颯希~!ダークウェブについて教えて!!
いきなりどうしたの?
最近ニュースで見ることも増えたから気になったの。
ドメイン担当としては知っておくべきことだと思うし。
ふむ。確かに知っておくことは大事かもしれないね!
じゃあ今日はダークウェブについてレクチャーするよ!
ありがとう!お願いします!
早速だけどお姉ちゃん、下の図を見てみて。
ん?これは氷河の絵?
そう。この氷河の絵は、ウェブの世界そのものなんだよ。
どういうこと?
私たちが普段GoogleとかYahoo!とかで検索して表示されるページは、この氷河の絵の赤枠で囲まれたところなの。
サーフェイスウェブってところ?
そう。サーフェイスウェブつまり、ウェブの世界の表面ってこと。
えええ??? 私たちはウェブ全体の表面しか見てないの?
うん。サーフェスウェブの部分は、全体の1%にも満たないって言われているよ。
いっぱい表示されていると思ってたけど、ほんのわずかなんだね。じゃあ残りの99%はどうなっているの?
99%の大部分は、ディープウェブだよ。図のオレンジの枠で囲まれているところだね。
ふむふむ。ディープウェブは、サーフェイスウェブとどう違うの?
ディープウェブは、アクセスされる人が制限されたサイトだよ。閲覧にパスワード入力が必要なサイトや個人のメール、企業のデータベースが該当するよ。
なるほど。このディープウェブがウェブの世界の大半を占めているのか。
…ん?ディープウェブの下にもうひとつ階層があるけど、これはなあに?
これがダークウェブだよ。
この一番下にあるのがダークウェブなんだ!
そう。ダークウェブの特徴は、GoogleとかYahoo!とか私たちが普段使っているブラウザからは見ることができないサイトなの。
いつも使っているブラウザからは見えないサイト?どういうこと?
ダークウェブは、専用のブラウザを使わないと見ることができないの。
ふ~ん?例えばどんなものが専用ブラウザなの?
例えば、Torブラウザは、専用ブラウザのひとつだよ。Torは、世界中のサーバーを経由して通信するから、アクセス元を特定することが難しいんだ。
Torのロゴ
【Tor】はThe Tor Project, Inc. の登録商標です。
ふ~ん。ダークウェブは匿名性が高いブラウザじゃないと見ることができないんだ。このTorってブラウザのロゴ、玉ねぎが描いてあるけどなんで?
TorはThe Onion Router(玉ねぎルーター)」の頭文字を取って名づけられているの。Torはオニオンルーティングっていう技術が使われていて、ルータを経由する度に暗号化を施すから、何重にも暗号化が施されるという特徴があるんだよ。
へえ!
まるで玉ねぎの皮のように暗号化と復号が行われるから、オニオンルーティングという名称なの。この技術により高い匿名性が保たれるの。
なるほど。だから玉ねぎなんだ。そもそもダークウェブってなんのためにあるの?匿名性が高くなければいけない理由ってなあに?
元々ダークウェブは米国海軍によって開発されたものなんだよ。スパイ活動を目的として開発されているから、アクセス元の匿名性を保ったまま通信できる場所として発展したものなの。
へえ!諜報活動を目的として開発されたんだ。
うん。そしてその匿名性の高さを誇るダークウェブは、犯罪者にとっても好都合な場所だったの。通信経路が匿名化されているがゆえに、違法なサイトが数多く立ち上がってしまった結果、ダークウェブ=闇サイト・闇ウェブというイメージが広がっていったんだよ。
ふむふむ。ダークウェブ上は違法なサイトが数多く存在するって言ったよね?どういうものがあるの?
偽造クレジットカード、ドラッグ、人身売買の情報、偽造パスポート…他にも色々販売されているみたい。代金の決済は、匿名性が高い暗号通貨が使用されているそうだよ。
あわわわ…怖すぎる…。あれ?でも違法サイトはどうやって作成されているの?Webサイトってことはドメインが必要になるよね?
Torのネットワークの中では、ドメインを作ることができるの。それが.onionドメインだよ。
.onion?また玉ねぎが出てきた!
.onionドメインはドメインって名前はついてはいるけど、ICANNが管轄している正当なTLDではもちろんないよ。.onionの識別子を持つ、特殊な疑似アドレスを持たせることで、ページを表示させているの。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/Tor
…ってことはドメインのように見えるけど、厳密にはドメインじゃないのね。
そうだね。いわゆるホスト名にあたるところは自動生成されるんだけど、違うドメインにすることも一瞬でできちゃうの。だから犯罪ビジネスや違法ページを運営していても、すぐに逃げることができるんだよ。そもそもTorが匿名性の高いブラウザだから、ドメインを突き止めても運営者の情報を明らかにするのは難しいけどね。
なるほど。私たちが普段使用しているTLDの安全性に改めて気づかされるね。ダークウェブとはどう関わっていくのが正しいのかな?
絶対に興味本位でアクセスしないこと。ダークウェブ内のサイトの中には、マルウェアなどが仕掛けられている場合も多いから、アクセスすることでマルウェア感染や遠隔操作などのサイバー攻撃を受ける可能性があるよ。一般の人が興味本位で閲覧をするのはダメ!絶対!!
了解!怖いから絶対アクセスしません!それにしても、今日ダークウェブのことを教えてもらって、改めてセキュリティの重要性に気が付いたよ。この間、SSLについて教えてもらったけど、セキュリティの意識を高めていくことが大切だね。
その通り!さて今日はここまでにしよう。お疲れ様でした!
ありがとうございました!
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「ダークウェブが悪用される事例の紹介とその対策」について書いています
〈ライタープロフィール〉
千葉 やよい(ちば やよい)
GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/ドメイン担当
2012年に入社。 BRANTECT、商標コンサルタントを担当したのちドメインコンサルタントに就きました。ガイドラインや、ドメイン関連記事を作成しています。ドメインについては現在進行形で勉強中!初心者様にも分かりやすい記事作りを心がけています。趣味はゲーム、アニメ、散歩。
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