学校の存続を左右する、ブランド戦略とは!?

少子化の影響もあり、現在私立大学の4割以上で定員割れが起きていると言われています。 これは私立大学だけではなく、公立教育機関でも起こっていて、例えば適正規模を下回るため統廃合するべき公立中学校の割合はなんと、5割を超えているとのデータがあります! 教育機関にとって氷河期の今、学校の生き残りをかけたブランド戦略とは。

①キャラクターやロゴでグッズ販売収益増へ

J-Platpatで検索すると、2018年に学校法人が出願した商標は440件。出願区分をみてみると、”文房具”などが対象となる16類、”鞄”などが対象となる18類、”被服”などが対象となる25類、の出願が多いことがわかります。

今や、学校がグッズ販売をするのは通常の展開。様々な学校がネット上で、オフィシャルグッズ販売を行っていることが安易に確認できます。グッズ販売による収益は、学校運営における収益の大きな一部となっていることが考えられ、ロゴやキャラクターを付したグッズを販売することで、グッズ販売による収益をいかに増益させるか工夫していることが伺えます。

学校法人中央学院が出願しているキャラクター 「ちゅーいんこ(下記画像)」 は、”中央学院大学 公式オリジナルスタンプ”として、LINEスタンプの販売をしています。キャラクター商標はこのような使い方もされているのですね!

(画像出典:https://store.line.me/stickershop/product/1488049/ja)

②女子校の特色を利用したブランディング

学校法人が出願している、「〇〇女」という出願商標は5件、 いずれも女子校が出願 しています。

ドメイン名に使用

鎌倉女学院は、 http://kamajo.ac.jpという公式サイトを運営しており、”kamajo”というドメイン名を使用しています。 サイト内では、”鎌女の教育”や、” 鎌女日誌”(上記画像黄色枠内)など、積極的に”鎌女”というキーワードを活用し、広く呼んでもらえるような取り組みを感じます。

(画像出典: http://kamajo.ac.jp )

SNSを積極的に活用

「関女」は、公式サイトで学生たちによって「関女webクラブ」としてTwitterやInstagram等のSNSでの発信を行っています。女子大生が多く利用するSNSを、「関女」というキャッチーな造語とキャラクターを利用することで、親近感が湧きやすい取り組みをしていることが伺えます。

(画像出典:https://www.kwc.ac.jp/topics/2018/t18244.html)

「リケジョ(理系女子)」という言葉が一時期流行したのを覚えていますか?その他にも、「山ガール」「歴女」「馬女」など、様々な”〇〇女”が存在しています。
このような造語を作ることは、特定のコミュニティを指し示すことが容易になる点、話題性の高さ、呼びやすさなど、多くのメリットが存在していることが考えられます。 女子校においても、これらのメリットを生かしたブランディングが伺え、より広くブランドを浸透させようとしていることが伺えます。

③知名度上位の大学の取り組み

「高校生からの知名度が高い大学」ランキングがこちら。上位3校の出願件数は、1位から順に68件、33件、54件と、1位の早稲田大学が1番多くの商標出願をしていることがわかります。上位にランクインした大学の取り組みをご紹介します。

1位: 早稲田大学(68件)2位: 慶應義塾大学(33件) 3位: 青山学院大学(54件)

在学生を支える仕組み

早稲田大学は学校名の入ったクレジットカードのパッケージ商標を出願しています。 入会すると、大学図書館の入館証として利用できたり、早稲田学報がもらえる特典などがついた「早稲田カード」。このカードを利用することで、在学生の奨学金の原資となる運用方法が支持され、多くの校友・父母・学生が利用しています。

(画像出典:J-platpat登録5832473)

校友のふれあいの場

青山学院大学は、「青学商店街」という青山学院校友限定サイトを運営しています。 校友が関わるお店や宿の情報を発信しているサイトで、卒業生や在校生、関係者などの校友がふれあえる場の提供をしています。

画像出典(http://www.aogaku-shoutengai.com/)

また、 早稲田大学も青山学院も共に、 学校の広報誌名を出願しています。 学校の取り組みや活動・行事・受賞などの情報を広く伝えられる広報誌は、在学生や卒業生のみならず、より多くの人へ学校の魅力をアピールできる場として活躍していることが伺えるのではないでしょうか。

④まとめ

各校の出願商標や取り組みからは、学校のブランド力の強化への努力、更には、志願者を増やすための知名度向上に向けた取り組みが垣間見れるのでした。

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