ICANN64/神戸【ブランドTLD・新GTLD】

  

2000年に横浜でICANNミーティングが開催されて20年。神戸にICANNが再上陸しました。

そもそもICANNをご存じでない方にご紹介をしますと、ICANNとは、世界中のインターネットを支える最高機関です。
簡単に言ってしまえば、WTOやWHOのような存在です。

インターネットを毎日こうして繋ぐことができているのには、ICANNの存在が不可欠です。

  

”ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)次のインターネット資源(ドメイン名、IPアドレス、プロトコルポート番号およびパラメータ番号)およびDNSルートネームサーバシステムを民間主導でグローバルに調整する目的で、 1998年10月に米国で設立された民間の非営利法人です。 ICANNでは、 インターネット資源管理に関連するポリシー課題について活発な議論を行っている機関。”

  出典:https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/icann.html

  

そんなICANNは、4か月に1回、世界のどこかで国際ミーティングを開きます。アジア、ヨーロッパなど大きくリージョンに分け、
その中で国際ミーティングが開ける都市を選定していきます。

  

  

ICANNでは何が話されるのか?

ICANNは国際機関ですので、ルートサーバーを運用すること、世界にインターネットが広く安定的に運用がされるように常に仕事があります。国際ミーティングの場は、世界各国の関係者(レジストリ、レジストラなど)とFACE2FACEでないと伝えにくいこと、議論しにくいことについて、理解を深めることを重視しています。

そのため、ICANNの会場には、遠方にも関わらず、いろんな国・地域の皆さんが参加されています。ソマリアからいらっしゃる方、クック諸島からいらっしゃる方。

日本はJPNICがしっかりとネットワーク管理をしているので、通信障害が起きたりすることは少ないですが、世界の各地ではまだまだ通信の課題は多くあります。先進国の経験をこうした国際会議において、聞いて回って、よりよいインターネットの提供に各国関係者が努めているという実情があります。

  

  

ICANNミーティングの内容は?

  

1) ヨーロッパ一般データ保護規則(通称、GDPR)施行後のWHOISとは?

今回のICANNミーティングの一番の注目は、ヨーロッパ一般データ保護規則(通称、GDPR)の施行を受けて、WHOISは死んだまで言われましたが、その例外的な開示条件はどういったケースなのか?といった部分の議論です。

今回結論はまだでていませんが、着々とシステムは作りこまれていることは分かりました。

BRANDTODAYで今後続報は展開しますが、制限的ではありますが、例外的に個人の同意なく情報が開示されるケースはあり得ることは確かです。

  

  

2)ユニバーサルアクセプタンスとは何者か?

次に、新gTLDの登録件数の伸びを受けて、ユニバーサルアクセプタンスの課題について、議論がされていました。

皆様も昔はよくメール文面が文字化けしてしまう体験はあるのではないでしょうか?インターネットは勝手に使い勝手がよくなっているのではなく、誰かが使いやすく徐々にしています。

ユニバーサルアクセプタンスは、インターネットで通信をする際に、色んな形のドメイン(例:sony.com/生茶.jp/uasg.tech/mail.toray )が正しくブラウザやメーラー、各社のサービスで滞りなく処理をできるようにする取り組みをいいます。

  

UASGという団体が、多言語(例:生茶.jp)が出てきたあたりから本格的に活動がなされ、先ほど申し上げた色んな形のドメインを正しくブラウザ、メーラー、各社のサービスで正しく処理ができるように、ブラウザの更新、サービスの更新の必要性の広報、技術支援などをボランティアで行っています

新gTLDが登場してからは、更に課題がでてきました。それは、爆発的にTLDが増えたこと。ICANNが世界に周知しきれなかったことにより当初は、ブラウザ、各社サービスが少し機能しなかったりしました。

UASGが頑張ってくれたおかげで、現在新gTLDも当然のTLDとして認知されてきているため、こうしたトラブルも少なくなりましたが、ユニバーサルアクセプタンスの課題をできる限り世界でなくすために、多言語、新gTLDなどをウェブ、メールで利用した場合にアクセスに課題がある場合には連絡をしてほしいなどの広報を改めて行っていました。

  

  UASG( https://uasg.tech/ )

  自身のメールアドレスがRFCに反せず正しく利用ができるかを簡易チェックすることも可能です。

 

  

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1)国内外ブランドTLD活用企業のセッション

ファーストラウンドの新gTLD(NewgTLD)サービスプロバイダーとして、アジアで一番のブランドTLD申請実績のある弊社は、各企業のブランドTLDを活用なさっている皆様へのICANN関係者のご紹介と海外ブランドTLD活用企業とのセッションを開催しました。

  

国内のブランドTLD利用は海外に比べると全体的には活発であり、海外の注目も高く、セッションには30名を超える多くの企業担当者様に参加をいただきました。

各社のプレゼンでは、大日本印刷(DNP)、東レ、マイクロソフト(米国法人)、アマゾン(米国法人)の各担当者様にご登壇をいただきました。

登壇内容はその場限りのため、詳細をお伝えができないのですが、さすがトップ企業である各社はそれぞれに考えを持って活用なされていることを再確認することができました。

  

2)ブランドTLDの実状

弊社からは、国内外の皆様に現在のブランドTLDの活用状況をお伝えしました。一部簡単にご紹介をします。

ブランドTLDの登録数は昨年比で考えると、60%増となりました。利用をしていない”準備中”というステータスは減少傾向にあり、
ユニークサイト、転送としての活用は昨対比で急速な伸びを示しています

  

  

業界別の活用率は、次の通りです。

  

  

自動車、小売り業界はユニークサイトの割合が多い。金融、メディア業界は転送利用が多い。IT業界は全体のブランドTLD数は多いのですが、活用という点では他業界に比べると実は遅れている現状が分かります。

新gTLDはもはや、特別な領域のドメインではありません。通常のドメインと同様に扱われるようになってきており、新gTLDを起点として、デジタルグローバル戦略を考える企業すらでてきています。

セカンドラウンドの新gTLD募集時期も迫っていると感じる中、新gTLDを申請して登録をすることだけには意味がなくどうブランディング、ガバナンス、セキュリティ強化などに生かしていくのかを具体的に考え、実践できることが求められてきていると強く感じたセミナーでした。

  

  

最後に

ICANNでは、関係者による熱い議論の時間もあれば、そんな皆さんに疲れを癒していただくようなその土地ならではのおもてなし
があります。

  

GALAというICANNのウェルカムパーティでは、伝統芸能の披露もありましたが、インターネットの父と呼ばれる村井慶應大学教授もスピーチに駆けつけるというあたりがICANNの存在の大きさを感じました。

次回は、モロッコでの開催となります。今回結論のでなかったWHOISの例外規定はどうなるのか?セカンドラウンドの新gTLD(NewgTLD)の募集時期についての言及はあるのか?と今から楽しみであります。

また、レポートをしてきますので、楽しみにしていてください。

  

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〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)

GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部
consul@brights.jp

2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部副本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。