。最終的に10年以内には、小型航空機を利用した無人飛行移動を実現することを考えているらしいです。(NASAとも開発に向けて提携をしているそうです。)

壮大な計画の前に具体化したサービスが ”Uber Copter ” です。

数日前にTECHLUNCHでも記事化されていましたが、ヘリコプターを利用した空の移動手段です。2019年7月にサービスインをします。

商標は、アメリカ出願が同年2月にされているだけで、他国での出願はありません。まずはアメリカで ”Uber Air” に向けた実績作りといったところかもしれません。

  

海もある。 ”scUber”


”Uber Air” の実現に向けても積極的なオーストラリア(アメリカ以外で唯一 ”Uber Air” を出願)ですが、海の移動については、アメリカよりもオーストラリアが進んでいます。

通常 ”Uber” のサービスの作り方でいうと、”Uber” + 〇〇 ですが、”scUber” と少しダジャレな雰囲気です。2019年5月23日に ”Uber” のBlogで発表された海を移動するサービスです。

1か月もない限定のサービスではありますが、発表後、”scUber” をしっかりとオーストラリアで出願をしています。登録されるときにはサービスもないかもしれませんが、期間中に何かあってもということでのリスクヘッヂの表れなのかもしれません。

  

やっぱり陸。 ”JUMP” でタクシー以外の移動をカバー


二輪自動車配車サービスの ”JUMP” は、2018年4月から開始。JumpBikes社のサービスを買収したことからも垂直立ち上げの様子です。

現在サイト( https://jump.com/cities )を確認する限り、アメリカ以外の都市では、ドイツ、ベルギー、イギリス、ポルトガル、フランス、スペインでのサービス利用ができるようです。

商標の出願を確認する限り、北米のカナダ、メキシコもサービスは拡大を予定していそうです。また、オセアニアのオーストラリア、ニュージーランドもそのようです。日にちは少し異なりますが、2019年4月にすべての商標が出願されています。

二輪自動車配車サービス としては少しで遅れている感がありますが、このサービスには、電動自転車だけでなく、スクーターも含まれているので、既存のプロバイダー(例:mobike)が提供するサービスとはまた違ったユーザーを獲得するかもしれません。

  

公共機関とのサービス連携


”JUMP” を発表したブログにもありましたが、様々な移動手段のスムーズな連携を強化することをしています。アメリカでは、”Uber Transit” がリリース(2019年1月31日)され、公共機関を降りたら、配車された車に乗ってすぐに移動ということができるらしいです。

商標出願からすると、まだアメリカでの出願(2019年2月5日)しかありませんので、他国での展開はこれからですね。

  

知財をみているとわかったこと


ここまで見てくると、配車と移動に特化をしてとにかく突き進んでいることが分かります。

商標の取得の時期については、少しドキドキします。

リリース後に間髪空けずに出願をしているので、おそらく大丈夫なんだとは思いますが、これだけ有名なデカコーン企業です(上場したので「だった」が正しいか。)ので、マーケ情報も知財情報も注目の的のはずです。

第三者に取得されないよう徹底した出願をしてもいいのではないかと思ってしまいました。

確かに”Uber” の後に続く言葉が一般的な言葉(例:transit、copter、rewards)のため、最悪どうにかなるケースもあるかもしれませんが、マーケと知財のコミュニケーションを修正するだけで、事業のリスクはしっかり収まる気がします。

最後に、WIPOのPatentscopeで特許情報を見ていると、自動運転+配車に向けて着々と研究は進んでいると感じます。同機関のGlobal Design Databaseをみると、自動運転の肝であるLIDARセンサーのデザインも意匠出願していたりします。

2019年5月に上場したUberですが、報道によると、想定より初値は芳しくなかったようです。でも、こんなことがどうでもいいと思えるくらいに、未来の移動手段をあっという間に創造していってしまう気がしました。

今後もウォッチしていきます。

  


〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)

GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部

2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部副本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。

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