他社ドメイン移管を任されてしまった結花。買収予定の北川電機のドメイン担当者、三村と一緒にドメイン移管の手順について学んでいます。
本日もよろしくお願いします!
お願いします!
こちらこそ、よろしくお願いします。
前回はドメイン移管の転出の部分を教えていただきました。まずは、移管対象ドメインを確認して、それから登録者情報が最新かを確認しましたね。
現状を確認するのも大変でしたし、情報が古い場合は最新に変更する必要があって、TLDによってはすごーく苦労することも分かりました…。各ドメインの担当者が変わったときに情報を変更する必要があることも理解しました。
おふたりともよく理解されています!さて、今日は移管の転入の実施に入ります。
はい!
お願いしまーす!
さて、移管のステップですが次は新管理会社へ移管(転入)の
申請を行います。
これは、お願いします!って言うだけなので比較的簡単ですね!
はい。三村さんから申請をいただいて弊社は移管(転入)の手続きを進めます。移管に伴い、三村さんに確認なのですが、移管対象のドメインは今ご利用のレジストラさんからネームサーバーやホスティングのサービス提供を受けていますか?
へ!?
ん?
ネームサーバーやホスティングのサービス…ってなんですか?
私もチンプンカンプン…教えてください~!
もちろんです!イメージしやすいように、実際に移管対象のドメインの情報を見てみましょう!
まずネームサーバーですが、上の図の黄色のハイライトの部分が現在kitagawa.comに設定されているNS(ネームサーバー)です。
ネームサーバーの欄にDNS1.TASYADNS.NETとDNS2.TASYA.NETって書いてありますね。
はい、これはレジストラであるTASYAさんのネームサーバーが設定されているということです。
ふむふむ!
次にホスティングサービスについてお話しますね。
お願いします!
端的に言うと、Webサイトの表示やメールの送受信のために設定をしているか、ということになります。
Webサイトやメールで利用しているかどうか…それってどうやって
確認すればいいんでしょう?
稼働状況は、ゾーン情報を見ると分かりますよ!
…ゾーン情報?三村さん、ゾーン情報って何か知ってます?
う~ん…僕が知っているのは、スポーツ漫画でよくある超集中状態の「ゾーン」ですかね…。
三村さん、そっちのゾーンじゃないんです!
やっぱり違いますよね…(汗)ではここで言うゾーンとはなんでしょうか?
ゾーン情報とは、NSが管理する範囲内のIPアドレスとそれに紐づけてあるドメインの情報を基本として、それに付随する様々な情報のことです。
???
実際にゾーン情報を見たほうがイメージができると思います。下の図を見てください。
こちらは、kitagawa.comのゾーン情報です。
英語がいっぱい…
ひとつずつ見ていけば大丈夫です!
今回はIN Aの箇所と、IN MXの箇所がポイントです。
インエーとインエムエックス?
はい。このAはAレコード、MXはMXレコードといいます。
※レコードはAレコード、MXレコード以外も存在します。
ふむふむ…。
西宮さん、三村さん、ドメインを取得する目的ってなんでしょうか?
それは、Webサイトを作成したり…
メールを送ったりするためですよね?
はい、その通りです。取得したドメインにウェブサーバーやメールサーバーの情報を示すレコードを設定することで、Webサイトを開いたり、メールを送ったりすることができるようになります。
ふむふむ
このレコード設定で必要になるのが、AレコードとMXレコードなんです。
なるほど~
まずは、Aレコードですが…これは、当該ドメイン名に対応するIPアドレスを指定するレコードです。Aレコードを設定してあげることで、Webの利用が可能となります。
あれ?このIPアドレスって、DNSが基本的な役割を果たすために必要な情報ですよね?
はい。上の図で西宮さんが「www.yahoo.co.jpのドメインに対応するIPアドレスはなんですか?」とNSに問い合わせたときに対応するための情報が書かれているのが、Aレコードです!
ははあ、これがAレコードだったのか!
Aレコード=Webサイト利用のために必要なレコード…メモメモ
さて次はMXレコードです。MXレコードは、メール配送先(メールサーバー)を指定するレコードのことです。MXレコードを設定することでメールの送信ができるようになります。
ふむふむ!
西宮さん、三村さん、上の図を見てください。この図はドメイン名「kitagawa.com」に来たメールについての指定を表しています。
僕の会社のアドレスが「mimura@kitagawa.com」なので、まさにこれですね!
青色で囲まれているmail.kitagawa.comがドメイン名「kitagawa.com」宛にメールが送られてきたときに配送先のメールサーバーです。
へえ…裏ではこんな設定がされているんですね。
はい。さて、今までの話をまとめると、kitagawa.comはTASYAさんのNSを利用していて、かつホスティングサービスを受けているということになります。
状況は理解できました。でも、どうしてNSの設定状況とホスティングサービス契約について確認する必要があるんですか?
それは、安全に移管を進めるためです!
安全に移管を進める…?
ええ。利用しているレジストラによっては、移管と同時にNS・ホスティングの契約が解約となる場合があるんです。
ええ!そんなことあるんですか?
はい。kitagawa.comはAレコードとMXレコードが設定されているので、
Webサイトとメールが稼働しているということになります。
例えばTASYAさんが移管と同時にNS・ホスティング契約を解約するレジストリさんだと仮定しますね。この場合にそのまま移管を進めてしまうと…
NSが利用できなくなって、Webサイトやメールが止まる!?
そういうことになります。ビジネスで移管対象のドメインを活用していた場合、サービスに多大な影響を与える可能性があるんです。
ひえええ!…って大丈夫ですか三村さん!顔色が悪いです!
す、すみません…想像したら血の気が引きました…
これは絶対に避けなければいけない状況です。なので、移管元レジストラのNSが設定されている場合は、適切なステップを踏んで移管を行うことが大切なんです。
移管するときは、NSとホスティング契約の確認が大事ですね!
理解しました!
次回は移管(転入)のステップについてお伝えしますね。…というわけで、三村さんは移管対象のドメインについてNSとホスティング契約の確認をお願いします。
は…はい…
三村さん、ファイト~!
は、はい…
〈ライタープロフィール〉
千葉 やよい(ちば やよい)
GMOブライツコンサルティング株式会社
ドメインネーム部/コンサルティンググループ
2012年に入社。 BRANTECT、商標コンサルタントを担当したのちドメインコンサルタントに就きました。ガイドラインや、ドメイン関連記事を作成しています。ドメインについては現在進行形で勉強中!初心者様にも分かりやすい記事作りを心がけています。趣味はゲーム、アニメ、散歩。