2018年10月8日、5店舗目の「Amazon Go」がシカゴ市内にオープンしました。今までオープンしている店舗は全てアメリカで、今後の店舗展開国についてが注目されてます。次の6店舗目について正式な発表がないものの、Amazon Goのサイトには、”Coming Soon”と一緒に6店舗目の住所が記載され、住所からは、シカゴにオープンすることが予測できます。(下記赤枠内)
画像出典:https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011
一方、10月8日イギリスのサンデータイムズにより、Amazonが100坪〜140坪の小売りスペースを多数探しており、それは「Amazon Go」の準備であるのでは、といったの憶測が報じられ、今後の展開に注目が集まっているのです。
Amazon Goはイギリスにオープンするのか?
世界最大の商標データベースGlobalBrandDatabase(以下GDB)で、Amazonが出願している「Amazon Go」商標を検索した結果12件。日本の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を検索した結果1件。これらを、出願日が古い順に並べた結果がこちら。
[su_table]
出願日 | 国 |
2016年12月5日 | アメリカ、EM(欧州連合) |
2016年12月6日 | カナダ |
2017年5月9日 | オーストラリア、シンガポール |
2017年5月15日 | メキシコ |
2017年5月23日 | 日本 |
[/su_table]
現在、「Amazon Go」がオープンしているのは唯一アメリカのみ。そのアメリカと同日に出願をしているのが、EM(欧州連合)です。アメリカの次の展開国としてイギリスやヨーロッパ各国を視野に入れている可能性は、非常に高いことが予測できる出願内容ではないでしょうか。
「無人コンビニ」と言われた同店舗ですが、実際には入り口で迷っている客に入店の仕方を説明する案内スタッフ、商品補充用のスタッフ、アルコール売り場で年齢確認をするスタッフ、食料の調理スタッフなど、多くのスタッフを配置する必要があり、本当の「無人コンビニ」として大きな収益化へと移行できるのは、時間を要することが考えられています。まずはアメリカで土台を固めてから他国展開を考えているのかもしれませんが、2021年までに3000店舗計画があるため、今後、出店国を増やして加速していくことが考えられます。上記、出願国に対して店舗展開していく可能性は非常に高く、日本への展開も視野に入れていることが伺えるのではないでしょうか。
リアル店舗「AMAZON 4-STAR」
2018年9月26日、ニューヨークにリアル店舗「AMAZON 4-STAR(アマゾンフォースター)」を新規出店すると発表し、翌日27日にオープンしました。この店舗では、ウェブサイト上で人気の商品を販売するとのことで、今後の店舗展開については情報公開がされていません。
GDBで検索した結果、「AMAZON 4-STAR」の出願商標は、アメリカに対しての出願1件のみ。新規出店をすると発表した同日に出願している辺りは、流石Amazon社といった印象。新たな事業を始める際の、出願時期のコントロールの徹底をしている企業であることを、改めて伺える出願でした。
また、今後データベースを注視していくことで、今後の「AMAZON 4-STAR」の展開国が見えてくるかもしれません。
〈ライタープロフィール〉
中山 礼美(なかやま れいみ)
GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/メディア担当
consul@brights.jp
2011年に入社後営業サポート業務に携わり、2017年5月よりメディア担当者として、商標やドメインネームの業務を学びながら記事を発信。様々な業界のトレンドを意識した記事作りの難しさに奮闘中。趣味は食べるコト、プチプラでお得感の高いものを探すこと。