知財を活用したビジネス展開の意識が高い海外セレブたち

 

2017年6月12日に米歌手ビヨンセ(35)とラップ歌手ジェイ・Z(47)夫妻に双子が誕生し、双子の名前はサー・カーター君とルミちゃんであることが報じられました。夫妻の会社が先月26日に双子の名前を商標登録したことから発覚したと伝えられています。引用:http://www.oricon.co.jp/article/239494/

 

2012年1月に生まれたばかりの娘、「ブルー・アイビー」の名前も商標出願していたビヨンセとジェイ・Z。

ブルー・アイビーの名前をブランド名にして、ベビー服やベビー用品の製造・販売を行う予定で商標出願していたと伝えられており、自分たちの子供の名前を利用して自社製品を売ろうとする企業が、勝手にブルー・アイビーの名前を使うことを阻止する目的もあったというが、“ブルー・アイビー”の商標権は2009年に設立し、社名として使用しているウェディング・プランニング会社へ付与され、夫妻が登録することはできませんでした。

 

前回は登録に至りませんでしたが、今回双子の名前が登録に至れば、ベビー服やベビー用品のブランド名として使用をする予定なのかもしれませんね。

 

 

[su_heading]海外セレブと商標関連ニュースをピックアップ[/su_heading]

 

1.Britney Jean Spears(ブリトニー・スピアーズ)

 

出典:http://famousface.us/britney-spears/

商標取得状況(中国)

2011年、米人気歌手ブリトニー・スピアーズが、中国の時計の商標に無断で名前を使われたとして、中国工商総局・商標評審委員会に登録を失効とするよう求め提訴しました。

中国データベースで商標名「Britney」で検索をかけると、31件の登録が確認できました。赤枠で囲んだ権利者「布兰尼·斯比尔斯(英語名:BRITNEY SPEARS)」以外の第三者の登録も多いことが確認できます。

商標使用状況

ブリトニー・スピアーズは香水の製造・販売会社であるエリザベスアーデンから出した3種の香水、キュリアス、ファンタジー、インコントロールで大成功を収めるなど、世界80カ国以上で販売されています。下記画像のように「BRITNEY SPEARS」の表記がなされ、全世界トータル・セールス1億枚を誇るスーパーアーティストの名前はビジネス上で重要な商標となることが伺えます。

出典:http://j.people.com.cn/94476/7698564.html、http://prw.kyodonews.jp/opn/release/200605095119/

2.Victoria Caroline Beckham(ヴィクトリア・ベッカム)

 

 

夫はサッカー選手のデビッド・ベッカムで、3人の息子と1人の娘がいるヴィクトリア・ベッカム。

商標取得状況(イギリス)

イギリスのデータベースで商標名「Beckham」で検索をかけると、86件の登録が確認でき、ベッカム夫妻の子供4人の名前が権利者Victoria Beckhamにより出願されていることがわかります。

商標使用状況

現時点で子供たちの名前の商標を付した商標使用状況の確認はできませんが、出願区分を確認すると、「電化製品、ゴルフ用傘、洗剤、日焼け用コスメ、メイクアップ商品」などのビジネス展開ができることになります。

ヴィクトリア・ベッカム自身は自身の名前「Victoria Beckham」をブランド名に掲げ、2008年にイギリスのファッションブランドを立ち上げています。また、2014年には、起業家の事業を過去5年間の売り上げや雇用人数などを基に「イギリスで最も成功している起業家トップ100」の1位に選ばれる等、ビジネスウーマンとしても世界から注目されているのです。

有名な両親の元に産まれた4人の名前も今後ビジネスで使用されることが予測できます。

2.Paris Hilton(パリス・ヒルトン)

 

ヒルトンホテルの創設者コンラッド・ヒルトンの孫娘で、元祖お騒がせセレブのパリス・ヒルトン。

商標取得状況(アメリカ)

アメリカのデータベースで権利者名「Hilton Paris」で検索をかけると、24件の登録が確認できました。自身の名前から、ドメインを表す「WWW.PARISHILTON.COM」という商標、「シンプル・ライフ」(2003~05年)を撮影中、口癖だった「That’s hot=それってイケてるわ」という商標等が登録されていることがわかります。

商標使用状況

パリスが手がける香水の総売上高は2400億円を超えており、現在20個程の香水をプロデュース中。また、15年間で彼女は、「パリス・ヒルトン」ストア50店舗を世界40カ国でオープンし、自身の名を使用した「パリス・ヒルトン」というブランド内に17のプロダクトラインを設けています。イタリアの企業、Genesi S.r.l. とともに、パリス・ヒルトン・ジュニア(Paris Hilton Junior)という子供服のブランドを立ち上げ、中国のPearl Worldとは、コスメティック・ブランドを立ち上げ、まさにキャリアウーマンとして活躍中。自身の名前をうまくビジネスで使用し成功している人の1人ではないでしょうか。

 

 

[まとめ]

日本ではまだ知財を活用してビジネスを展開するという意識が低いものの、海外セレブたちの間ではすでに商標登録をすることや、登録した商標でビジネス化をすることが常識となっていることが伺えます。

自身の名前や子供の名前の商標取得はもちろん、口癖を商標登録するのは流石海外セレブですね。著名なセレブたち自身の名前自体がまさしくブランドそのものであり、皆自己プロデュース力が長けているように思います。

日本でこのような登録をしている人は高須クリニックの院長、高須克弥さんが頭に浮かびました。先日、「yes!高須クリニック」という商標を出願したことは記憶に新しいですね。国内商標を確認しましたが、医院長のお名前「高須克弥」の登録(第5565608号)や、 施術名(サービス名)など、もちろん音商標も(第5836221号)登録がされていました。登録にあたりニュースに取り上げられ、世間から注目を受け宣伝もしてしまうというところは、流石日本のセレブ、高須克弥さん。

ビジネス展開がうまい方たちは、知財の重要性や使い方を理解しているのかもしれません。