アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏の長女、イヴァンカ・トランプ。美しすぎる大統領の娘で、2017年「世界で最も影響力のある100人」の一人としても米Time誌から発表されました。
出典:https://www.instagram.com/ivankatrump/?hl=ja(イヴァンカ・トランプさんのinstagramより)
父親のドナルド・トランプが大統領になったことで、無報酬の大統領補佐官としてホワイトハウス入りしたイヴァンカ・トランプ。人気ファッションブランドの経営をしていましたが経営からは手を引くことになりました。が、その一方で所有権は維持している状態とのこと。
注目されるイヴァンカブランドは、働く女性をターゲットにそこまで高くはない価格で展開されているようで、日本でも通販サイトで購入可能とのこと。
イヴァンカさんの美貌は中国では大人気になっており、「あんな顔にしたい」と望む女性が激増すると見込んだ美容整形を専門に扱う企業は、早速社名にイヴァンカさんの名をつけて登録。
その企業名は、「Foshan Yiwanka Medical Management」。同社の「Yiwanka」の部分が、イヴァンカという名前の中国式の音訳になり、同様の登録がファッション、美容、下着関連企業で相次いで行われているようです。
中国データベースから商標を調査
中国データベースを使用し下記条件で検索した結果がこちら。商標名の結果を見ると、第三者に多く取得されていることがわかります。
こちらのロゴは、IVANKA TRUMPブランドのロゴのひとつです。
こちらのロゴが登録されている下2つの商標。赤枠内に商標の権利者が記載されているので、比較してみてください。
画像出典:中国データベース(http://wsjs.saic.gov.cn/txnS02.do?locale=zh_CN)
上の商標は第三者の商標。下の商標はイヴァンカさんの商標です。上の商標は12類で「贵州金路嘉轮胎有限责任公司」という方が権利者となっております。
また、こんなTwitterも発見しました。国内外問わず人気の高さが伺えます。
引用:https://twitter.com/twisportsu?lang=ja
[考察]
中国で商標権をめぐるトラブルが発生していることは今に始まったことではなく、テレビや新聞でも目にすることがあります。
そもそも中国は、日本と同じく、商標出願について「先願主義」を採用しています(商標法29条)。要するに、誰が最初に商標を使用したかは問題とされず、商標登録を最初に申請した者に商標権を与えるのです。しかし、商標法は先願主義に一定の修正を加え、「商標の登録出願は、他人の既存の権利を侵害してはならない。他人が既に使用している一定の影響力を有する商標を不正な手段によって抜け駆けして登録してはならない」と規定されています(同31条)。
しかしながら出願の段階では氏名らしい商標であっても、その商標が誰の氏名であるかの判断は困難あるため、いったん権利を付与するのです。そして、異議申立や取消しなどの段階で、本来の権利者による氏名権の主張を待って、審査・審理基準に基づいて判断することになっているのです。
現行の中国商標法では、氏名に関する商標の対策としては、自らが氏名商標を出願するか、または他人による不正登録出願を監視し不正登録出願を発見した場合、氏名権を有すること及びその知名度などを立証して登録を阻止するしかないのです。
人気者が故の苦労ですが、権利の取得だけで満足することなく、不正に使用されていないかの継続したウォッチングも必要不可欠であるのです。