ドメインネームやIPアドレスの管理者である非営利組織のICANNは、2009年から2012年にかけての戦略方針を発表しました。ICANNは現在幾つかの重大なプロジェクトに注力しており、劇的な変化の時代に入りつつあると組織の代表者Paul Twomey氏が述べています。これからのすべての取り組みの背景となるのは既存のIPv4(インターネットプロトコルバージョン4)からIPv6に向けての変動ですが、ICANNの主なミッションに変更はなく、以下のようになっております:
1. DNS(ドメインネームシステム)、IP(インターネットプロトコル)、AS(自律システム)、プロトコルポートとパラメーターナンバーの安全で円滑な運用を確保すること
2. DNSルートネームサーバーシステムの運用と旋回をコーディネートすること
3. 技術的な機能と関連させて政策展開を正確に調整すること
ICANNによる今後の課題は環境面への取り組みと、ICANNの国際化(海外のスタッフの採用など)の問題などを含む事業面への取り組みから成り立っています。コアとなる環境面への取り組みの戦略的な優先事項は以下の9つの点となります:
1. IDNと新gTLDの導入
(更に新IDNccTLDも)
2. インターネットにおける一意識別子の割り当てと指定のセキュリティ、安定性、弾力性を高めること
(DNSのセキュリティを高めるための拡張仕様のDNSSECとインターネットルーティング技術のrPKIの導入について、2009年の後半に向けての全面的な奨励)
3. IPv4アドレススペースの使用領域の推移プロセスを監視し、IPv6の採用に伴うリーダシップを提供すること
(インターネットに関連する番号を管理する組織IANAのIPv4の空き領域がなくなるのはおよそ2011年と言われており、そのためIPv6の導入は2012年の半ばに実施される予定です。)
4. gTLD市場におけるレジストリとレジストラの運営は、ICANNとの契約に適合したものであることを全面的に確保し、登録者からの信頼を改善させること
(レジストリ契約を2010年までに見直す予定です。また、このビジネスの国際化を目的として2012年の後半までに米国以外の50レジストリ・レジストラとICANNは契約を締結する予定です。)
5. 組織の柱となる運用について優れた姿勢を見せるための努力をすること
(特にgTLDの増加と関連するIANAのサービス、また、2010年の後半までに電子サービスを導入・改善する予定です。)
6. 政策展開に伴うプロセスを強めること
(ICANN内の団体に対する評価ポリシーを導入し、民間経営手法への移行を達成させます。)
7. 増加していくニーズと変化していく要求をマネージするため、ICANNの複数の利害関係者モデルを強めること
(IGFというインターネットガバナンスフォーラムやその他国際フォーラムへ参加することによって、インターネット上の問題に対する視野を広くし、既存のモデルに対応させることです。)
8. ICANNの運用をグローバル化させること
(新gTLDの導入に伴ってICANNの利害関係者となる組織の数が増え、その中には海外のものも多いため、ICANNでは多言語対応といったグローバル化が必要となります。)
9. 財務的・経済的な説明責任・安定性を確保すること
(新gTLDのインパクトを考慮したうえで、継続的に将来3-5年の資金を蓄積できる経済モデルを維持させることです。)
この9点の中で最も注目を浴びている課題は、IDNと新gTLDの導入(更に新IDNccTLDも)ですが、その中で実際に大きな取り組みになるのは、それらをルートに載せることと、ルートでのスムースな機能発揮とスタンダードな運用です。IDNと新gTLD導入についての展開は以下のように紹介されています。
(参照:http://www.icann.org/en/planning/)
ブライツコンサルティングは、ICANN公認レジストラとしての役割を担いながら、現在その中心にある新gTLD関連のプロジェクトを徹底的に追究しており、弊社内で1年前から発足された新gTLDサポートチームではこれに関するレポートを丁寧に分析し、説明会や日本語の資料を用意しております。関心のある方は是非お声をかけてくださいますようお願い申し上げます。
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