世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase」で2016年度のマドプロ出願数から、マドプロの指定国として注目されている国をランキング形式でご紹介いたします。マドプロ出願の際、どの国への出願数が多いのでしょうか。
[su_box title=”5位”]こちらから[/su_box]
[su_heading size=”15″]2016年度の総出願件数:50,549件[/su_heading]
5位:日本(出願件数:14,240件)
4位:ロシア(出願件数:14,642件)
5位の日本と400件程の差で4位にランクインしたロシア。マドプロ出願の指定国を「ロシア」としている権利者TOP10は下記の通りです。
5位の日本との結果とは異なる色が出てきました。出願数90件で1位に輝いた「LIDL STIFTUNG & CO. KG」は、世界中に約8000店舗を展開するドイツのディスカウントスーパーマーケットのチェーンです。
画像出典:https://www.promozioni24.it/volantino/lidl/promozioni-lidl-volantino-offerte-online
「リドル(Lidl)」は、アメリカへの進出準備を進めており、2018年中頃までにアメリカ東海岸に100店舗を展開する計画で、その手始めとして今夏、20店舗をバージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州にオープンするとのこと。アメリカでは最終的に600店舗体制を目指しており、同じくドイツを拠点とするディスカウントストアのアルディー(Aldi)と混同されがちなので、アメリカではアルディと差別化を図ろうとしています。
画像出典:https://www.promozioni24.it
専用のオーブンを使用し、店舗内で焼き上げるベーカリーも人気があり、「THE BAKERY FRESHLY BAKED THROUGHOUT THE DAY」 という商標はEUIPOとマドプロでの出願を行っています。一般的なスーパーマーケットは1つの商品で複数のブランドを取り扱いますが、リドルはプライベートブランド中心の品揃えとすることで、価格を低く抑えているのが特徴だといいます。それを裏付けるかのように、ベーカリー商標だけではなくアイスクリームやチップス等の商標登録が確認できます。
また、リドルでは家電製品や家具も販売しています。2014年8月に発売した女性服のコレクションは、15ポンド(約2100円)のフェイクレザージャケットやシフォンブラウスを取りそろえ、最初の3日間で完売したといいます。店舗ロゴで使用されているカラフルなロゴではなく、白黒のシンプルなロゴを使用しているのが印象的です。この白黒ロゴは2016年にEUIPOとマドプロで幅広い国に対して出願を行っており、37類と45類以外での権利保護をしていることから、今後主力プライベートブランドとして展開をしていくことが予測できるのではないでしょうか。
”LIDL STIFTUNG & CO. KG”が2016年度に出願をしている件数は357件であり、下記図は国別結果です。マドプロ出願に次いでオーストラリアへの出願数が多く、3番目にアメリカが多い結果となっています。競合であるアルディー(Aldi)は既にオーストラリアへの店舗展開をしており、リドルもそれを意識してか、オーストラリアへの店舗開業準備をしていると周囲で囁かれていました。実際に2000年以降オーストラリアで複数の商標出願を行っており、開店の発表がされるのかと注目を集めていましたが、現時点でそのような発表はなく、アメリカへの店舗拡大を優先させることとしているようです。
画像出典:Global Brand Database(http://www.wipo.int/reference/en/branddb/)
5位日本との比較
日本で上位にランクインした製薬会社の名はなく、マドプロでロシアを指定国として出願している製薬会社は8位にランクインしているインドネシアの「Biofarma」でした。Biofarmaはインドネシアの国営企業で、インドネシアのバンドンに拠点を置き、ワクチンや血清を生産し、インドネシアなどで予防接種をサポートしています。
自動車メーカーのBAYERISCHE MOTOREN WERKE、DAIMLER AG、2社は日本のTOP10でも登場しており、ロシアで上位にランクインしているのが印象的でした。
[su_box title=”3位”]こちらから[/su_box]