12日、全国農業協同組合連合会(JA全農)は中国インターネット通販最大手のアリババ集団と連携し、日本産のコメを中国で販売することが報じられました。
中国でもコシヒカリは高級ブランドとして人気があり、中国のECサイトでは日本産か否か不安を感じる販売が多数存在するのが実情。これを打破するべくアリババと連携を行うことで、ブランドイメージの向上につなげると言います。
日本のお米は本当に美味しいですよね。コシヒカリが中国で広がることでお米だけでなく日本の生産物への更なる注目がされるのではないでしょうか。これから、中国でどのような販売展開をしていくのか楽しみです。
今回はこの事例を元に、中国語表記の重要性についてご紹介いたします。
[su_heading size=”15″]中国語表記の重要性を理解する[/su_heading]
日本米の王様「コシヒカリ」。人気、味、生産量において長年日本一の座に輝いています。
多くの方が、”こしひかり”と聞くと、カタカナやひらがな表記の”コシヒカリ”や”こしひかり”が頭に浮かぶのではないでしょうか。
画像出典:http://www.kakashi-rice.com/commodity/area/nigata.html、http://www.kakashi-rice.com/commodity/area/nigata.html、https://www.google.com/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&ved=2ahUKEwjI78eGoYnaAhWJo5QKHdSsB5oQjxx6BAgAEAI&url=http%3A%2F%2Fshaddy.jp%2Fgs_front%2Fshouhin%2F180519116%2F&psig=AOvVaw3G4sJEP81FMb0VbKoqIIK_&ust=1522128600897695、https://www.google.com/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&ved=2ahUKEwi5x7eSoYnaAhWGnpQKHZaqAjEQjxx6BAgAEAI&url=http%3A%2F%2Fwww.topvalu.net%2Fitems%2Fdetail%2F4902121417254&psig=AOvVaw3G4sJEP81FMb0VbKoqIIK_&ust=1522128600897695
実際に販売されているこしひかりも、パッケージにカタカナやひらがな表記の”コシヒカリ”や”こしひかり”が記載されています。また、日本の商標データベースであるJ-PlatPatで「コシヒカリ」を検索したところ、14件。「こしひかり」の検索結果は24件でした。
では、今後、中国でコシヒカリを販売する場合を考えたとき、パッケージに記載する表記どのようなものになるのでしょうか。
日本と同様にカタカナやひらがなを使用することは考えにくく、中国の方がパッケージを見て理解しやすい「中国語表記」を表記すると考えるのが妥当ではないでしょうか。実際に中国の方は聞いた音を中国語に置き換えることが多く、WEBでの検索時も中国語表記を使用することがメジャーなのです。
では、コシヒカリの中国での人気を確認してみましょう。
ECサイトで把握する「越光」の人気
中国で人気ECサイト、タオバオ。
[su_highlight background=”#cdf0f1″]コシヒカリを中国語に置き換えると「越光」や「光越」となることが推測できます。[/su_highlight]
「越光」で検索を行うと膨大な量の検索結果が表示され、確かに日本産か否か、正規品か否かの判断が難しい状態になってしまっている状況です。また、「越光」と検索バーへ入力すると”越光米、越光大米、日本越光米、越光米2.5、精品越光米、日本越光大米”等が検索予測キーワードとして出てくることから、「越光」の中国における重要文字列の把握ができると共に、[su_highlight background=”#cdf0f1″]中国で「越光」が日本米として十分認識されていることが伺える結果となります。[/su_highlight]
一方、「光越」で検索を行うと膨大な量の検索結果が表示されるものの、米らしき出品は見つけることは困難でした。
[su_highlight background=”#cdf0f1″]中国において「コシヒカリ」は「越光」として人気があることが伺え、「越光」という中国語表記として高く認知されていることがわかりました。[/su_highlight]
中国における「越光」の重要度の高さがわかったところで、次に気になるのは中国での商標出願状況です。
「越光」表記の販売に危険信号?
中国データベースで「越光」を検索した結果は76件。その内、米の重要区分である30類や、関係性の高い文字列が第三者により取得されていることがわかりました。以下ご紹介いたします。
1.米の重要区分である30類で第三者により出願されている
画像出典:中国データベース(http://wsjs.saic.gov.cn/txnS02.do?locale=zh_CN)
2.「越光」と関係性の高い文字列が30類で第三者により出願されている
画像出典:中国データベース(http://wsjs.saic.gov.cn/txnS02.do?locale=zh_CN)
このような登録商標があることから、今後JA全農がコシヒカリをどのようなネーミングで販売を行うのかが気になります。
第三者に商標権を取得されてしまった場合、商標を取り戻す際には多額の買収費用が発生したり、販売予定の製品名を変更しなければならない等が発生してしまうのです。
[su_box title=”中国語表記がひとり歩きする前に”]
業種に関わらず、Webサイトはどのような企業でも開設しているのではないでしょうか。Webサイトの構築=世界への情報発信となります。
企業側が多言語サイトの構築による中国語表記の提示をしていなくとも、人気のあるブランド名等は勝手な中国語のネーミングをされた上に知らぬ間に第三者の権利として認知度が高まってしまうことがあるのです。
いざ中国でビジネスを開始しようと思った時に、時すでに遅しとならないためにも、中国においては、ビジネス展開しているか否かに関わらず、早めの段階で中国語表記での商標出願を検討する必要があります。
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