6月29日、経済産業省が公表した、「模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告(2018年版)」によると、下記注目すべき内容が報告されました。
●相談・情報提供の受付件数のうち相談件数が過去最多となったこと
●模倣品の製造国が判明しているものの中で、中国に関する案件が73.3%と最多であったこと
●知的財産権の内、商標権侵害に関する割合が42.4%と一番高い割合を占めていること
また、報告書内の概要として以下事例が紹介されています。
[su_box title=”模倣品被害等の傾向”]
[su_highlight background=”#cdf0f1″]<ECサイト>[/su_highlight]
数十年ほど前の模倣品は、品質が劣悪であるものが多く、また、模倣態様も単純なものだったが、昨今の模倣品は模倣態様が複雑化しており、模倣対策が難しくなっている。また、世界的にインターネットが普及したことに伴い、ECサイト上の模倣品被害も深刻になっている。
ECサイト上の商品紹介ページでは、ブランド名を隠したり、意匠の一部を隠すなどの画像処理をした写真が掲載されており、第三者には知的財産権侵害品であることが分かりづらく、ECサイト運営者側への削除申請が認められないケースが多発している。
[su_highlight background=”#cdf0f1″]<現場>[/su_highlight]
同じショッピングモールの別フロアで模倣品が販売がされるようになり、損害は甚大なものになっている。
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ガイドラインの作成と対応の重要性
ECサイトの普及により、PCだけでなくスマホからでも簡単に商品が購入できる時代になりました。また、大手企業以外の会社/個人でも簡単に販路を広げることができるようになり、越境ビジネスは現在盛況です。模倣品、不正品をすべて排除することはできません。売り上げを阻害されないようにどこまで対策するのか明確にすることが重要です。
例えば、中国から世界に商品が広まることを踏まえ、”中国だけは監視”という割り切りで開始するなど、ECサイト・現場においてどこまで対策するのかというガイドラインの作成が重要となります。
費用対効果の点で何も対策しないで放置した場合、知的財産権を重視しない会社であると認識され、類似の被害が増加することに繋がり、自社ブランド価値の著しい低下を招く原因となります。報告事例を踏まえ、まずは状況の把握から始めることを推奨します。
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