◇開始30分で2019年の記録超えとなる3,723億元(約6兆円)に
日本でも11月11日の中国ECサイト一大セール「独身の日」の知名度が大分定着してきました。
今年は新型コロナの影響で巣ごもり需要もあり、一体どんな数字をたたき出すのか多くの方が注目している日でしたが、Tmall(天猫)は、日付が変わった11月11日0:00から開始30分で3,723億元(約6兆円)の取扱額を突破したというニュースが飛び込んできました。
2019年は一日の取扱額で2,684億元(約4兆円)でしたので、好調すぎるほどの滑り出しとなりました。
◇2020年11月11日の取扱額は4,982億元(約7.9兆円)に
結果はおよそ2019年の2倍近い取扱額となりました。着目すべきポイントとしてセール開始1時間後の取扱額を見てみましょう。
上記は過去10年のTmall(天猫)の独身の日セールの取扱額の推移です。
開始1時間での取扱額を見ると、2019年は1,000憶元突破であったところ、2020年は開始30分で昨年1日の取扱額を超えました。
開始1時間前後の取引がここまで伸びる原因はどこにあったのでしょうか。
◇ライブコマースの躍進がカギを握る
10月の下旬を迎える頃からTikTokをはじめとしたショートビデオで、フォロワー数が1,000万人を超える著名人が独身の日セールに向けた販促活動が開始されました。
11月に入ると、Tmall(天猫)やタオバオでもライブコマースを活用した販促活動がピークを迎え、1日に約6万人のインフルエンサーがライブコマースで販促活動を行い、2億人のユーザーがそのライブ配信を視聴していたとするレポートが出ています。
各著名人一人当たりの商品販売に影響を与えた取扱額は数十億元に上るそうです。
◇日本企業もライブコマースを最大限に活用
中国でも人気急上昇中の資生堂は、日本本社とTmall(天猫)の拠点がある浙江省杭州市とを中継で繋ぎ、社員自らが資生堂ブランドをアピールして販促活動を行いました。
視聴者は40万人を超えたということです。今年の独身の日は各企業がどんな活動をしていたのか、日を追うごとに情報が出てくると思いますのでチェックしてみましょう。
中国でも新型コロナによる巣ごもり需要も功を奏し、オンラインショッピングを楽しむ消費者が急増しています。
2020年の独身の日セールは一段落しましたが、来月は12月12日のセール、年末年始に向けたセール、旧正月に向けたセールとオンラインショッピングのセールはまだまだ続きますので目が離せませんね。
中国のECサイトで販売を行っている企業様は、どうぞ侵害対策もお忘れなく。
〈ライタープロフィール〉
安達 孝裕(あだち たかひろ)
GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/模倣品対策チーム
consul@brights.jp
2017年に入社。ECサイトの削除対応や現地の模倣品対策担当として従事。中国に7年いた経験を活かし中華圏の対応を得意とする。ECサイトで真正品と模倣品を判別する能力に長けており、新しいECサイトの削除対応にチャレンジ中。趣味は家族とドライブ、中国での偽物探し。