企業のSNS人気が上昇中。炎上問題以外のトラブルを避けるためのルール化と監視はできていますか?

SNS(ソーシャルメディア)の利用率はどれくらい?

個人レベルのSNSの利用は全体で6割を超えました。年代別にみれば、10代~30代では、8割に達しようとしています。個人の利用が高まる中、企業も企業情報や製品情報を発信する場として、その利用が増えています。どのくらいの伸び率かというと、以下の通りです。産業区分によってその利用率に差はありますが、全体としてみたとき、4割弱の利用率のようです。

出典:平成 30 年通信利用動向調査の結果(総務省)
出典:平成 30 年通信利用動向調査の結果(総務省)

企業紹介や商品紹介に利用している方が非常に多いことが分かります。また、少しランクは下がりますが、人材募集をSNS上で行っていることも目を惹きます。様々な情報発信がされており、SNSは今やホームページに並ぶメディアに成長しているといえます。

SNSマネジメントは十分か?

個人にとっても企業にとっても身近となったSNSですが、企業はルールを策定してアカウントの管理や情報発信の管理をすることはできているのでしょうか?

当方が企業担当の皆様とお会いをして伺う限り、皆さん炎上に対してのケアが中心であるように思います。炎上してしまうとブランドイメージが下がってしまうこともあるからだと思います。確かにこの点も非常に重要ですが、下記の記事でご紹介をしたとおり、コロナ禍でさらに詐欺サイトが増える中で、アカウントのなりすましなどにも注意が必要です。

SNSのアカウント管理にあたっては、アカウントの文字列のルールを策定するだけではなく、1)背景画像、2)表示名、3)サムネイル画像、4)アカウント説明文、5)ホームページ情報などにもルールを設け、一見して関係者であるかを分かるようにしておく必要があります。

上記情報をすべて第三者にコピーされてしまっては、元も子もないじゃないか、と言われそうですが、そうしたアカウントへの対応については、関係者が運営しているアカウントはホワイトリストとして収集しアップデートしていれば、真偽をつけることができるのではないでしょうか。

また、SNSは無料で作成が簡単ということもあり、ブームが去ると放置される傾向もウェブサイト以上に多くあります。ウェブサイトの場合は、ドメインネームの更新要否など、何かしらのサイトを閉じるフェーズが不可避的にあることに対して、このような契機のないSNSは宇宙のごみのように荒れ放題が予想され注意が必要です。ルール化を考えるときには、SNSのアカウント放棄についても検討してみてよいかもしれません。

ルール策定その後は…

SNSのマネジメントのベースとなるルールができたなら、その後は実践です。この部分は多くの企業が逃しがちです。しかしながら、ルールを浸透させるフェーズを経なければ、ルールはすぐに陳腐化し、理想は絵にかいた餅となってしまいます。また、ルールが浸透することで、第三者の侵害も見つけやすくなります。

ルールの浸透をしていくためには、モニタリングが有効です。実際にルールに即したアカウント運営ができているかを確認し、もしルールに合っていないアカウントが存在するのであれば、関係者に連絡をし、正しいルールの下、SNSの運用をするようにお願いをしていきます。地味ではありますが、こうした活動をなしに、SNSのマネジメントは成立しません。見られているからちゃんとしようという感覚は誰しもあるのではないでしょうか。

同時に、モニタリングをすることで、第三者の不正なアカウントなどにも気づくことができます。内部関係者ではありませんので、侵害の具合によっては、各SNSに通報をし、アカウントの削除や停止をしていくことが必要です。

さいごに

SNSは冒頭に確認した通り、非常に重要なメディアに個人、企業ともに成長してきました。企業の経営陣、幹部の意識が低く、SNSのマネジメントについて予算がついていないということはしばしば聞きます。

しかしながら、SNSは、企業が重要な情報を発信するホームページとも似た存在になってしまいました。コロナ禍において、確かな情報がさらに求めれれる中、意識をもってマネジメントをしていってはいかがでしょうか。

SNSマネジメント、モニタリングについてのご質問があれば下記までお問い合わせください。


営業本部 寺地 裕樹(Yuki_Terachi)