【重要(修正)】カナダ:2019年6月17日より改正商標法の施行へ

過去何度も先延ばしされてきた、カナダの商標法が2019年6月17日に施行されることが決定しました。カナダの商標法は大幅に変更される予定です。現時点で判明している主な変更点のいくつかを以下に示します。

重要な改正点


1.使用宣誓の提出は不要
商標の使用状況に関する情報提供は出願時に必要でなくなります。そのため、2019年6月17日の時点で使用宣誓未提出の出願中商標は直ちに登録となります。

2.商標定義の拡大
新しいタイプの商標も登録できるようになります。 (ホログラム商標、動き商標、音商標、匂い商標、味商標、触覚商標)

3.出願の分割が可能

4.存続期間の変更
存続期間は10年に変更されます。尚、施行日前に登録された商標の15年権利期間は変更されません。

5.マドプロ加盟
マドプロ加盟国になります。

6.ニース分類の採択

7.区分制度の導入
区分が分かれていない現在の権利は更新時に書き換え申請が必要になる見込みですが、更新より前に特許庁より書き換えの指令が出る可能性もあります。

8.印紙代の改正
更新時の印紙代が値上げされます。(修正前)2019年6月16日までに更新した場合は更新期間が15年且つ印紙代据え置きとなり、6月17日以降は10年で印紙代が値上げされますので、改正前に更新手続きを行うことを推奨いたします。→(2019/1/22修正)2019年6月16日までに更新した場合でも、2019年6月17日以降に更新期限をむかえる商標については次の存続期間は10年になります。

トロール問題


現商標法では、使用しない限り権利が発生しませんが、改正商標法により、使用宣誓の提出が必要ではなくなります。そのため、それを見越して大量な商標トロール(本家よりも先に商標を登録し、本家に対して利用権を売りつけるなど、知的財産権を濫用して金銭を請求する行為)による出願が起きています。
トロール被害を防ぐために、カナダで事業を展開していない場合でも、カナダ国外で著名な商標に関しては、出願検討をすることを推奨いたします。