Coca-Colaの商標出願傾向

InterbrandランキングTop100に入る企業の出願傾向を見てみましょう。ブランドランキング3位Coca-Cola社の結果はどのようなものでしょうか。

[su_heading]検索条件[/su_heading]

データベース:Global Brand Database
HOL:”Coca-Cola
AD:[2016-01-01TO2016-12-31]

[su_heading]区分一覧[/su_heading]

アルコールを含有しない飲料及びビールが対象となる32類が145件と突出しています。続いて商品区分で多い出願はスマホアプリ等が対象となる9類。9類出願の中には下記ダウンロードアプリの出願が確認できました。(左:登録番号015747983)画像出典:http://www.wipo.int/branddb/en/index.jsp#

[su_heading]各国出願件数:206件[/su_heading]

チリが41件で一番多く、次いで39件でメキシコが多い結果となっています。

コカ・コーラの消費量と商標出願の関係について

出願日で限定をしなかった際のHOL:”Coca-Cola”での出願件数は、7,690件。そのうち1,080件の出願数で突出している国がメキシコ。次いでチリが600件でした。

コカ・コーラ社によれば、メキシコの1人当たりのコカ・コーラ消費量は世界第 1 位。12 年の1人当たり年間消費量は 745 瓶(236.6 ミリリットル入り瓶換算)であり、2 位のチリ(486 瓶)、3 位のパナマ(416瓶)、4 位の米国(401 瓶)を大幅に上回る。食事のときにコーラをはじめ炭酸飲料を飲むのがメキシコ流。お茶や水を飲む人は少ない。加えて、ミネラルウオーターよりも炭酸飲料の方が安価で日持ちすることから、貧困層でも消費量が多い。とのこと。https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001712/07001712.pdf

 

コカ・コーラの消費量1位のメキシコが出願国でも1位。消費量2位のチリが出願国でも2位と、コカ・コーラの消費量と商標の出願数が比例することがわかりました。

情報公開日と商標出願日の関係について

海外での出願状況

「Fanta INSTAMIX」という、ファンタオレンジにエッセンシャルオイルを加えて味と見た目の変化を楽しむ革新的な新製品がヨーロッパ各地で販売されています。

画像出典:http://ccepsnyheter.se/category/nyhetsbrev-14/

WIPOで「Fanta INSTAMIX」の出願状況を確認したところ下記時系列が見えてきました。販売展開予定国の欧州連合商標で文字商標の出願を行った後、EUIPOに加盟をしていないスイス、その他主要国をマドプロで出願をし権利を抑えています。マドプロに加盟をしていない、コカ・コーラ社にとって主要国にあたるチリについてはニュースリリース後にロゴでの出願を行っています。

画像出典:http://www.wipo.int/branddb/en/index.jsp#

国内での出願状況

「コカ・コーラ」史上世界初となるトクホ製品である「コカ・コーラ プラス」。

画像出典:http://www.cocacola.jp/plus/

J-PlatPatで「コカ・コーラ プラス」の出願状況を確認したところ下記時系列が見えてきました。

国内外問わず、販売国や主要国での確実な権利化を余裕をもって行ったのちに、ニュースリリースを行っている傾向が伺えます。このことから、コカ・コーラ社が出願したものからは今後販売を予定している商品についての予測が立てやすいということが考えられます。現在出願中の商標「爽健美水\そうけんびすい(商願2017-78959)」というものからは、爽健美茶のコンセプトである「爽やかさ、健やかさ、美しさをもたらしてくれる無糖茶」のようなコンセプトを持つ、健康意識の高い水が販売されることが予測できるのではないでしょうか。

 

【まとめ】

コカ・コーラ社がマーケティング力で他社に勝る理由は、印象的なロゴやいつまでも変わらない馴染みある味にあると言っても過言ではないと言われています。下図を見てもコカ・コーラのロゴは長い歴史の中で大きな変化がないことがわかります。

画像出典:http://www.gekiyaku.com/archives/7423081.html

徹底した一貫性を保ち続け、ブランドの価値の維持や向上に力を注ぎながら、新商品の販売展開においても積極的に行っているコカ・コーラ社。

やみくもに権利範囲を増やした権利化をするのではなく、必要な区分に対しての権利化注力していることや、EUIPOやマドプロでの出願を利用した各国への権利化傾向が見えてきました。

 

 

 

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