2024年1月より”GlobalBlock”がリリースされました。GlobalBlockは、複数のレジストリをまたぐドメイン名を、これまでにない最大規模で一括してブロッキングすることが可能となります。
この記事では、2024年2月26日に開催した“GlobalBlock”セミナーでお話した情報をハイライトでお伝えします。
📣GlobalBlockとは
GlobalBlockは、「Brand Safety Alliance LLC,」が運営をしている世界最大級のブロッキングサービスです。約600のTLD(サードレベル含む) をブロックすることができます。今後2024年末までに、700TLDまで拡大予定です。
📣ブロッキングサービスとは
ドメイン名の保護は、通常、ドメイン名を取得することで保護をします。一方、ブロッキングは、ドメインは取得せずにドメイン名を正当な第三者以外に取得させない設定をすることです。これにより、フィッシング詐欺などの不正な活動を効果的に防ぐことが可能になります。
📣GlobalBlockの特徴
ブロッキングサービスの種類
完全一致の文字列を対象としたGlobalBlock以外に、類似文字列も対象とした「GlobalBlock+」というブロッキングサービスが用意されています。表の通り、GlobalBlockは、完全一致の文字列を守っています。一方で、GlobalBlock+に関しては完全一致だけではなく、「-(ハイフン)」有り無し等のブロッキングやタイポ文字列も対象となります。
Domain Unblocking(≒オーバーライド)
特定のドメイン名の使用を可能にするプロセスのことです。もしドメイン名がブロックされていても、ドメイン名を使用したいと考えることがあると思います。このプロセスを通じて、ドメイン名を正式に登録し、使用することが可能になります。つまり、一度ブロックされたドメインでも、必要に応じて使用許可を得て、個別にそのドメインを活用することができるのです。
ドメイン保護のコストを大幅削減
ドメインの取得をした場合、一個一個のドメイン所有にはかなりの費用がかかります。今回のブロッキングを利用すると、通常の1/5~1/7くらいの費用でブロックが可能です。ドメインネームに関するブランド保護を考えた時に、このようなブロッキングを上手く活用した方が、費用・マネジメントコストを大幅に削減できます。
📣GlobalBlockカバー範囲
ブロッキングの対象は、新gTLDを中心に広がっています。ccTLDもアフリカ諸国、島国・小国を中心にブロッキング対象となっています。(以下は一例。)
GlobalBlockカバー範囲/Business&Tech(117TLD)
GlobalBlockカバー範囲/Geographical(173TLD)
📣GlobalBlock申請要件
商標登録がなくても申請をすることが可能なのは大きな特徴です。その他企業名や有名人の名前でもブロッキングができる点はユニークです。
一般的には、商標登録がある場合で進めることが多いです。1)登録商標で進める場合は、商標登録証のコピーやデータベースのオンラインの情報のスクリーンショットを撮り、申請することで審査が可能になります。
💬よくある質問&回答
Q1 今後、増える予定のTLDは何か?また、いつごろわかるのか?
A1 1年1−2回対象TLDを増やす予定です。2025年までに700までのTLDをGlobalBlockの対象に入れる予定です。今後新gTLD、国別TLD、NFTドメインのTLD、またはセカンドラウンドのTLDも対象に入ります。TLDが増えるにつれて値上げしますが、既存顧客は更新まで値上げされません。
Q2 今後、Adult Blockも対象に含まれるのか?
A2 現時点、技術やポリシーの理由上、AdultBlockはGlobalBlockに含まれません。今後レビューの上、この方向を調整する可能性があります。
Q3 ドメインが増えた場合価格が上がる予定とあるが、どのようなタイミングで価格が上がるのか?
A3 値段はTLDが増えるに伴い、値上げします。
予想外のことがないように1年に1回から2回対象TLDを増やします。TLDの増加数を検討して値上げのレベルを決めますが、最低1年に500米ドル以上の値上げを考えた方が良いです。
Q4 GlobalBlockでブロッキングされている文字列は公開されるのか?
A4 GlobalBlockにブロッキングされている文字列のリストは公開されません。WHOIS上でしか表示しません。ただし、お客様のために具体的にどの文字列がブロッキングされるか、GMO BRAND SECURITY に問合せすることは可能です。GlobalBlockは完全一致のブロッキング対象の文字列に関して事前レポート、またはGlobalBlock+の場合のブロッキング対象の同形異義語の文字列のリストを提供します。
Q5 GlobalBlockで保護対象のTLDが、将来保護対象から外れる可能性はあるか?
A5 BSAは、GlobalBlockを購入するブランドオーナーの保護を保証するために、すべてのTLDオーナーと長期契約を結んでいます。
TLDは対象外となった場合、以下の保証があります。
・3年間のブロッキング期間(サービス終了となる場合の事前通知)
・対象外となった場合、ブランドオーナーへの優先登録権利
Q6 GlobalBlock+が保護する内容について明確にしてください。例えば、ホスト名が1文字欠けていたり、タイポがあった場合も保護されますか?
A6 GlobalBlock+のブロッキング対象のホストネームは完全一致の文字列またはタイポや同形異義語をブロックします。フィッシングまたはDNS悪用に使用される類似文字列を自動的にブロックします。提供するブランドプロテクションカルキュレーター上、ブロッキングの総合件数を調べることが可能です。
Q7 複数の人(会社)が同じ文字列を申請することができるのか?
A7 多くのブランドの場合、同一するブランド名が様々な地域・分類に登録されていると意識しております。複数のブランドオーナーは自社のブランド名を保護できるように同じ文字列に対して複数の会社から申請と契約を許可しております。
Q8 複数の人(会社)が同じ文字列のブロックを契約している場合、どのようにオーバーライドができるのか?
A8 複数の会社が同じ文字列のブロックを契約している場合、オーバーライドをするため、契約している複数の各社の全体合意の上、オーバーライドが可能となります。合意がない場合、紛争解決手続きがあります。
Q9 GlobalBlock保護対象ドメインを第三者が登録しようとした場合、GlobalBlockを登録している方に、第三者が登録をしようとしている旨の通知をあげることがあるか?
A9 現在このような機能がありません。今後BSAはサービス改善に向けてフィードバックを受付しており、このような機能を検討します。
最後に
GlobalBlockを利用することで、ブランドの信頼性とウェブ上の安全性を確保し、管理作業の手間とコストを削減することが可能になります。今後も多くの企業がこのブロッキングサービスを利用していくことが予想されます。
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※本記事の内容は、2024年3月28日時点での情報となります。詳細な情報が発表され、内容が変更となる可能性がございます。
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