【ドメインニュース】ある企業のドメイン戦略について!&今月号から『ビジネス成功の極意』シリーズがスタート!(2024年10月号)

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我々、GMOブランドセキュリティは今年でなんと20周年を迎えました!
ここまで、成長し続けられたのはみなさまのおかげでございます。今後も引き続きよろしくお願いいたします!!
さて、今月号はドメインネームへの本気度を感じられる「On」の事例を紹介。そして、前月号でお知らせした【ビジネス成功の極意】が今月から始まります。是非ともご一読くださいませ!

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📣トピック|スイスのシューズブランド「On」のドメインネームへの本気度

新進気鋭のシューズブランド、On をご存じでしょうか。Onはスイスで生まれたシューズブランドで、「シューズ界のアップル」と称され、ランニングシューズブランドの成長率でNo.1を誇っています。
この背景には、ドメインネームの観点でも興味深い点があり、On社は「on.com」という非常に価値の高いドメインを公式サイトとして使用しており、消費者に対して正確な情報を発信するドメインとしての信頼を築いています。
一般にドメインネームは短ければ短いほど、ユーザーにとって覚えやすく、かつドメインネーム市場においても価値があるものとして扱われていております。
「on.com」も過去のドメイン保有者は別にいたようなので、推測では第三者から購入、使用しているものと考えられます。また、”on” という文字列は英語では一般的なものであることを踏まえると取得には数億円~数十億円の費用がかかったと推測されます。
そうだとすると、お金をかけてでも「on.com」 を使いたい、というOn社の思いが感じ取れます。
また、On社はほぼ「on.com」のみを使用しており、その点からも消費者に対して「正しい情報は on.com にある」というブランディングとして考えることができます。
 そんなOn社ですが、急成長を続ける中で悪意のある第三者から狙われており、最近のWIPO仲裁申立手続きでは、44ものドメインが一度に仲裁申立の対象となり、最終的に On社 への移管が認められました。
(仲裁申立対象ドメインについては、以下引用よりご確認ください。)

いずれも「on」という文字列を含み、国名や「running(ランニング)」などを付加したドメインネームが仲裁の対象になっています。
急成長するブランドは第三者から詐欺サイトやフィッシングサイトに利用される傾向にありますが、仲裁申立手続きには1件あたり数十万円の費用がかかります。この規模で仲裁申立を行う企業は他にもありますが、オンライン上でのブランド毀損から自社ブランドを守るため、ウェブブランドセキュリティに積極的に取り組んでいる姿勢がうかがえます。
 On社は自社が使用するドメイン(自社ドメイン)をブランド価値の高い単一の「on.com」に定めるとともに、第三者による侵害行為に対しては徹底的にお金をかけて奪還していくことにより、オンライン上のブランド環境の健全化を図っていると言えます。

 使用するドメインを最小限にすることで、グレーゾーンを減らすこの取り組みは、特に今後新たなブランドを生み出さんとしている企業の皆様の参考になるのではないでしょうか。

 当社はブランド毀損ドメインの検知・監視や仲裁手続きの支援や、ドメインマネージメントのコンサルティングなども行っておりますので、気になること・相談したいことなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。

|引用|
酒井 政人.”ランニングシューズ界のアップル「On」が成長率1位になった理由”.PRESIDENT Online,(20240904)
Scott R. Austin .”ADMINISTRATIVE PANEL DECISION “.WIPO,(20240904)

📣シリーズ|【ビジネス成功の極意:ドメインとブランド保護の知識】

初回は、初めて「ドメイン」に触れる方向けに、ドメインとは何かをわかりやすくお伝えします。職場での異動や新しいプロジェクトでドメインについて学ぶ必要がある方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. ドメインって何?
ドメインは、インターネット上でWebサイトにアクセスするための「住所」です。たとえば、ブラウザに「www.example.co.jp」と入力することで、目的のサイトにたどり着くことができます。
この「example.co.jp」という部分がドメイン名です。

元々は、インターネット上の住所として「IPアドレス」という数字の文字列が使用されていました。
インターネットが普及するに従ってIPアドレスが急増し、数字の文字列だけを記憶することは困難に
なったため、簡単に覚えられるアルファベットの文字列の「ドメイン名」が誕生しました。これにより、
複雑な数字を覚える必要がなくなり、簡単に目的のサイトを訪れることができるようになりました。

ドメイン名には「トップレベルドメイン(TLD)」と「セカンドレベルドメイン(SLD)」という2つの
部分があります。ウェブサイトのURLでどの部分がどの名称かは、上記画像を参考にしてください。

2. ドメインの役割って何?
ドメインには、インターネット上で重要な役割がいくつかあります。

◆ アクセスしやすくするための手助け
前述のように、名前を覚えるだけで簡単にウェブサイトにアクセスできます。
ドメインがなければ、WebサイトにアクセスするたびにWebサイトのIPアドレスである「192.168.0.1」のような長い数字を入力しなければなりません。

◆会社やブランドを表す
会社やブランドにとって、ドメイン名は大切な「名前」のようなものです。
「apple.com」や「amazon.com」といったように、企業名がそのままドメイン名になっていることで、
ユーザーは一目でそのブランドを認識できます。覚えやすいドメインは、ビジネスにも大きな影響を
与えるため、非常に重要な役割を果たします。

3. ドメインの歴史
ドメインの仕組みは、インターネットが広く使われるようになった時期に生まれました。その進化の歴史を簡単に振り返ってみましょう。

1. 最初のインターネット
1980年代初め、インターネットは主に研究機関や大学で使われていました。当時は「IPアドレス」という数字の羅列を使ってコンピュータ同士を識別していましたが、この数字を覚えるのはとても不便でした。
そこで、1983年に「ドメインネームシステム(DNS)」という仕組みが導入され、IPアドレスを文字に
変えることができるようになりました。

2. .comの登場
1985年、最初の「トップレベルドメイン(TLD)」が導入されました。最も有名なのは「.com」ですが、他にも「.org」(非営利団体向け)や「.net」(ネットワーク関連向け)などが登場しました。この時期に、最初の「.com」ドメイン「symbolics.com」が登録されました。このドメインは現在も存在しています。

3. インターネットの普及とドメインの多様化
1990年代になると、インターネットが一般にも広がり、ドメイン名の登録が急増しました。
「.com」ドメインは特に人気で、商業用のWebサイトや企業のオンラインプレゼンスの象徴となりました。その後、さまざまな目的に応じたTLDが増え、現在では誰でも簡単に自分のドメインを取得できるように
なっています。

ここまでドメインの基礎知識について記載しましたが、皆さまのご理解の一助になったら幸いです。
次回は 【ドメインネームシステム(DNS)】について解説しますので、お楽しみにしてください!

📣統計情報

TLD別ドメイン登録件数

2024年9月25日時点:GMOブランドセキュリティ調べ

gTLD/ccTLD/新gTLDの3つのTLD種別における全体のドメイン登録件数とその内訳を示しています。カッコ内の数字は前月との比較となります。gTLDは前月に比べ減少し続けて、一方でccTLDと新gTLDは増加しています。Totalでは0.10%(347,556,683件)増加した結果となりました。

📣編集後記

先日、家族で羽田空港に行きました。当日は年に一度行われている「空の日イベント」が開催されていて予約をすれば飛行機の格納庫ツアーにも参加できるのですが、息子は2歳でまだ小さいので展望台で本物の飛行機を見て空港散策して終わりました。初めは風の強さに驚いて飛行機をまともに見ていませんでしたが、慣れると整備の車を見て、「くるま!」と言っていて、飛行機の離陸の瞬間を見ると興奮した様子でそこから「ひこーき!ひこーき!」と連呼していました。笑 今度は飛行機に乗りたいらしいので、北海道か沖縄旅行を計画したいと思いました。

📣ライター

トピック:古川 昇吾
ビジネス成功の極意:藤原 恵利
統計情報:范 渝絢
新規リリースのTLD情報:藤原 恵利
編集後記:藤原 恵利
発行責任者:矢島 崇成