イギリスのEU離脱によって、ウェブサイト・メールが止まる?

  

BREXITは他人事か?

3月12日のイギリス議会において、EU離脱の条件について定めた協定案が反対が上回り、再び否決される事態となりました。混沌とするイギリスですが、結論次第ではドメインにも影響を及ぼします。

ヨーロッパを代表する地域ドメインである「.eu」は、2005年に開始され、多くの企業のヨーロッパサイトとして利用されてきました。当該ドメインの登録要件は、ヨーロッパにある法人もしくは個人であることなのですが、今回イギリスがEUを脱退することになると、イギリスの法人名もしくは個人名で取得をしていた「.eu」ドメインは、登録要件を満たさないこととなってしまいます。つまるところ、ドメインが削除されてしまいます。

  

確認方法は?

「.eu」は先ほど申し上げた通り、ヨーロッパ地域を統括するサイトなどとして企業もよく利用していますので、ウェブやメール利用ができなくなると大変な事態です。したがって、企業のご担当者様は、「.eu」の名義はしっかりと確認にしておくこと必要があります。

一点注意することとしては、GDPRの関係で、「.eu」のWHOISは確認することができないケースもあります。その場合は、管理をお願いしているレジストラに情報を確認し、イギリス法人であるか否かの確認をすることをお勧めします。

  


EURidのwhois:

https://eurid.eu/en/


  

対応方法と時期

ドイツなど法人がある場合には、イギリス法人であることが分かった瞬間、名義変更をしてしまうことが最善のリスクヘッヂです。イギリスにしか法人がない企業については、ヨーロッパ法人の名義貸しが弊社であればできますので、そうしたサービスを利用し、「.eu」を利用したウェブサイト・メールの混乱を事前に避けることが肝要です。

EU離脱日から起算して、2か月以内に名義変更をはじめとした情報変更を完了することが求められます。

現在確認できる今後のフローは以下の通りです。(合意なき離脱の場合)

  


  1. 3/23 レジストリ(EURid)よりレジストラ、レジストラントへ状況と対応通知のメールが届きます。
  2. 3/30 リマインドが発信されます。
  3. 5/30 ドメインの削除が実施されます。なお、ゾーン情報は残ります。
  4. 2020/3/30 情報変更がされないドメインのゾーン情報を完全に削除します。(誰でも新規登録できる状態。)

  

今後のイギリス議会の進展にも注目ではありますが、企業としては安全を第一に直ちにできる対処をすることをお勧めします。

  

    

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〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)

GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部
consul@brights.jp

2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部副本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。