【ドメインニュース】有名人のなりすまし被害と対策|ドメイン登録の基本を解説(2025年3月号)

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BRANDTODAYでは、皆様に最新の情報をお届けするためにドメインニュースを配信しています。
今月号の注目トピックは、7万人がフォローしたなりすましアカウントへの迅速な対応による被害の最小化について。また、意外と知られていない「ドメインの登録方法」についても詳しく解説します。
オンラインの安全対策とビジネスに欠かせないドメインの知識を、ぜひ最後までご覧ください!

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📣トピック①|有名人のなりすましアカウントが7万人フォロワー獲得、迅速な対応で被害を最小限に

先日、「嵐」の松本潤さんになりすましたX(旧Twitter)のアカウントが、約7万人ものフォロワーを集めていたことが発覚しました。しかし、迅速な対応により、このアカウントは短期間で凍結され、被害を最小限に抑えることができました。
「有名人だからすぐに対応してもらえたんでしょ?」と思うかもしれませんが、実はこれはビジネスにも応用できる話です。今回は対応が早かった理由、そして同様の被害を防ぐためにできることをお伝えします。

なりすましアカウントの脅威

なりすましアカウントの目的はさまざまですが、多くの場合、以下のようなリスクがあります。

    • 誤情報の拡散:偽アカウントが本人になりすまして発信することで、ユーザーや関係者が誤解する。
    • 詐欺行為:DMでユーザーと交流し、金銭を要求するケースも。
    • アカウントの乗っ取り:リンクをクリックさせて、フォロワーのアカウントを盗もうとする。

今回のケースでは、松本潤さんの公式Xアカウントは開設されていないため、公式を装う偽アカウントが拡散しやすい状況でした。

今回の事象が迅速に対応できた理由

なぜ、このなりすましアカウントは短期間で削除されたのでしょうか?そのポイントは、「早期発見と適切な報告」です。

    1. ファン(ユーザー)の気付き
      偽アカウントは、松本潤さん本人が公式アカウントを持っていないことを利用し、「公式のように」振る舞っていました。しかし、ファン(ユーザー)の中には「本人がSNSをやっていないはず」と気付く人も多く、不審に思ったファン(ユーザー)が情報を共有し始めました。
    2. 報告の集中
      Xには「なりすましアカウントを報告する」機能があり、多くの人が短期間で報告することで、運営側が迅速に対応したと考えられます。
    3. 拡散力の高さ
      すでに7万人ものフォロワーを獲得していたため、多くの人の目に触れやすく、問題が大きくなる前に対処された可能性があります。

つまり、今回の素早い対応は「有名人だから」ではなく、「ファン(ユーザー)が気付き、所属事務所(企業の公式管理者)がすぐに行動した」ことが大きな要因でした。

どなたでもできる「なりすまし対策」

今回のケースは特別なものではなく、SNSを利用するすべての人にとって、なりすましアカウントは他人事ではないのです。自分自身や身近な人が被害に遭わないために、以下の対策を心がけましょう。

1.定期的に企業名・ブランド名を検索する
XやInstagramなどのSNSで、企業名・ブランド名を検索し、なりすましアカウントがないかチェックしましょう。
昨今は経営者も狙われるケースがあるので、経営者のアカウントも定期チェックすることを推奨します。

2.公式マーク(認証バッジ)の確認
企業・ブランドアカウントには「認証バッジ(青いチェックマーク)」が付与されていることが多いです。本物かどうかを確認する習慣をつけましょう。

3.SNSのプライバシー設定を見直す
管理者の連絡先情報(電話番号やメールアドレスなど)が第三者に公開されていないか、SNSのプライバシー設定を定期的に確認しましょう。

4.不審なアカウントは即通報
XやInstagramの「なりすましを報告する」機能を使用し、発見したらすぐに通報し、被害を未然に防ぎましょう。

まとめ:SNSは正しく安全に使おう

今回のケースでは、ファン(ユーザー)の素早い気付きと運営側の素早い対応により、なりすましアカウントが早急に凍結されました。

企業においても、日常の業務に追われながらもこまめにSNS等のチェックは必要です。しかしリソースの影響などからチェックが難しい場合には、弊社が提供しているような監視ツール(GMOブランドサーベランス)のサービスで、SNSやウェブサイト等を網羅的にモニタリングしてはいかがでしょうか。

|参考|認証バッジについて:
    最新のTwitter認証バッジ|ブランドセキュリティ強化のための最新アップデート
    GMOブランドサーベランス:
    AI活用で効率的・リーズナブルに ブランド侵害のモニタリングサービス

|引用|
“松本潤のなりすましXアカウント、嵐社長が注意喚起→削除 堂々「公式」名乗り7万超フォロワーも”.Yahoo!ニュース.2025-02-14.
https://news.yahoo.co.jp/articles/b54ad2af9f005d444e7f8ef24036e7a50595ddc5,(参照 2025-03-03)

📣トピック②|ドメインの登録方法(ドメインの取得手順)

ビジネスのオンライン戦略において、ドメインの選定は欠かせません。特に、グローバル展開を考えている企業にとっては、適切なTLD(トップレベルドメイン)を確保しておくことが重要です。

「.com」や「.net」などの主要TLDはよく知られていますが、「.de」(ドイツ)、「.cn」(中国)、「.com.au」(オーストラリア)といった国別のTLDもあります。ただし、これらの中には簡単には取得できないものも少なくありません。

例えば、中国の「.cn」は現地企業や代理人が必要になるケースがあり、手続きが意外と煩雑です。また、国ごとに申請ルールが異なるため、「せっかく準備したのに要件を満たしていなかった…」ということも起こりがちです。こうしたリスクを避けるためにも、事前の確認と適切なサポートが不可欠です。

レジストリ・レジストラ・リセラーの違い
ドメインを取得する際には、レジストリ、レジストラ、リセラーといった機関が関わってきます。それぞれの役割を簡単にまとめると以下の通りです。

レジストリ:各TLDを管理する機関。直接の登録が可能な場合もありますが、一般利用者向けの窓口にはなっていないことが多い。

レジストラ:レジストリと利用者をつなぐ役割を持つ機関。多くの企業はレジストラを通じてドメインを取得する。

リセラー:レジストラと契約し、ドメイン登録サービスを提供する事業者。特定の業界向けのサービスを展開しているケースもある。

こうした機関が複数あるため、「どこに問い合わせるべきかわからない」「手続きがなかなか進まない」といった問題が発生しがちです。

取得が難しいTLD
TLDの中には、単に申請すれば取得できるものばかりではありません。以下のTLDは、取得要件が厳しく手続きが複雑になりがちです。(一例)

【.cn(中国)】
ウェブサイト等にドメインを使用する場合、現地法人、または現地個人でなければ登録不可
登録には中国のビジネスライセンスまたは個人の身分証明書の提出が必要

【.au(オーストラリア)】
オーストラリア国内での商取引を証明する書類(ABNまたはACN)が必要
商標権者であれば、該当するドメイン名を取得可能
個人名義での登録は不可

【.fr(フランス)】
企業または欧州連合(EU)内に居住する個人のみ登録可能
フランス国内での事業活動を証明する書類の提出が必要な場合がある

【.sa(サウジアラビア)】
サウジアラビア国内に拠点を持つ組織、またはサウジアラビア国籍の個人のみ登録可能
企業が登録する場合、サウジアラビア国内で登録された商標や商号と部分一致するドメイン名が必要
サウジアラビア国内に管理連絡先を持つ必要がある

これらのTLDを取得するには、事前の調査や書類準備が必須です。「思ったより面倒だった」と後から気づく前に、しっかりと対策をしておくことが大切です。

複数のTLDを取得する場合、通常はそれぞれのレジストラに個別に問い合わせ、申請を進める必要があります。国によっては取得要件が異なり、「取得したいのに現地法人がないから取得できない」というケースも珍しくありません。

当社はこのような手続きを一括で対応することが可能です。

例えば、同じホスト名で「.com」「.net」「.cn」を登録したい場合、本来なら異なる機関に個別に申請する必要があります。しかし、当社なら 単一のオーダーでまとめて取得できるため、時間と手間を大幅に削減できます。国ごとに異なる取得条件や現地代理人の手配といった細かい作業も、すべてお任せください。

さらに、取得後の管理もシンプルになります。社名変更や住所変更などが発生した際も、通常なら各TLDごとに手続きを進める必要がありますが、当社にご依頼いただければ 一括で対応可能です。ドメイン管理の負担を最小限に抑え、本業に集中できる環境を整えるお手伝いをします。

ドメインの取得・管理は、企業のブランドを守り、将来のビジネスチャンスを広げるための大切な一歩です。
「取得手続きがよくわからない」「どのTLDを選べばいいのか迷っている」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。当社の専門スタッフが、状況に合わせた最適な方法をご提案いたします。

|引用|
Saudi Domain Names Registration Regulations”.Saudi Network Information Center (SaudiNIC).https://help.nic.sa/en/regulation/ ,(参照 2025-03-04).
FAQ: The answers to your questions”.Afnic https://www.afnic.fr/en/domain-names-and-support/faq-the-answers-to-your-questions/,(参照 2025-03-04).

📣統計情報

TLD別ドメイン登録件数

gTLD、ccTLD、新gTLDの3種類のTLDにおける全体のドメイン登録件数とその内訳を示しています。括弧内の数字は前月との比較を表しています。gTLDははわずかな増加が見られ、ccTLDと新gTLDは引き続き増加傾向にあります。全体(Total)では0.42%の増加(353,140,029件)となりました。

📣TLD情報

【タイドメイン:限定登録期間の決定】
.thドメインを登録できるのは、THNICレジストリが定めたスケジュールの限定期限内のみになります。

<2025年のスケジュール>
① 【第1弾】2025年2月1日 ~ 2025年3月31日
② 【第2弾】2025年6月1日 ~ 2025年7月31日
③ 【第3弾】2025年10月1日 ~ 2025年11月30日

【登録要件】
登録の優先順位は下記のカテゴリーの順番で決定し、複数の申請があった場合は、1、2、3の順番で優先されます。
 1.タイ商標権者
 2.既存サードレベルドメインネームの権利者向け
 3.タイ現地法人

【優先登録開始予定の新gTLD 一覧】

📣編集後記

昨年初めてスキーを体験し、今年も同じ初心者向けのスキー場へ行こうと準備を整え、シーズンパスまで購入しました。ところが、行ってみると外国観光客で溢れ、宿の予約も困難でした。ゲレンデも人が多く、衝突しないよう滑るのに必死でした。
そこで思い切って別のスキー場へ行くことに。すると、自分の技術が思った以上に上達していることに気づきました。昨年は転ばないよう必死だったのに、今年は自然に滑ることができ、余裕も生まれていました。
やはり練習の積み重ねは大切ですね。来年もさらにレベルアップを目指して頑張りたいと思います。

📣ライター

トピック①:藤原 恵利
トピック②:大森 牧子
統計情報:范 渝絢
TLD情報:藤原 恵理
編集後記:范 渝絢
発行責任者:矢島 崇成