ドメインは誰が管理するのか

 
新しくドメイン担当者になった私が、ドメインに詳しいプロフェッショナル達に会ってお話しし、ドメインに対する知識を深めていこうというコーナーです。

早速、寺地先生にドメインについてお話伺いました!

 
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ドメインはそもそも誰が管理するものなのでしょうか?

その質問、実はよくあるんです。

ドメインというと、商標に似ているから知的財産部じゃないのとか、システムが絡んでくるからシステム部じゃないのとか、ブランドに関わるから広報じゃないのとか…たらい回しにされがちです。そうなると最終的にどんなことが起きるかというと、みんな勝手にドメインを取ってしまい、整理すると数十個のドメインを管理すれば良いものを、何百個も持ってしまったりするんです。そうすると取得にかかる費用だけでなく、運用費などもかかって膨大な額になりますよね。だから管理はしといたほうがいいはずなんです。

あと、ドメインってウェブを運用する重要な資源なんですけど、あまり知られていないんですよね。ウェブでも情報があまりないですし。なので、管理しなきゃ!と思ってもなかなか思うようにいかないんですよね。もちろん社内に管理のポリシーなんてないし。そんなことで悩んでいたら最近は新gTLDという新しいドメインの制度がスタートして、ドメインの種類が200種類程度だったのに、1,500種類位に増えているという。。。そうなるともうなにがなんだか分からなくて、よし!放っておこう、ってなりますよね。笑

話を戻して、そんな大変な管理をしてる部署は、大抵はコーポレート関連の方、知的財産部、情報システム部です。コーポレートを担う方々といえば、コーポレートコミュニケーションとか広報、CSRの方々ですよね。会社のブランディング上、どのように会社をまとめ、イメージを打ち出すかは非常に重要なため、関わることが多いです。次に、知的財産部の方。Webサイトで侵害があったりしたら関わらないわけがないし、何かしら権利にまつわるところなので、そういう方々も必要です。あとは、情報システム部の方。ドメインを取得した後に使用する場面で、サーバのレコード設定などが必要ですので。この3部署で、まずドメインの現状を知り、どうしていくか話し合うのがスタートですね。

ではどんな風にやればいいんですかという話になると思うのですが、現状を知るというところでは、まずは自分たちのコーポレートドメイン(例えば、当社であれば、brights.○○)が全世界でどのぐらい取得されているかを知るべきです。その結果を見たとき、知的財産部の方なら、自分たちが商売をしている国でドメインが他人に取られて似たような事業をされているとなれば、「まずいなぁ」という話しになります。また、情報システム部だったら、こんなにサーバがばらばらだと「お金が無駄だなぁ」という話にもなりますよね。

ドメインネームのコントロールは大企業なら必ずしているはずですが、大企業も10年前はできていなかったんですよ。なので、今できていない方も10年くらいしか差がないと思えば気が楽かな。笑

 

寺地先生はこれまでに色んな企業を見てこられたかと思いますが、きちんとできている企業はあるのでしょうか?

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きちんとできている企業は数パーセントぐらいだと思います。
よく分からないしまぁ放っておこう、と考えて、たまたま事故がおきてないというケースがありますね。それだと困ってしまう事があって、例えば、最近はサイトのなりすましなどが増えています。色々と自分たちのブランドを危険な目にあわせることがよく起きていて、全く把握をしていないというのは企業にとってリスクなんですよね。

ユーザーはそもそもなりすましのサイトがあることを予期してませんから、素直に検索エンジンからアクセスして、サイトのイメージとか、ドメインから正規のサイトかを確認しているところがあって、例えば何かもの買おうって思ったとき、amazon.jp、あるいは、amazon.comならAmazonで商品の購入ができると思うはずなんです。この信用が企業にとっては大切なんですよね。企業がSSLを取り組む理由の一つもそれですよね。そういうものだからこそ、悪用する人が世の中にはいるんですよね。

ユーザーが困る前に、ドメインについて取り組むことができたら最高ですよね。一人でもユーザーからは信用を失ってしまうのはもったいないですよね。また、SNSも発達してますし、どう伝播するかわかりませんから。

 
寺地先生ありがとうございました。

本日の学びは、ドメインのことはコーポレート、知的財産部、情報システム部の3部署が中心に話し合って考えていかなければならないということ!

もし、ドメインが散らばって悩んでいる方がいたら…ぜひ、手を挙げてドメインの整理をしてくださいね。

 

terachi寺地裕樹
GMOブライツコンサルティング株式会社 営業1部 部長
知財管理システム「BRANTECT」の開発・導入を牽引