導入進む「セルフレジ」を支えるRFID技術がもたらす未来とは

人件費の削減を主とした、大幅なコストカットができるとして普及が進んでいるのが「セルフレジ」。

日本でもスーパーマーケット、コンビニ、ファーストフード、アパレルなど様々な場面で「セルフレジ」の活用が始まっています。先日、「GU」に買い物をしに行ったところ、「セルフレジ」があり、複数の商品を入れたカゴを入れるだけで、商品のタグをレジが読み取り、あっという間に合計金額が表示され、支払いが完了することに驚かされました。「もっと多くの店舗で導入してほしい!」と思ってしまうほど非常に便利な「セルフレジ」でした。調べてみると、「GU」にあったレジは東芝テック株式会社が開発した商品とのこと。

画像出典:https://www.toshibatec.co.jp/release/20170420_01.html

RFID技術


このセルフレジには「RFID」という技術が使われています。RFID(Radio Frequency IDentification)とは、RFIDタグと呼ばれる媒体に記憶された人やモノの個別情報を、無線通信によって読み書きをおこなう自動認識システムのこと。身近な例では、JR東日本のICカードのSuicaがあります。改札機にカードを通さなくとも、読み取り部にカードをかざすことにより、無線交信で検札情報のやり取りができます。

世界最大の商標データベースGlobalBrandDatabase(以下GDB)で、”RFID”を指定商品・役務に指定した出願商標は8,853件。その中で気になる権利者からの出願がありました。

 

RFID×NIKE


NIKE社は、2018年3月以降”RFID”を指定した出願を5件行っています。いずれも「radio-frequency identification (RFID) tags(無線周波数識別(RFID)タグ)」が指定商品・役務に記されており、RFIDタグ技術を想定した出願であることが伺えます。

2017年、フィリピンでLEDランニングのイベントを開催しました。その際、ランナーの靴紐に縛り付ける形で使用していたのが、このRFIDタグ。RFIDタグを利用して1週目のタイムを記録し、記録されたタイムに応じスクリーンに映し出された自分のLEDアバターと競争しながら走るという、遊び心溢れる最先端技術を使用したイベントだったと言います。

2018年7月12日、店舗周辺エリアの会員の購買データによって品ぞろえを“ライブ”で変えていく新コンセプトストア、“NIKE LIVE”をロサンゼルスのメルローズにオープンしました。2019年春に東京でも“ナイキ ライブ”のコンセプトを採用したストアをオープンするといい、このような取り組みは小売業界のイノベーションだとも称されています。次々に新しい取り組みにチャレンジする同社が、今後RFIDタグをどのように活用していくか、非常に楽しみです。

 

「セルフレジ」ネーミング攻防


日本で「セルフレジ」を含む出願商標は9件確認できます。

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出願人 商標名
ユニー株式会社 お支払いセルフレジ
株式会社寺岡精工 対面セルフレジ、ハンディセルフレジ、切替セルフレジ、切替対面セルフレジ
東芝テック株式会社 セミセルフレジ、スリムセルフレジ、お会計セルフレジ

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いずれも2017年以降に出願されており、セルフレジの急速な普及が背景にあることが伺えます。今後もセルフレジ関連の出願は増えていくことが予測でき、どのようなネーミングで浸透していくかにも注目ではないでしょうか。

 

セルフレジ、無人コンビニ「Amazon Go」の登場など、最新技術を利用した小売業界の革新には驚かされます。きっと10年後には今とは大きく変わった支払い方法の選択肢が広まっているのではないでしょうか。今後の動向に注目です。

 

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〈ライタープロフィール〉
中山 礼美(なかやま れいみ)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/メディア担当
consul@brights.jp

2011年に入社後営業サポート業務に携わり、2017年5月よりメディア担当者として、商標やドメインネームの業務を学びながら記事を発信。様々な業界のトレンドを意識した記事作りの難しさに奮闘中。趣味は食べるコト、プチプラでお得感の高いものを探すこと。