時代の変化と共に変化、挑戦し続けるマクドナルド社

2017年10~12月期の純利益が発表され、主要企業のランキングで首位だったのは、日本マクドナルド株式会社。2014年には期限切れチキンナゲットを販売し、2015年には異物混入問題による深刻な客離れを起こしましたが、全メニューの原材料の産地開示などで信頼を取り戻し、急速に業績回復を遂げています。

同社は100以上の国と地域、36,000店舗を超えるレストランビジネスを展開している世界トップクラスのグローバルカンパニー。各国商標データベースを検索すると、”McDonald’s International Property Company, Ltd.”と”McDonald’s Corporation”が主体となり、全世界の商標権の取得及び管理を行っていることがわかります。

出願商標から「時代の変化と共に変化、挑戦し続けるマクドナルド社」をご紹介いたします。

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出願区分から見える時代の変化

商標を出願する際には、その商標を使用する商品や役務(サービス)を指定するのですが、その指定された商品や役務が属する業種も合わせて指定します。 この業種のことを区分といいます。 世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」を使用し、区分別にまとめたもがこちら。

2007年と2017年の出願区分を比較したとき、大きく変化している区分は第9類と第39類です。出願件数が顕著に増えていることがわかります。順にみていきましょう。

2017年に第9類で出願されている商標は「happy studio」「MCPLAY」「HAPPY READERS」の3種。アプリケーションや電子書籍といった、10年前には普及していなかったITツール名称が指定商品名に記されており、時代の変化を感じる出願内容です。

続いて、第39類。本区分で出願されている商標は16件の内、「MCDELIVERY」が15件。マクドナルド社が、新たに始めた宅配サービス「MCDELIVERY」は同社の成長源になると期待されている事業のひとつ。人気商品であるフライドポテトは宅配に向かないことで有名で、冷めてしまうことによる食感や味の低下が懸念されていましたが、ウーバー・テクノロジーズ社の「ウーバーイーツ」を通じたスピードを重視した宅配を行うことで解決。宅配サービスを開始して以来、フライドポテトは同サービスで1番人気の商品となっているといいます。

ウーバー社の事業拡大や、LINE社など大手企業のフードデリバリーサービスへの参入、飲食業界を牽引するマクドナルド社のデリバリー開始により、今後更にデリバリー産業が盛り上がりを見せることが予測できる出願内容です。

画像引用:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mcdonalds.happystudio.mea&hl=ja、http://www.wipo.int/branddb/en/index.jsp#、https://itunes.apple.com/us/app/mcplay/id634672279?mt=8、http://madeinme.com/mcdonalds-australia/

HAPPY MEALから見えるの時代の変化

マクドナルド社の出願区分で圧倒的に多い出願は、”加工した植物性の食品”などが対象となる第30類を指定したものです。2009年と2017年に出願された、30類「HAPPY MEAL」商標の指定商品がこちら。

マクドナルド社は2月15日、販売しているオマケのおもちゃ付きセット「Happy Meal(ハッピーミール、日本ではハッピーセット)」のメニューを変更することを発表しました。フルーツや野菜、低脂肪の乳製品、全粒粉、脂肪分の少ないタンパク質、飲料水の摂取を促すなど、5つの改善目標を提示しています。

画像引用:https://www.mcdonalds.com/us/en-us/full-menu/happy-meal.html

2017年の出願内容は、2009年の出願内容と比べると”鶏肉”や”新鮮な果実”などと言った、より具体的な記述が確認できます。今後、更なる健康的なメニューを意識していくことが伺えるのではないでしょうか。世界すべての市場に適用していくと発表されており、これからの日本での展開内容も気になります。

 

23日には、日本マクドナルド社がスマートフォンで商品を事前注文し決済もできるシステムを全2,900店に導入し、入店と同時に注文内容がキッチンに伝わり、客の待ち時間をほぼなくすという新たな取り組みが発表されたばかり。時代の変化と共に変化、挑戦し続けるマクドナルド社の姿勢が、出願商標からも感じられるのでした。

 

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