3月16日付で、WIPOから2008年もサイバースクワッティング(注1)の申立件数(注2)が増加したとの発表がありました。
(http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2009/article_0005.html)
2008年の仲裁申立件数は2,329件、2007年から8%増となりました。このうち約30%は、裁定が出る前に当事者の間で解決されました。また、裁定が出たもののうち85%で申立が受け入れられました。
2008年12月でドメインネーム仲裁の規定であるUDRPが導入されてから10年になり、累計した申立件数も14,000件を超えました。この10年の変化を見ると、申立件数の増加は一度底を見た2003年から年々上昇しております。2009年には新gTLDの導入もあり、更なる増加が予想されています。これに伴い、WIPOは2008年の12月に手続きの総電子化を検討すると発表しており、今後の動きが注目されます。
国別で見ると、1999年から2008年の累計申立数トップ3はアメリカ、フランス、イギリスで、これにドイツやスイスが続き、日本は12位でした。被申立人のトップ3はアメリカ、イギリス、中国となっており、日本はランク外(Top15)になっております。申立人の業種別に見ると、トップ3はバイオテクノロジー及び製薬、銀行及び金融、インターネット及びITとなっております。
注1:サイバースクワッティング(英語: cybersquatting、ドメインネーム占拠)は、後で高く売りつけるためにインターネットのドメインネームを所得することに対する蔑称である。サイバースペース等で用いられる cyber(元はサイバネティックス参照)と squatting (居座り)を組み合わせた造語である。サイバースクワットとも。(出展:Wikipedia)
注2:WIPOの統計は申立件数であり、それらのすべてがサイバースクワッティングであるとは限りません。また、WIPOが扱うドメインネームはgTLDと一部のccTLDに限られており、ドメインネーム仲裁にUDRPではなく、独自のルールを掲げているドメインネームも数多くあります。それらもこの統計には含まれておりません。
単純なサイバースクワッティングでも、有利な裁定を得るにはノウハウと見識が必要であり、そうでない場合にはさらに高度なノウハウと見識が要求されます。また、UDRPを採択していないドメインネームにおいては、それらに適した対応が必要になってきます。ブライツコンサルティングは、これまでノウハウ、経験によって培われた見識と厳選された世界中に広がる代理人のネットワークにより、扱った約50件の仲裁のすべてにおいてクライアントに有利な裁定を勝ち取ってきました。
ほとんどのドメインネームの登録は基本的に先願主義、つまり早い者勝ちであり、サイバースクワッティングに対しては、未然に防ぐという防御策も当然必要になってきます。さらに、悪質な中傷サイトや批判サイトが与える企業イメージに対するダメージは深刻なものであるにかかわらず、そのようなドメインネームの奪還は単純なスクワッティング行為よりはるかに困難であります。このような事態を未然に防ぐためにも、商標とドメインネームを包括的に扱い、さまざまな事例を研究してきたブライツコンサルティングをぜひご利用ください。
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