中国における商標状況

Ksenia Golovina先月行われた国家工商行政管理総局の全国の工商管理部門における商標戦略推進業務会議に伴い公開された情報によると、中国国内の商標登録申請件数は前年同期比8%近く増加し、また、登録済みの有効な商標登録件数も増加傾向にあり、世界一となりました。前者の数は677万件で、後者は240万件に達しました。

 
統計のみで判断すると、中国は知的財産の強国に見られますが、実際、中に含まれる商標は国際的に高名な商標が少なく、市場主体の商標登録平均保有数も優れていません。

つまり、国際性が不足しており、商標の登録という動きそのものとマーケットの実際の成長の流れは一致していません。

また、このごろ日本で注目されてきた問題ですが、日本のタレントなどの名前が中国にて商標として登録されていることが見つかった事実です。例えば、中国の商業者は日本のタレントの著名性から利益を得ることを目的として、歌手の浜崎あゆみの名前を文房具のブランドとして商標登録した事件のことです。

また、「青森」「鹿児島」などを商標として登録する試みがありましたが、中国の商標法は海外の地理的名称の商標登録に対する禁止がかかっているため、不成功に終わりました。一方、外国のタレントの名前についての規定ははっきりしていないため、上記のような問題がおこりつつあります。

その他、不正登録の対象となったのは、歌手の安室奈美恵 、卓球選手の福原愛の名前であり、さらに、商標登録が申請されたのは俳優の高倉健と歌手の中島美嘉の名前でした。

また、中国内の大きな問題とされるのは、新しく誕生する多くの企業は未経験で、商標登録を完了させる前にマーケティング活動を行いますので、不正業者はそのブランドネームを商標として登録し、利益を得ようとしている一方、ブランドの所有者はその商標を取り戻すことができない場合が多いです。

国家工商行政管理総局によると、このような状況において実際の統計では、2009年の前半は、全国の工商関係部門が摘発した各種の商標に関する違法案件は1万5500件に上り、被害金額は3億6300万元に達しました。

そのため、中国におけるマーケティングやプロモーション活動を行う際には、ご所有の未登録商標についての情報が外部に漏れないためのご注意が必要です。新しい商品やサービスを公開する前にその知的財産権を保護する対策を取るようお勧めいたします。

ブライツコンサルティングではこれらの問題に関するご相談や、豊かな経験に基づいた中国における商標登録・更新・訴訟のサービスを提供いたしておりますので、ご用件のある方は担当者までお問合せ下さい。

参照(統計):人民網

Ksenia Golovina(2)

 
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