2017年出願商標から見える、最も勢いのある企業〈自動車業界ランキング〉

「技術」を守る特許とは違い、「ビジネス」を守る商標からは、今後のビジネス化動向を予測することが可能です。

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」を活用したビジネス予測最新情報をお届けいたします。

[su_heading size=”19″]出願商標から見る将来のビジネス予測最新情報[/su_heading]

”自動車”などが対象となる第12類を指定し、2017年に出願された商標は17,943件。その内、出願件数の多い権利者TOP10はこちら。

162件の出願件数で1位だったのは、ドイツに本部を置く乗用車の世界的メーカー、ダイムラー社。

CASE戦略で次世代の自動車を実現へ

同社は、4つの戦略的分野「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(共有化&サービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をとった中・長期戦略「CASE」を掲げ、革新を打ち出していくと言います。自動車業界に留まらず世界を牽引するトップ企業のひとつであるダイムラー社の戦略と出願商標をご紹介いたします。

乗り捨て型カーシェアリング「CAR2GO」

自動車を取り巻く環境を大きく変える可能性を持つ「カーシェアリング」。2018年3月1日、同社はメルセデスベンツおよびスマート車を利用したカーシェアリングを行う合弁会社、「car2go」を完全子会社化すると発表しました。これにより、モビリティサービス事業をさらに拡大していく恰好。2017年の全世界の利用実績はおよそ297万人で、前年比30%増加。特に、イタリア・ミラノではプラス67万8000回、中国北京ではプラス62万2000回、ドイツ・ハンブルクではプラス45万4000回、前年よりもCar2goの利用回数が増加したといいます。

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase」で、「car2go」を検索した結果は12件。2008年に出願した後、徐々に権利範囲を広げています。

画像出典:Global Brand Database(http://www.wipo.int/reference/en/branddb/)

同商標の主区分であると考えられる、自動車などが対象となる第12類と、自動車レンタルなどが対象となる第39類の指定商品を、2008年と2018年で比較した結果がこちら。

両区分において、赤字部分の指定商品記述内容が増えていることがわかります。「car2go」は予約不要で、元の場所に返す必要がなく、また、車両は駅や空港などで乗り捨てが可能。特に、第39類の指定商品記載内容が追加された部分は、観光客向けに対しても、今後手厚いサービス提供をしていく姿勢が伺えます。

カーシェアリングビジネスに分類される「car2go」ですが、他のカーシェアリングと差別化を図る特徴のひとつがこの「乗り捨て型」。レンタカーとの違いを大きく持たせることで普及を促進していくといいます。

「知能」を持つ電動車両シリーズEQ

新たな企業戦略「CASE」に基づき、2025年までに 「EQ」シリーズ(SUV、サルーン、クーペ、カブリオレ等)10車種以上を投入予定。総販売台数の15~25%をEV化する計画といいます。

電気自動車(EV)を表す”electric ”を指定商品に含む出願は492件。出願年別で見た出願件数遷移はこちら。

特に、2018年は4月5日時点で51件の出願数と、非常に多くの出願がされおり、EV事業に力を入れていることが伺えるのではないでしょうか。出願内容を確認すると、EQA200、EQA320、EQB200、EQB260、EQS600、EQS550、EQE500、EQE450、EQC420、EQC400といった、EQシリーズの車種名と予測できる商標名が約50件程確認ができ、どれも第12類で”電気自動車(electric vehicles)”を記した出願がなされています。

2018年2月、パリモーターショー16で、電動車に特化した「EQ」ブランドコンセプトカー「ジェネレーション EQ」を公開しました。2022年にはメルセデス・ベンツすべてのラインアップを電動化することを予定しており、コンパクトカーからSUV車両までの全モデルにEV版モデルを追加する方針。

先ほどの車種名以外に、”EQ”を含む出願は数多く確認でき(下記図参照)、車両や電装システムの開発・製造に注力し、EQシリーズを拡大していくことが予測できます。

自動車産業は100年に1度の変革期を迎えていると言われており、「CASE」は、その変革を表現した言葉でもあるといいます。出願内容からも「CASE」戦略が伺える内容の確認ができ、今後今後の動向に引き続き注目して行きたいと感じました。

出典:https://response.jp/article/2018/01/12/304643.html、https://clicccar.com/2018/02/20/561139/

 

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