〈2018年AI予測〉出願商標から予測するAI技術がもたらす未来とは

AI技術の発展に伴い、弊社でもAI自動翻訳サービスのご提供を開始しました。今後も引き続き、国内外におけるAIを利用した商品やサービス展開の動向が気になるところです。本記事では、「出願商標から予測するAI技術がもたらす未来とは」をご紹介いたします。

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、指定商品名に“artificial intelligence(AI)”を含む商標出願は、7,994件。出願年別にみた結果がこちら。

 

 

2018年は7月の現時点で3,173件と、既に前年度出願件数を増加しており、引き続き下半期での出願件数の増加が予測できる勢いです。2018年度の出願件数が多い権利者TOP5はこのような結果。

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順位 権利者名 出願件数 業種
1位 HUAWEI(ファーウェイ) 76 中国の通信機器メーカー
2位 BAIDU(百度) 64 中国で最大の検索エンジン
3位 NVIDIA 42 アメリカの半導体メーカー
4位 YITU 38 中国の人工知能の研究企業
5位 BIOFARMA 26 インドネシアの医薬品を扱う国営企業

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[su_heading]出願商標からビジネス予測[/su_heading]

1位にランクインしたファーウェイ社は、2016年以降からAI関連の出願を開始し、今までに153件の商標出願を行っています。153件の出願商標の内、多くを占める出願が、同社主力製品であるスマートフォンのブランドライン名。そんな中、ロゴに注目をした結果、ロボットの普及へ力を入れている姿勢が見えてきました。

画像出典:GBD検索結果

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出願日 区分 指定商品
2016/11/16 10類 外科用ロボット; 手術目的で[su_highlight]人工知能を持つヒューマノイドロボット。[/su_highlight]
2017/11/27 9類 ロボットシステムおよびデバイスを操作、記録、制御、監視、移動するためのダウンロード可能なソフトウェア ロボットシステム用ソフトウェア; [su_highlight]人工知能を持つヒューマノイドロボット。[/su_highlight]
2018/4/11 9類 実験用ロボット;産業用ロボット; パーソナルロボットのオペレーティングシステム; ホームテレプレゼンスロボット; 教育ロボット(教授装置)。 [su_highlight]人工知能を持つヒューマノイドロボット[/su_highlight]。

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毎年”AIロボット”の出願を行っていること。また、指定商品に記された内容から、”AIロボット”の内容には毎年違いが見えること、が伺えます。

2018年4月、将来の産業と社会に関する定量的・定性的な予測を示した同社初のレポートである「グローバルインダストリービジョン(GIV) 2025」を発表しました。「GIV 2025」では、スマートデバイスとスマートロボットの役割が単なるツールからアシスタントへと進化する未来を描いており、スマートアシスタントの普及率は、2025年までに90%にのぼり、12%の家庭がスマートサービスロボットを所有する未来が描かれており、ロボットの普及とそれによりもたらされるいい影響について述べられています。また、ソフトバンク社とロボットにおける5Gの活用に向けた実証実験に関する契約を締結し、2018年より実証実験を実施するなどの動きが確認できます。

同社が具体的にロボット産業へどのように参入していくかの確認は取れませんでしたが、出願商標や同社の動向から、今後様々な形態のロボット開発/普及に力を入れていく姿勢が予測できるのではないでしょうか。

 

[su_heading](おまけ)AI注力企業が必要な「.ai」取得検討[/su_heading]

上記企業の「.ai」の取得状況を簡易調査した結果がこちら。

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順位 権利者名 .ai取得状況 活用方法
1位 HUAWEI(華為技術) 〇「huawei.ai」取得 huawei.comへ転送
2位 BAIDU(百度) ×「baidu.ai」第三者取得 ai.baidu.comを利用
3位 NVIDIA 〇「nvidia.ai」取得 nvidia.comへ転送
4位 YITU ×「yitutech.ai」未取得 ×特になし
5位 BIOFARMA ×「biofarma.ai」未取得 ×特になし

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「.ai」とは、Anguilla(アンギラ)の国・地域別ドメイン(ccTLD)。「.ai」がAIを示す言葉であるため、AI関連のサイトとして使用する企業やサイトが増えてきており、非常に人気が高まっているのです。(関連記事はこちら

5社中2社が「.ai」を取得している結果。「baidu.ai」に関しては第三者によりサイト運営がされており、BAIDU社自体は”ai.baidu.com”というサブディレクトリを利用している状態でした。AI注力企業については「.ai」の取得検討が必要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。是非ご参考ください。

 

ファーウェイ社の出願商標からは、「様々な形態の”AIロボット”が私たちの生活に身近に存在する未来」の訪れが予測できたのではないでしょうか。今後も盛り上がりが予測できるAIの出願商標を引き続き動向を確認して参ります。

 

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〈ライタープロフィール〉
中山 礼美(なかやま れいみ)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/メディア担当
consul@brights.jp

2011年に入社後営業サポート業務に携わり、2017年5月よりメディア担当者として、商標やドメインネームの業務を学びながら記事を発信。様々な業界のトレンドを意識した記事作りの難しさに奮闘中。趣味は食べるコト、プチプラでお得なものを探すこと。