南スーダン共和国は、2011年7月にスーダンから分離独立しました。
独立前の南スーダンは、スーダンの商標法によってカバーされていましたが、独立に伴い、独自の新たな商標法を発効することを決定しました。
しかしながら、知的財産権に関する正式な法律はまだ発効されておらず、現時点では、新しい商標法が発効されるまでの暫定措置として、商標の「予約」を検討しているという情報が入っています。
商標の「予約」については、南スーダンの司法省が商標庁の職員に向けて発行した指示書にその概要が示されており、下記のように要約されます。
- 登録を希望する商標の詳細を、書面によって登録官に提出する。
- 登録官は事前調査を行い、予約の対象となった商標が、新しい商標法において登録可能かどうかを確認する。
- もし、その商標がまだ予約されていなければ、その商標は出願人名義で予約され、その後第三者による使用は不可となる。
しかしながら、上記の「予約」手続きを行うための正式な規定が存在しないため、現時点では、南スーダンにおける商標の予約はできません。
また、上記の手続きについても不確かな部分が多く残っています。
もし、商標の「予約」手続きが上記の通り行われるとすると、予約は実質的に先着順になると見られますので、スーダンにおいて商標登録をされていた商標権者や、南スーダンでの商標登録にご興味をお持ちの方は、十分に注意する必要があります。
南スーダン共和国は、社会情勢の影響で、知的財産権の規定整備が進んでいない状況ですが、石油資源にも恵まれ、英語が公用語であるなど、資金的・言語的なアドバンテージもあり、今後の経済発展を期待する見方もあります。
同地域の今後の動きに注目するとともに、本件について新たな情報が入りましたらご連絡いたします。
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