越境ECといえば、中国をはじめとしたアジア地域が主流なのかもしれませんが、その他の地域ももちろん越境ECは展開されています。
今回注目するのは、アフリカ。
アフリカの現状
2000年代に高度成長期に入ったアフリカですが、現在は非資源サービスが盛んになり、本格的な経済の発展を遂げようとしています。人口も2050年には世界の四人に一人はアフリカ人という時代になるこの地域は、日本含む海外企業から多くの注目を集めています。
経済が成長し給与水準も上がり可処分所得が増えれば、自然と購買は盛んになります。そうなると、オフラインでの購買だけでなく、オンライン(ECサイト)での購買活動もやはり盛んになります。
それに拍車をかけるのがモバイルの普及率です。現在はアフリカ人口の80%以上がモバイル通信をすることができる環境となっているそうです。(人口も12億人ほどいます。)
アフリカの典型的なイメージである”自然が豊か”、”動物がいっぱい”、”貧困”、”開発途上国” といったイメージはどんどん過去の記憶となろうとしています。
アフリカのECサイトの雄は?
そんなアフリカなわけですが、ECサイトの雄はどこかというと、アフリカユニコーンの筆頭 ”JUMIA”(ジュミア) です。
JUMIAは、現在アフリカ14か国で展開をしています。
2018年には、7億人のユーザーが訪れ、2秒に1個商品が売れていくようなECサイトです。現在アクティブな販売者は、81,000社もあるとのことです。
主な販売は、amazonなどと似ており、家電等B2C向けの商品です。
あれ?偽物ある??そんなときには…
そんな勢いのあるJUMIAですが、パッとみるだけでも結構偽物かな?と思える商品が販売されています。成長の裏側でどうしても存在してしまうのかもしれませんが、ブランド権者にとっては利益を失う行為は見過ごせません。
でも安心してください。
JUMIAでは、他ECサイト同様、偽物販売行為に対して、対応窓口は存在します。
いくつか課題はあります。
”2営業日での回答” とは書いてありますが、電話でリマインドを何度もしないと、リクエストの受理がされないことがしばしばです。
受理されれば、通常、商標権をはじめとした権利を示すものですが、著名なブランドであると、申し入れをするだけで偽物が掲載されたリンクが削除されるケースが多いです。ただ、何をもって著名かは定義はありません。。
アフリカ諸国では知的財産などの法整備がなかったり、十分に機能していないケースも存在します。そんな現在のアフリカ諸国だからこそ、まかりとおる事実はあります。
ただ、これが今後も続くとは限りません。権利主張の基本は、商標権等権利を有していることですので、法整備のされている限り、ご取得しておくことはお勧めします。
アフリカ的なのんびりした部分もありますが、JUMIAの偽物で困ったときのご紹介でした。
〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)
GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部
2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。