4月10日、NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯3社は2018年5月9日に新たなメッセージングサービス「+メッセージ」を開始することを共同発表しました。電話番号が分かればスマートフォン経由で3社の利用者の誰にでもメッセージを送信でき、動画や長文、スタンプなどを送ることができます。見た目も機能もLINEにそっくりな画面から、LINEに対抗したサービス開始であることが伺えます。今後の展開が注目されています。
「+メッセージ」の出願商標やドメインネームを調査したので、ご紹介いたします。
国内外の出願状況
日本の商標データベースであるJ-PlatPatで、「+メッセージ」関連の商標を検索した結果、下記、3件の商標が確認できました。
画像出典:J-platpat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)
いづれも権利者はKDDI株式会社。2017年6月に「1.+Message\PlusMessage」を出願した後、発表の凡そ2か月前に「2.+メッセージ」と「3.ロゴ」の出願を行っていたことが分かります。このロゴが使用されることが予測できます。また、世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で検索をしたところ、現時点で「+メッセージ」関連の商標は確認できませんでした。現時点で、海外展開は考えていないのかもしれません。
出願内容もLINEに対抗か?
商標を出願する際には、その商標を使用する商品や役務(サービス)を指定するのですが、その指定された商品や役務が属する業種も合わせて指定します。 この業種のことを区分といいます。「+メッセージ」とLINE(ロゴ)の区分を比較した表がこちら。
凡その区分が一致していることがわかります。また、区分に記載されている「指定商品・役務」を比較してみたところ、下記のような内容が重複しており。一致するすべての区分において、「指定商品・役務」の内容重複した部分があることがわかり、LINEに対抗しているサービスであることが、出願内容からも伺えるのではないでしょうか。
両商標で重複していた内容(一例) 9類:インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル 35類:トレーディングスタンプの発行 38類:電話による通信 41類:オンラインゲームの提供 42類:気象情報の提供 45類:ファッション情報の提供,身の上相談,占い
気になる「+メッセージ」のドメインネーム
共同発表した3社が「+メッセージ」の情報公開を行っているサイトで使用されているURLは下記通りでした。
NTTドコモ社 https://www.nttdocomo.co.jp/service/plus_message/ KDDI(au)社 https://www.au.com/mobile/service/plus-message/ ソフトバンク社 https://www.softbank.jp/mobile/service/plus-message/
KDDI社とソフトバンク社が「plus-message」を使用している中、NTTドコモ社は「plus_message」を利用していました。「+メッセージ」の表現の仕方が、ハイフンとアンダーバーで統一されていなかった点が気になります。
また、気になるドメインネームが見つかりました。「plus-message.com」は、共同発表があった4月10日同日に、第三者による取得がされており、下記サイトがhttp://plus-message.com/で運営されていました。サイトの内容はまさしく「+メッセージ」の情報提供でありますが、運営会社などの記載はないため、3社との関係性が気になるところ。
気になる「+メッセージ」の今後の展開
WEB上で、”plusmessage”を検索すると、上位検索結果に、以下のような「Message Plus」や「Plus Messenger」といった、「+メッセージ」と同様のサービス展開をしているアプリサイトが確認できます。
画像出典:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.neubula.messageplus、https://play.google.com/store/apps/details?id=org.telegram.plus
先ほどご紹介した、「+メッセージ」のロゴともよく似ていると感じます。今後、サービスを展開する中で消費者の混同を招かないための対策や差別化に注力をする必要性も考えられるのではないでしょうか。
商標とドメインネームの事前の準備が重要に
LINEだけでなくライバルが多いことが考えられるため、今度どのように、他社とのサービスの差別化を図っていくのかなど、展開が注目されます。今回の調査では、「+メッセージ」の出願はKDDI社が事前に出願を行うことがわかったので、今後意識して同社の出願商標を確認すれば、先に展開が伺えるかもしれません。また、ドメインが発表同日に第三者に取得されている点は、今回のサービスの注目度の高さが伺えると共に、発表前に商標とドメインネームの取得検討や使用方法についての確認が重要であることが学べました。
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