アニメのキャラクターをネイルデザインとして描く痛ネイル!商標権や著作権の侵害について徹底調査!

      

みなさんは痛ネイルという言葉を知っていますか?痛ネイルとは、「漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやアーティストのロゴ、似顔絵など、自分の好きなものをモチーフにして爪に描くネイルアートのこと」 (引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%9B%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB) です。

車体に漫画やアニメ、ゲームのキャラクターやステッカーを貼って装飾した自動車のことを痛車と言いますが、こちらは「見ていて痛くなるほど恥ずかしい車」というのが由来です。痛ネイルも同様、「痛いネイル」というのが由来だそうですよ。「痛」という文字が付くと「施術に痛みを伴うのかな!?」なんて心配をしてしまいそうですが、そういう意味ではないと知って安心しました。
さて、この痛ネイルですが2012年頃に誕生し、有名人やアーティストがSNSで公開をしたことがきっかけで人気に火が付いたと言われています。

     

大人気アニメ「鬼滅の刃」の痛ネイル。確かに禰豆子がかわいい…。
http://nailsgogo.jp/newblog/article06812.php

      

映画で実写化もされた「キングダム」。筆者推しキャラの王毅将軍がいる…!
https://picpanzee.com/media/2042792094063754045  

        

クオリティの高い痛ネイルは、大好きなキャラクターといつも一緒にいたい!という女性たちの願いを見事叶えているようです。


でもちょっと待って!その痛ネイル本当に大丈夫?

さて、SNSで大人気の痛ネイルですが、筆者はひとつ気になったことがありました。それは、「商標権」や「著作権」を侵害に当たらないか?ということです。最近では、痛ネイル専門店も登場しているとのことですが、権利的にそれは問題ないのでしょうか?
今回は、つけづめ(ネイルチップ)の上にキャラクターを描いた場合を想定して考えてみます。


商標権的にはどうだろう?侵害に当たる?当たらない?

まず商標とは、自社の商品・サービスと他社の商品・サービスを区別する目印です。そして商標権は、商標を特許庁に出願・登録をして初めて与えられる権利です。商標権が認められると登録商標を、一定の範囲内で独占排他的に使用することができます。

(詳しくはこちらの記事をご確認ください→https://brandtoday.media/2019/11/01/trademark-yuka-series1/

結論から先に言ってしまいますが、痛ネイルとして施術したキャラクターが商標登録されており(=商標権が認められている)、かつその商標権の範囲が「ネイルチップ(つけづめ)」の場合、商標権侵害に当たる可能性があります。
商標権侵害が認められた場合、商標権者は侵害者に対して「商標差し止め請求」「損害賠償請求」などを通告することが可能です。

      

逆に、登録商標の権利範囲が「ネイルチップ(つけづめ)」ではなかった場合、商標権侵害には当たらないと言えるでしょう。


商標権を侵害していないからOK?いいえ、そんなことはありません!

では次は、著作権の面から見ていきましょう。
そもそも著作権とは、「小説、音楽、絵画、地図、アニメ、漫画、映画、写真などの著作物を保護するための権利」です。(引用:https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/copyright/

著作権は、先ほど述べた商標権とは異なり、「著作権は創作と同時に発生する権利」で権利取得のために特別な手続きをする必要はありません。簡単に言ってしまえば、「たとえ幼児が書いた稚拙な絵であっても、それぞれの個性が発揮されていれば著作物として保護」されます。(引用:https://copyright-qa.azurewebsites.net/Qa/0000078
では今回の場合は、著作権に違反するのでしょうか。

実は著作権法では一定の条件のもとでは著作権者の許可をとらずに著作物を自由に使用することができます。一定の条件とは、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において著作物を複製すること。 今回想定したのは、つけづめ(ネイルチップ)の上にキャラクターを描いた場合でしたね。この場合、 個人で楽しむ範囲、つまりセルフネイルであればOKということです。ただし、ネイルサロンで痛ネイルを施術した場合は、そもそもネイルサロンが営利目的として営業しているのでNGとなります。また、個人で作成した痛ネイルチップをフリーマーケットアプリなどで販売するのも、営利目的となるのでNGです。

冒頭で痛ネイル専門店が登場していると紹介しましたが、これは紛れもなく著作権の侵害行為に当たります。では著作権の侵害行為が確認された場合、どのようなことが起こり得るのでしょうか。

     

引用:https://topcourt-law.com/intellectual-property/copyright-infringement-compensation

      

著作権侵害行為が確認された場合、著作権者は侵害者に対して、「侵害行為等の差止めを求めること、損害賠償を請求すること、不当利得の返還を請求すること、信用回復のための措置等を求めることが可能」となります。(引用: https://www.meti.go.jp/policy/ipr/infringe/remedy/remedy03-4.html ) これらは、内容証明郵便を相手方に発送し、警告を行うことで請求が可能です。
さらに、著作権者が告訴をした場合、侵害者には刑事上のペナルティーが科される可能性があります。こちらは、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられるというもの。さらに、侵害行為が法人の業務として行われた場合には、行為者とは別に法人に対しても最大3億円の罰金が処せられます。

      


まとめ

さて今回は、最近人気の痛ネイルにおける商標権・著作権について調べてみました。調べた結果、痛ネイルはセルフネイルで楽しみ範囲では問題ありませんが、金銭授受が発生した場合、著作権違反となることが分かりました。
個人的な意見ですが、著作権を理解したうえで安心・安全にファッションを楽しむほうがかっこいいなあと思います。セーフティーファーストで、思いっきりファッションを楽しみたいですね!


 〈ライタープロフィール〉
千葉 やよい(ちば やよい) 
GMOブライツコンサルティング株式会社

IPソリューション部/ドメイン担当

2012年に入社。営業アシスタントやBRANTECT、商標を担当したのちドメイン担当に就きました。主にガイドライン作成を行っています。ドメインについては現在進行形で勉強中。趣味は漫画、アニメ鑑賞、ゲーム ​

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