日本への模倣品輸入は、なんと中国大陸が90%、香港を入れると95%を超えるとのことです。
すごいですね。。
こうした模倣品の流通を防止するために、日本での税関ももちろん重要ですが、中国での輸出入についての取り締まりも同様に重要です。
今回は、中国税関登録について、少し勉強をしてみましょう。
中国税関差し止めについては、「権利者の申請による差し止め」と「職権による差し止め」の二つの種類があります。
「権利者の申請による差し止め」とは?
権利者が、自ら輸出入予定である侵害貨物を発見し税関へ申請することで、税関が申請内容に基づき、通関の差し止めなどを行うことをいいます。
税関では権利者の申請により被疑貨物を差し止めをしても、当該貨物に対し権利侵害状況の調査はしないため、権利者は権利侵害紛争に対し、人民法院へ起訴をする必要があります。もし、税関の差し止めから20営業日以内に、人民法院へ押収の協力申請をしなかった場合には、税関は当該貨物の通関をしなければなりません。
「職権による差し止め」とは?
「権利者の申請による差し止め」は一つの手段ではありますが、多忙な担当者からすると、なかなか大変です。一般的には、「職権による差し止め」が多いと考えます。
「職権による差し止め」 とは、権利者が事前に税関へ登録商標等の知的財産権を税関登録することで、登録した権利について、税関が自主的に保護対策を行うことです。
登録権利について、税関が職権で監視を行い、輸出入貨物に権利侵害行為の疑いがある場合は、被疑貨物の通関手続きを中断させ、権利者へ通知し、権利者の申請に基づき、当該被疑貨物の差押措置を取ります。
では、どのように登録をしていけばいいのでしょうか?
税関登録とは?
◆税関登録ができる権利は?
- 商標権
- 著作権
- 特許権(実用新案含む)
- 意匠権
◆税関登録での期間は?
税関アカウント開設から登録までに2,3か月を要します。税関で監視される期間は、商標等知的財産権の満了日まで有効です。
◆税関登録のメリットは?
- 税関が自主的に貨物の調査(発見)を行ってくれる。
- 権利者の手間を減らせる。(権利者の申請による差し止めに比較して)
- 税関にホワイトを提供することができ、関係者の貨物の差し止めを少なくし、模倣品の差し止め効果を上げることができる。
◆税関登録(した後の)の注意点は?
- 差し止め後、3日以内に真贋判定の結果を提出する必要がある。
- 日本から画像による判断ができない場合は、現地での判断を要する。
- 差し止めた際に担保金を支払う必要がある。
- 税関の教育をするほうがより良い差し止めの結果を享受できる。
詳細につきましては、当方までお問い合わせください。
〈ライタープロフィール〉
安達 孝裕(あだち たかひろ)
GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/模倣品対策チーム
consul@brights.jp
2017年に入社。ECサイトの削除対応や現地の模倣品対策担当として従事。中国に7年いた経験を活かし中華圏の対応を得意とする。ECサイトで真正品と模倣品を判別する能力に長けており、新しいECサイトの削除対応にチャレンジ中。趣味は家族とドライブ、中国での偽物探し。