8日、韓国女性アイドルグループT-ARA(ティアラ)が今後グループ名を使えなくなることが報じられました。
前事務所によってT-ARAが出願がされたことから、今後の活動において前事務所許可なく事業を行うことができなくなり、グループ名の変更がされるのではないかと囁かれています。これまでの活動やグループ名に対する思いやファンの存在もあるため、アイドルグループ名を変更することは避けたい事象ではないでしょうか。
[su_highlight background=”#cdf0f1″]「アイドルグループ×商標」[/su_highlight]
一見関わりのないように思る二つの単語ですが、アイドル活動のみならず、重要ビジネスである“グッズ販売”においても大きな関わりを持つのが商標出願なのです。
「国内で1番人気のあるアイドルグループ」と言っても過言ではない「AKB48グループ」を取り上げ、アイドルグループ活動における商標出願の重要性をご紹介します。
[su_heading size=”15″]国内の出願傾向とは[/su_heading]
「AKB48」の出願動向
AKB48グループの運営管理会社である「株式会社AKS」。
日本の商標データベースであるJ-PlatPatで、株式会社AKSが保有する商標を検索した結果、45件。
「AKB48」商標は先んじて、アイドルグループ商標登録の基本である、”イベント興行やライブコンサートの企画・運営又は開催”が対象の第41類を取得した後、人気がでることに伴い、グッズ展開に関する区分の出願が非常に多くの区分でなされています。文字商標→ロゴ商標の順に権利化を進め、必要に応じて追加区分及び追加指定商品の出願を行っており、手厚く権利保護を行っていることが伺えます。アイドルグループ商標登録の基本である第41類と一緒に、”飲食物の提供”が対象となる第43類を重要区分として先んじて出願している点は、「会いにいけるアイドル」としてカフェを手掛けていたAKB48のルーツとして、特徴的な点ですね。
以下一部指定商品を抜粋しご紹介いたします。
グッズ販売に関連すると考えられる、数多くの「商品区分」での出願が確認できます。
では、様々な地域を活動拠点とするAKB48グループ。SKE48やHKT48等、各グループ名の出願状況はどのようになっているのでしょうか。
「AKB48グループ」の出願動向
AKB48グループ名の出願の特徴をまとめました。
[su_box title=”1.NMB48の権利者は別”]
NMB48は権利者が「株式会社AKS」ではなく、「KYORAKU吉本.ホールディングス株式会社」でした。出願区分に違いはあまり見受けられませんでしたが、ロゴの態様に違いがあることがわかります。「株式会社AKS」が出願するAKB48等のロゴは二段併記のロゴに対して、「KYORAKU吉本.ホールディングス株式会社」が出願する「NMB48」のロゴは横並びになっていました。権利者が異なることが伺える出願内容ではないでしょうか。
画像出典:J-platpat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)
この出願から、NMB48は、AKB48グループでの活動をしてはいるものの、商標権利者は「KYORAKU吉本.ホールディングス株式会社」が行っており、グッズ販売等における売上においても管理や計上が異なることが推測できます。
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[su_box title=”2.海外拠点とするグループの商標出願に危険信号?”]
インドネシアを拠点とし日本国外への進出が同グループ内で初となるJKT48。
画像出典:https://jkt48.com/?lang=jp
活動拠点は海外ではありますが、JKT48グッズは日本においても購入が可能となっています。その一方で、国内において出願は確認できず、上田 育弘氏により出願がされていることが確認できるという状況。
特にAKB48グループは日本のみならず世界を牽引するアイドルグループですので、活動拠点が日本か否かに関わらず国内及び活動拠点国での権利化はマストです。今後国内での権利化を急ぐべき必要があります。引用:https://cd.shopping.akb48-group.com/extra/landing/entry/jkt48/
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海外公演も行うAKB48グループの海外での出願はどのようなものでしょうか。次にご紹介いたします。
[su_heading size=”15″]海外の出願傾向とは[/su_heading]
世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、AKS CO., LTD.(株式会社AKS)が保有する商標を検索した結果、55件。
インドネシア45件、シンガポール4件、中国4件、韓国2件、フィリピン2件へ出願を行い、出願区分はメイン区分である41類が13件、グッズ展開と考えられる28類が12件、35類が11件という順に出願件数が続き、その他区分をみてもグッズ販売を意識した幅広い区分での出願を行っていることが伺えます。
「AKB48グループ」の出願動向
AKB48グループ名の出願の特徴をまとめました。
上記、GBD検索結果からは確認できませんが、各国商標データベース(マカオ、中国、香港、シンガポール等)でもAKS CO., LTD.によるグループ名の出願状況が確認でき、海外に対しての権利化を顕著に進めていることが伺えました。
一方で、台湾のデータベースでは第三者が出願したと思われる以下のような商標が確認できたことも事実です。
画像出典:台湾データベース(http://tmsearch.tipo.gov.tw/TIPO_DR/index.jsp)
海外での人気と注目度の高さが伺えるのではないでしょうか。
国境をなくす勢いの海外展開
AKB48グループの注目されることのひとつに海外展開があります。
韓国のテレビ番組とAKB48が連携する形で、新たな女性グループを誕生させる企画が始動したり、メキシコで放送されるテレビドラマに、AKB48グループのメンバー1人が出演することも発表されました。
また、親日国の台湾でもAKB48グループは大人気で、台湾でライブやイベントなどが過去に何度も実施されており、現地のファンはいつも日本のメンバーの訪問を歓迎している。また日本で行われる握手会やイベント、劇場公演にも台湾から多くのファンが駆けつけているといいます。
[su_box title=”海外展開が勝手に進む時代”]
YouTubeやなどの動画配信サービスの他にも、TwitterやFacebookといったSNSを通じて日本のアイドルグループのことを海外に住むファンは熟知している。ということはAKB48グループに限ることではないのではないでしょうか。
アイドルグループの各国での人気の把握、海外各国へ商標出願をきちんと行うことは非常に重要になるのです。
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