長すぎるドメインネームと短すぎるドメインネームから見る、ブランドTLD活用事例とは【ブランドTLD・新GTLD】

長すぎるドメインネーム

2018年7月30日現在、一番長いブランドTLDドメインネームは、ドイツの自動車メーカーAudi社が使用する62文字の「service-gottfried-schultz-duesseldorf-professor-oehler-strasse.audi」。ホストネームの構造はこのようになっています。

つまり、下記赤枠内住所の情報をホストネームに表しています。

画像出典:https://www.gottfried-schultz.de/

1.住所や名前を使用しているパターン

Gottfried Schultzは、ドイツのフォルクスワーゲンブランドの世界最大の認可ディーラーで、アウディ、フォルクスワーゲンなどのブランド車を販売、管理しており、ディーラー名と住所、販売車種をドメインネームに表した形。

現在、登録件数が多いブランドTLDTOP3は下記通り。

順位 TLD 権利者 登録件数
1位 .dvag DeutscheVermögensberatungAG(DVAG)(ドイツ、オーストリア、スイスで活動する資産管理会社) 1,891
2位 .mma MMA IARD(フランスで損害保険サービスを提供 1,679
3位 .audi AUDI Aktiengesellschaft(フォルクスワーゲングループに属しているドイツの自動車メーカー) 1,076

「.audi」は、2018年7月に152件登録数を増加し、1,076件の登録数となり3位にランクインしています。その結果、現在1,000件以上のドメインネームを登録しているブランドTLDは上記3社となりました。

上位3社の使用例を確認すると、1位の「.dvag」は、”alexander-hermann.dvag”や”andre-hansen-4117840.dvag”など、ホストネームに氏名を表しているドメインネームが多数確認できます。2位の「.mma」は、”angers-gare.mma”や”drancy-gare-rer.mma”などが確認できます。”gare”はフランス語で”駅”を表す言葉で、”angers”、”drancy”はフランスの地名、同社代理店の住所を表す形のドメインネーム。3位の「.audi」は、”ru.audi”や”jp.audi”など、国コードを表すと考えられるドメインネームが54件確認できます。また、”service-an-der-aue-muehlhausen.audi”のように、”service”から始まるサービス種別を表すドメインネームも127件あり、”service”以外にも同一単語で始まる複数のパターンが確認できます。

このように、名刺代わりのようにホストネームに氏名を表しているパターンや、住所を表しているパターン、国コードサービス種別などを表しているパターンなど、様々なパターンの取得ルールを持つブランドTLDは登録件数を伸ばしている傾向にあり、各社積極的にブランドTLDを活用していく姿勢が伺えます。

2.マーケティングに使用しているパターン

続いてご紹介するのは、Ipiranga社という燃料事業を中心に展開するブラジル企業の2つの活用事例です。1つ目は、32文字の「aquiondesustentabilidadeacontece.ipiranga」。ホストネームの構造はこのようになっています。

意訳すると”持続可能”という意味のポルトガル語である”Aqui Onde Sustentabilidade Acontece”というスローガンをホストネームに表しています。同ドメインネームでサイトも立ち上げており、下記赤枠内、ハッシュタグを使用したスローガンの使用も確認できます。本サイトでは、環境問題への継続的な取り組みが紹介されており、同社の環境問題への取り組みの姿勢が伺えます。

画像出典:http://aquiondesustentabilidadeacontece.ipiranga/

2つ目は、20文字の「selecaobudweiserampm.ipiranga」。ホストネームの構造はこのようになっています。

selecao+budweiser+ampm+ipirangaの単語を組み合わせられたドメインネーム。本キャンペーンは、ワールドカップ2018の期間に実施されたキャンペーンで、「#SelecaoBudweiserAMPM」をSNS上に投稿することで、テーブルサッカー型冷蔵庫が獲得できるという内容。”selecao”はブラジル国代表のチームを指し、budweiserとipirangaが協賛して行っているキャンペーン内容をドメインネームで表した形。また、ampmはIpirangaが所有しているコンビニエンスストアチェーン名です。

画像出典:https://selecaobudweiserampm.ipiranga/

また、本サイトは、世界中のサイトのアクセス数が確認できる「Alexa Ranking」で世界ランキングが 2,143,966位、ブラジル国内ランキングが40,462位(2018/7/30時点)と、キャンペーンサイトとしては非常に順位が高い人気サイトである点も特徴的です。同社は、積極的にブランドTLDを活用した上で、タグの有効活用により、各サイトの拡散や広報活動をしていることが伺えます。

短すぎるドメインネーム

ホストネームが1文字のブランドTLDはこちら。

ドメインネーム URL 使用種別
c.citic https://www.c.citic/ Unique Site
i.ikano https://group.ikano/ Unique Site
m.neustar https://www.home.neustar/ Unique Site
t.neustar https://www.registry.neustar/ Unique Site
m.sohu http://m.sohu Unique Site
m.aetna https://www.aetna.com/ Redirection
x.afl http://www.afl.com.au/aflx?utm_source=direct&utm_medium=vanity&utm_campaign=taflx Redirection
c.bing https://www.bing.com/ Redirection
s.brother http://www.brother.com/index.htm Redirection
n.gmail https://accounts.google.com Redirection
m.hotmail https://outlook.live.com/owa/ Redirection
m.hyatt https://m.hyatt.com/ Redirection
e.leclerc http://www.e-leclerc.com/ Redirection
i.neustar https://custom.rebrandly.com/?domain=i.neustar Redirection
q.sky http://www.sky.com/shop/tv/sky-q/ Redirection
v.sohu https://tv.sohu.com/ Redirection
e.tatamotors https://www.tatamotors.com/ Redirection
t.pru https://twitter.com/prudential Redirection
t.prudential https://twitter.com/prudential Redirection
t.sohu http://www.sohu.com/ Redirection

使用されている文字列を件数別で見た結果がこちら。 

全20件の内、「m」が5件と1番多い結果。それぞれのサイトの構造を見ると、「m.hotmail」は”Microsoft”の”m”、「m.hyatt」は”My”の”m”の頭文字を取っているといった印象、その他、”Mobile”を表す”m”などが想像できます。続いて多いのが「t」で4件。 その内「t .pru」と「t.prudential」の2件はTwitterサイトへリダイレクトされており、”Twitter”を表す”t”を使用していることが考えられます。「c」「e」「i」はそれぞれ2件で他は1件でした。

1文字のドメインネームを多くもつブランドTLDは、3件の保有件数で「.sohu」「.neustar」が多い結果。「.sohu」の保有するドメインの構造を見ると、「m.sohu」は”My”の”m”、「v.sohu」は”Tv”の”v”、「t.sohu」は”Top”の”t”といった印象。「.neustar」の保有するドメインの構造は「m.neustar」と「 t.neustar」は不明、「i.neustar」は”Internet”を表す”i”といった印象でした。

ホスト名が1文字というドメインネームは覚えられやすいことから、今後の登録数の増加が予測できます。使用している1文字が、どのような理由で使用されているか、読み取りにくいケースもありますが、引き続きどのような文字列がどのように使用していくか注視し、文字列のトレンドをお届けできればと思います。

当社は新gTLDプログラム(特にブランドTLD領域)についてのリーディングカンパニーであり、ファーストラウンド申請サポートにおいて、アジアでNo.1(ナンバーワン)のサポート実績を上げました。

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BRANDTODAY編集部