クラウド型の管理システムを選ぶ際に、知財担当者が知っておくべきこととは?

 はじめに

「IT」・「Web」・「クラウド」・「アウトソーシング」・そして「リモート」、、、

この10年前後で知財業界にもこのような言葉が出始め、今や当たり前になってきました。

そもそも機密情報が多いこの業界にも関わらず、なぜこのような外部との接触が伴う言葉が聞こえてくるのでしょうか。

知財の中でもいち早くクラウド型のWebシステムを取り入れ、先行してきた商標管理システムは、手元のファイルサーバーにあるエクセルやAccess、また四法一体型の知財管理システムと何が異なるのでしょうか。

これからクラウド型の管理システムを選ぶ際に、知財担当者が知っておくべきことを一緒に確認しておきましょう。

商標の特異性

知財四法の中でなぜ「商標」だけ急速にクラウド化されてきたのでしょうか。

それは他の三法と異なり商標は、更新をし続けることで半永久的に権利の保持が可能な権利であることや、需要者を守る権利だからこそだと言えるでしょう。

消費者にとって購買動機ともなる「商標」は、広く世に渡り多くの目に留まるよう仕向けるという点で、知財の代表格となる特許とは大きく異なり、隠さなくても良い権利、そして開放することで創造者を守る権利と言えるのです。

クラウド型になることで得られること

クラウド型のメリットは共有のし易さが挙げられます。

今や仕事は、個人に依存するよりも役割やチームで知識・経験を共有し合いパフォーマンスを上げていくことが求められます。

経営層や事業部、グループ企業と連携し、会社の資産を守るには、オープンな姿勢で共有していくことが必要なのです。  

データとしての価値

商標を管理するということは、データとしての価値を持つことでもあります。

先ほども触れましたが、共有するにあたっても過去の経験や現在の進捗状況は、個人に依存し管理するものではなくなってきています。

情報化のスピードが速い現代では、瞬時な経営判断が求められ、欲しい時に欲しい情報を即アウトプットする必要があるのです。

そんな中、過去の出願状況や、事業縮小による撤退、かかったコスト等が構築されていると、そのデータは生き、攻めの材料へなり得るのです。

そのような価値あるデータを人や担当者によってクローズドな環境で運用するよりも、互いに管理できるオープンな環境下で運用することが必要となるのです。

最新版への自動アップデート

システムやデータベースは急速な発展を遂げています。

パソコンが得意な人だけがシステムを使う時代ではなく、より利用者が使い易く優れたものが開発されています。

管理者によって日々改修が進み、利用者はアップデートやインストールすることなく、常に最新のシステムを使い続けることが出来るのです。

セキュリティー面でのメリット

とは言え、知的財産である以上、Webを介して外部との接続が可能であればセキュリティー面は心配ですよね。

思い出していただきたいのは、常に最新のシステムを使い続けることが出来ること。

ログインアカウントは、閲覧権限、編集権限が付与されて管理されているので安心な上、IPアドレスによって、アクセスする時点から制限をかけることも可能となっているのは、今や当たり前のこと。

そして、いつ、だれが、どの項目を、何から何へ変更したのかを、いつでも確認することが出来るのは、エクセルやAccessと異なる点ですね。

メンテナンスフリーも可能

データは生き物です。入力後にはそのデータの陳腐化が進むことになります。

管理をするということはそのデータを常に最新のデータとすることが求められ、メンテナンスの必要が出てきてしまいます。

完了したタスクやデータを都度入力するのは容易なことではありません。

しかし、クラウド化することで、自分ではない他の誰かに任せるというアウトソースを実現させることが出来るのです。

そして自身の手を空けることで、本来求められている仕事へ注力することも可能となるのです。

まとめ

クラウド型の商標管理システムは、商標の特異性によっていち早くIT化の流れに乗ることが出来ました。

Webデータベースとなることで、人や時代による揺れや個人依存の防止を可能とし、互いを管理することができ、セキュアな環境下で利用が可能なのです。

メンテナンスによってデータを積み上げることで、価値あるデータを生み出すこともできるのは、商標ならではと言えるでしょう。

そしてこれらの姿は、これからの知財管理システムのプラットフォーム的な役割を築いたとも言えるかもしれません。

弊社独自開発のクラウド型商標管理システム[BRANTECT]は、数多くのクライアントが利用されています。クラウド型の商標管理システムにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

〈ライター〉
GMOブライツコンサルティング株式会社
中村 未知子(なかむら みちこ)