ICANN理事会定期ミーティング概要報告

2011年3月14日から18日まで、米国、サンフランシスコにて第40回ICANNサンフランシスコミーティングが開催されました。同ミーティングの最終日である3月18日には、ICANN理事会会議では、以下の項目に対して決定が下されました。

  • 新gTLDプログラム導入タイムラインの発表
  • アダルト産業向けのトップレベルドメイン「.XXX」の承認
  • IDNccTLDファストトラックレビューの完了と結果の報告
  • 2011~2014年のICANNの戦略的企画の承認
  • 「.name」の下での数字のみをストリングとするドメイン名の「レジストリサービス審査プロセス」(Registry Services Evaluation Process)の通過及び承認
  • ICANNによる内部状況の説明責任と透明性に向けた27の勧告の導入 など全14項目
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    中でも、業界が特に注目しているのは、新gTLDに関する決定です。

    新gTLDに関してですが、ICANN理事会とGAC(政府諮問会)と間で合意がとれず、プログラムの承認を延期する原因となっております。

     
    ICANNとGACの意見における主な相違点ですが、GACでは保守的なアプローチを考えており、プログラム開始前に、完璧なガイドラインを決定したいのに対し、ICANNでは、取り急ぎ新gTLDプログラムを開始し、運営状況を見ながら、必要に応じた改善を将来行いたいという状況であります。

    今後、新gTLD導入への論点として以下が挙げられます。

    • コミュニティドメインの文字列
    • 新gTLDの経済的インパクト
    • 異議申立と地理的名称の使用 など

    上記以外にも、今後新gTLDの運用における法執行の問題が挙げられますが、国単位で考えるとそれぞれの管轄が異なることから、解決し難くなっています。

    新gTLDの権利保護メカニズムに関しても現在も議論中ではありますが、GACからは商標権者に有利な提案がされており、ICANNでも提案を取れ入れたいという姿勢を示しています。

    ICANNでは、今回確定された新gTLDプログラム承認までのタイムラインに則って、GACとの継続的な協議を行いながら、最終的な申請ガイドブックを5月30日に発表すると理事会会議にて述べました。業界関係者などの意見では、ICANN理事会とGACにおける上記のコミュニケーションは、プログラム開始前の最後のフェーズに入っていることを意味しているのではないかとのことです。

    ドメイン業界においては、特に新gTLDプログラムへの関心が高く、弊社では今後も同プログラムの動きに注目をしてまいります。

     
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