混雑した駅前で待ち合わせをしていて、電話をしてもつながらず、その場所にもういるはずの友人となかなか会えないという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
場所を言われても似たようなところがたくさんあってわからない、人が多すぎる…そんなときの解決策に、“What3words”というアプリがあります。
このアプリがあれば、待ち合わせ場所を正確に指定することができるんです。
What3wordsってどんなものなの?
仕組みとしてはとってもシンプルで、まず全世界を3メートル四方の57兆個の正方形に分けます。そしてその1つ1つの正方形の場所を示すという非常にわかりやすいもの。これだけなら座標コードで指定すればいいのでは?とも思います。
でも、What3wordsの革新的なところは、座標のように難しい数字ではなく、その国の言語で、わかりやすい簡単な3つの単語からなっているというところです。
例えば、渋谷駅前の忠犬ハチ公像そのものの場所は、【ためす・おさらい・すめる】で表現されます。もう少しその場所に関連する3単語なのかと思いきや違うのですね。。
商標の視点から見るアプリの今後
正確な場所指定が求められるUBER、airbnbや、メルセデスベンツ(カーナビ)と提携してサービスを展開しているWhat3wordsですが、商標はどんな状況なのでしょうか?
Global Brand Databaseによると、出願・登録国(指定国含む)は、アメリカ、ヨーロッパ、中国、モンゴルです。
英国で2013年に起業した会社のため、立ち上げ直ぐに出願している点は頷けます。中国は位置情報を自由に把握できる環境化にないはずなので、なぜ指定国にいれたかは不明です。単純に冒認出願対策かもしれません。一番気になるのは、モンゴルです。
なぜモンゴルで権利を取得したかを調べてみると、モンゴルにおいてブラックフライデーならぬ、ホワイトフライデーが流行っており、一部企業が配送にあたってWhat3wordを採用したことが要因であるとわかります。
新たな出願を確認することはできませんでしたが、無人ロボが発達する社会の中で一定の広がりを見せるのではないかと感じます。
区分については、25類(被服)を除くと、位置情報を利用したサービス、アプリということで権利化をする9,38,39,42類は意外性はありませんでした。ただ、25類もおそらく業態からすると、ノベルティなどでTシャツを作ったりすることを予期して権利化をしたのかもしれません。
まだ立ち上げ6年の会社でもありますので、今後も動向をウォッチしていきます!
さいごに
もうすぐお花見の季節もやってきます。What3wordsが採用されている会社にドミノピザがありましたが、確かにお花見など住所を指定しにくい場合に役立ちそうです。
住所は国のインフラの根本でもあるので、すべてをこのサービスが取って代わるものではないですが、国の管理外の住所を指定するには便利なことが分かりました。モンゴルの遊牧民もこれで住所不定ではなくなりますね。