国内商標はひとたび登録すると、権利の存続期間は分割納付で5年、一括納付で10年と長いですよね。
ビジネスが忙しいと、ついつい忘れてしまいかねません。
しかも更新手続きができる期間は決まっており、存続期間満了日(以降、更新期限日)の6ヶ月前から更新期限日までと日本の商標法に定められています。
商標法第20条第2項
更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない。
更新期限日を過ぎてしまった場合の対処方法
結論から言いますと、更新期限日を過ぎたとしても6ヶ月以内であれば、倍額の登録料を支払うことで更新することができます。
商標法第20条第3項
商標権者は、前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内にその申請をすることができる。
商標法第43条
第二十条第三項又は第二十一条第一項の規定により更新登録の申請をする者は、第四十条第二項の規定により納付すべき登録料のほか、その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。
商標法施行規則第10条第2項
商標法第二十条第三項の経済産業省令で定める期間は、同条第二項に規定する期間の経過後六月とする。
では、更新期限日から6ヶ月以上が経過してしまった場合は、どうなるのでしょうか?
こちらも結論から言いますと、更新期限日から6ヶ月経過後さらに6ヶ月以内(つまり1年以内)は「正当な理由があるとき」のみ、申請が可能です。ただし、その場合「正当な理由があることを証明する書面」と添付しなければならず、更新は困難になる可能性が高いのが実情です。
商標法第20条第4項
商標権者が前項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内に、その申請をしないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
商標法第21条第1項
前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、その申請をすることができる。
商標法施行規則第10条第3項
商標法第二十一条第一項の経済産業省令で定める期間は、同項に規定する正当な理由がなくなつた日から二月とする。ただし、当該期間の末日が同法第二十条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間の経過後六月を超えるときは、その期間の経過後六月とする。
商標法施行規則第10条第5項
前項の回復理由書を提出する場合には、商標法第二十一条第一項に規定する正当な理由があることを証明する書面を添付しなければならない。ただし、特許庁長官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
商標更新を忘れないようにする方法とは?
せっかく登録まで至ったのに、うっかり忘れたことで権利が消滅してしまうのは悲しいですよね。
更新期限日が迫っているという通知は特許庁から来ないので、自分で予防措置を講じるしかありません。では、具体的にどのような予防方法があるか、ご紹介いたします。
特許庁が提供している「特許(登録)料支払期限通知サービス」を利用する
一つ目としては、特許庁が提供している「特許(登録)料支払期限通知サービス」というサービスがあります。
こちらは主に中小企業・個人事業主・個人の権利者の方を対象としたサービスとして更新登録料の支払期限超過を予防するためのものです。
最大で50件まで登録が可能です。
自分で登録する必要はありますが、予防方法としては最適ではないでしょうか?
商標管理システムを利用する
二つ目としては、50件では足りない!という企業向けの方法となります。
商標を多数保有しているということは、つまり世に提供している商品やサービスが多いということ。それは必然的にネーミング段階から多くのスタッフと協働しながらプロジェクトを進めていると思います。
その場合、商品のネーミング管理から調査、出願・登録・更新と、一気通貫で管理できる商標システムの利用がおすすめです。
弊社では「BRANTECT」というネーミング管理から始まる一連の工程をクラウド上で管理できる商標管理システムを提供しています。
ネーミングをする際、商品企画部門と知財部門の意思疎通ができたり、海外拠点も含めて管理が可能ですので、グローバル展開されている多くの企業にご利用いただいております。
※ もし「BRANTECT」にご興味がございましたら、こちらのフォームよりお気軽にお問い合わせください。
まとめ
きちんと更新管理していれば半永久的に権利を保持できる、会社にとって重要な「資産」となる商標。
更新期限日を過ぎてしまった場合など、商標更新に関してご相談がございましたら、こちらよりお問い合わせください。