ICANNのIDN ccTLDsファストトラックプログラムがスタートされたのは2009年11月ですが、それ以降は22の言語を代表する33の申請があげられ、そのうち15の申請が認められました。ブライツコンサルティングも数回に亘って本プログラムについてのニュースを掲載しております。詳しくはこちらをご覧下さい。
最新のニュースは、モロッコのIDN ccTLDの申請が文字列評価を無事通過し、委託を待っています。今まで委託されたものの中では、アラビア語を中心としたものが最も多いです(UAE、Saudi Arabia、エジプトなど)。
本日ご紹介したいのは、2010年11月11日のロシアIDN ccTLD(.рф)のラウンチに伴う、歴史的とでも言える.рфドメインネームの急速な登録数です。ロシアIDN ccTLDがその一般登録を受付し始めた途端、開始後の3時間内で500,000件のドメインネームが登録され、2010年中で100,000件まで達成する予測を大きく超えました。11月25日現在、.рфの下で登録されたドメインネームの数は576,466件であり、39%以上は認められています。ちなみに、.ruのドメインの数は3,085,400件ですので、両方の統計を考慮すると、ロシアにおけるブームとでも言えるような大きな経済的需要の存在が見えてきます。
ところで、本ccTLDの登録規則の中には差別用語などを含めた4023の言葉が予約語(いわゆるブラックリスト)があり、登録不可能となっています。
インターネットの多言語化によって世界中のより多くのユーザーが障害なくインターネットにアクセスできるようになり、英語が分からなくても、サーチエンジンでだけではなく、アドレスバーにも母国語での入力ができるようになりますので、インターネットの多様化が進んでいます。しかし、一般ユーザーの視点からではなく、例えば、ブランド所有者の視点から見ると、今まで商標侵害などのモニタリングが可能であったドメインネームが、強化された技術を採用しない限り困難になっていきます。そして、適用できるソフトを開発するには、言語学者の力も借りなければなりません。ブランド名の、例えば、アラビア語のあらゆるスクリプトでの正確な書き方と、ミスタイプされた書き方(typosquattingを防ぐために)を確定し、モニタリングをかける必要があります。今までもセカンドレベルでの多言語の利用が可能でしたが、トップレベルが多言語化されることによって今後はASCIIではないドメインネームが劇的に増えていくことになることが予想されます。これらをモニタリングする方法を工夫しないかぎり、ASCIIではない言語のccTLDの領域は高いフェンスに閉じられたようなスペースとなり、一般ユーザーにその母国語でのコミュニケーションするツールを与える一方、多様な侵害が予想できますので、悪い意味でのセイフティゾーンにもなります。その意味で現地語を使用している国での取引を確保するため、IDN ccTLDの下で商標を取り入れたドメイン登録と有効なモニタリングをお勧めします。
ブライツコンサルティングでは、上記の問題を含め、ブランド所有者のためのインターネットでの安全なプレゼンスを確保するため、技術的な面での継続的な開発を行い、また、社内のグローバルなスタッフの取り組みによって様々な言語の能力を必要とする課題をクリアしています。
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