現代において、踏んでも壊れないのは”ハズキルーペ”であり、もはや筆箱ではないかもしれません。おそらく一度や二度は、あのCMを目したことはあるのではないでしょうか?
まだ老眼鏡が必要な歳ではない自分でも、いつかかけるならあのブランドと思ってしまうくらい刷り込みが既にされてしまっている気が。。
そんなハズキルーペがどうしても気になってしまい、製造会社のことを少し調べてみました。
どんな会社?
会社ホームページを見てみると、元は2007年にプリヴェ企業再生グループがタカラトミー社から買収した一社のようです。当時は商社的な事業をしていたのですが、自社ブランドを企画して利益率の高いものを販売するビジネスモデルにシフトし、そこからハズキルーペは誕生しました。
ブランドが立ち上がったのは、8年前。私も電車の広告で目にしたことが度々ありますが、 石坂浩二さんがかけてる老眼鏡という印象はうっすらとありました。(因みに、元ヤクルトの古田さんのは、アイメトリクスですね。今回調べるまで若干混同していました。)
もっとも印象付けたのは、現在のCMであるとは思いますが、思い返せば、あの時代からじっくりとブランドを育ててきたのですね。
そんな会社も育てたブランド力に乗る形で、2017年に社名変更をして、”Hazuki Company”となりました。このパターンは直近でいえば、ZOZOも同じですね。
今後の展開は?
商標を見てみると、2009年に日本で出願されています。ブランド立ち上げの時期と比較をすると、しっかり前もっての権利化がされています。
ホームページには海外展開への思いも語られていますが、商標で少し展開予定国を見てみました。
GlobalBrandDatabase(以下、GDP)で見てみると、各国出願、マドリッドプロトコル(以下、マドプロ)での各国指定が多くあります。2010年には、後の海外販売も見越し、アメリカ、欧州への出願をしています。2012年に更に出願を拡大し、アジア、東南アジア、東ヨーロッパ、中東、南米など多くの国で出願を終えています。なお、2017年には、拡充してきたラインナップの権利化も拡充しています。
確かにどこの国でも老眼は発生しますので需要はありそうですが、展開予定国、すごいですね。
ブランド×知財
そんなHazuki Companyの代表である松村さんのプロフィールを見ると、元々法律のバックグラウンドを持つ方であり、現在は大阪大の知的財産センター客員教授でもあります。権利化を手堅くしていることが理解できました。
ハズキルーペが売れるのは、特徴あるマーケティングというのもありますが、それをやるために、元々持っている自社技術をトップがしっかりと認識し、良い商品作りをし、権利をしっかりと押さえ、売りやすい環境を前もって整えているからということが調べているとよく分かります。企業再生を事業としているから当然と言われればそれまでですが、ブランドを攻守共にしっかりと理解している経営者は強いですね。
最後に
最後に、ハズキルーペ以外にも、商標を眺めていると、子供を持つ世代には知られているクレヨン”primomo”なんかもこの会社が作っていることが分かります。こちらもデザイン化されたクレヨンで人気になっており、海外展開も権利上見込まれています。
今後のハズキの展開はどうなるんだろ?
また老眼が始まったときに調べてみたいと思います。
〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)
GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部
consul@brights.jp
2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部副本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。