スポーツ団体/リーグのブランドTLD
新gTLDは大きく、(1)一般名称TLD、(2)地域名TLD、(3)ブランドTLDの3つのカテゴリに分けることができます。
(1)一般名称TLD | 一般名称による新gTLDを指します。 例)「.cafe」「.top」「.mail」など |
(2)地域名TLD | 地域名称を表す新gTLDを指します。 例)「.tokyo」「.osaka」「.berlin」など |
(3)ブランドTLD | 一般名称とは異なり、特定の企業が自社名または所有するブランド名にて申請をしたTLDを指します。 例)「.google」「.microsoft」「.chanel」など |
その内、上記(3)ブランドTLDの内、スポーツ団体/リーグのTLDは下記3つ存在します。
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ブランドTLD | 権利者 | 概要 | 取得件数 |
.afl | Australian Football League | オーストラリアのフットボールのプロリーグ | 60件 |
.mlb | MLB Advanced Media DH | 世界最大のアメリカのプロ野球リーグ | 32件 |
.nfl | NFL Reg Ops LLC | 全米スポーツで1番の人気を誇るプロアメリカン・フットボール・リーグ | 1件 |
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各ブランドTLDの内、取得件数が1番多いのはオーストラリアのフットボールのプロリーグ「.afl」の60件。続いて「.mlb」の32件、「.nfl」の1件と続く形。この内、特徴的な運用をしている「.mlb」の運用方法をご紹介いたします。
「.mlb」の2つの活用パターン
[su_note note_color=”#158fe3″](1)各チームページへの転送[/su_note]
現在、「.mlb」は32件の全てをリダイレクト(あるURLから別のURLに転送すること)として使っています。
MLBはアメリカ所在の29チームと、カナダ所在の1チームの合計30球団で編成されています。この30球団毎に、球団名を付与した「.mlb」を取得し、「www.mlb.com」内の各チームページへ転送しています。
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取得しているドメイン | 転送先URL |
angels.mlb | https://www.mlb.com/angels |
dodgers.mlb | https://www.mlb.com/dodgers |
redsox.mlb | https://www.mlb.com/redsox |
yankees.mlb | https://www.mlb.com/yankees |
[/su_table]
(画像左:「dodgers.mlb」の転送先https://www.mlb.com/dodgers、画像右:「yankees.mlb」の転送先https://www.mlb.com/yankees)
[su_note note_color=”#158fe3″](2)メインサイトへの転送[/su_note]
また、30球団毎の「.mlb」以外の2件のドメインネームは、「www.mlb」と「home.mlb」で、現在のメインサイトである「https://www.mlb.com/」へ転送されています。
(画像左:「www.mlb」の転送先https://www.mlb.com/、画像右:「home.mlb」の転送先https://www.mlb.com/)
明確な運用ポリシーの元並行運用を開始
以前、「エンゼルスから見る、メジャーリーグの商標やドメインネームの管理とは」で、下記の通り、MLBに明確なドメイン運用ルールが存在していることを、ご紹介しました。
この構造と非常によく似た運用ポリシーの元「.mlb」の運用を始めたことが考えられます。
30球団のドメインを管理している「MLB Advanced Media」は、以前より明確なドメイン運用ポリシーの元、「www.mlb.com」やその他チームに関連するドメインの運用や管理をしていることが推測できていました。現時点で、「mlb.com」から「.mlb」への移行を名言した情報などは確認できませんが、gTLDでの運用ポリシーや経験を元に、「.mlb」の運用ポリシーや方向性を考えながら、「mlb.com」と「.mlb」の併行運用を開始した形であることが考えられます。今後の「.mlb」の取得や運用方法に引き続き注目です。
〈ライタープロフィール〉
鄭 美羅(Mila Jung)