ICANNの第39回カルタヘナミーティングが開始

ICANNの第39回国際ミーティング(コロンビア、カルタヘナ)が12月5日にスタートしました。
今回のミーティングのWelcome Ceremonyもいつも通り組織のプレジデント(Rod Beckstrom)の挨拶から始まり、コロンビアの大統領からもコンフェレンスの参加者に向けてのビデオメッセージが流されました。

コロンビアの政府は、国内のインターネットユーザ数はまだ6%に満たないが、インターネット技術の強化を重視し、2010年に幾つかの取り組みを行ってきました。その中の一つは、国のccTLDの.coの再委託でしたが、コロンビア人だけではなく世界中の皆がこのドメインの下で登録できるようになったとのことで、.comに似ていることから馴染みやすく、.comで足りなくなったスペースの代わりに使用可能なドメインとしてマーケティングされてきました。そのため、今回のコロンビアでのミーティングの実施は、国内のインターネットの拡大化という政府の努力という大きな枠組みで捉えていいと考えられます。

今回のミーティングで大きな話題になっているのがまずIPv4の問題であり、2011年1月にその中のスペースが飽和状態になり、用意されていたIPv6への移転が必要となります。また、インターネットにおけるセキュリティに焦点においてDNSSEC導入を幅広く続ける姿勢が示されています。

カルタヘナのミーティングにて最も熱い議論を招くのは新gTLDs開始ですが、ICANNは6日の新gTLDsミーティングにて次のことを述べています:「我々は周囲の意見を聞き改善し続けますが、時間通り・順序正しく・予定通りの過程をラウンチすることができる」とのことです。10日の金曜日までに、提案されたファイナルガイドブックへのパブリックコメントに出された意見なども含めて、理事会のミーティングで議論されます。ガイドブック自体への変更があると述べられていますが、その一部が10日に明らかになり、また、ガイドブックの確定に向けてその形や内容にも何らかの変更があると発表されています。その変更や細かなスケジュールについて後日お伝え致します。

それ以外には、ミーティングでの大きなトピックとなっているのは、提案のファイナルガイドブックに対して出された新gTLDsプログラムの未完成を批判している米商務省からのレターです。アメリカの政府とICANNは、透明性、説明責任、事実を基礎としたポリシー作りをその重要事項としている「責務の確認」を締結しておりますが、今回のレターは、ICANNは今回新gTLDsプログラムの導入に伴って十分な経済的スタディを行っていないなどのことが主張でされており、ICANNからより真剣な体勢が求められています。

また、今回のコンフェレンスではロシアのIDN ccTLD.рфの開始がもたらした予想を遥かに超えた登録数のことと、ロシアにおけるインターネットの将来とキリル語を取り入れたドメインネームについて多く語られています。ロシアのIDN ccTLD.рфにつきましては、先日ニュースでお伝え致しました。

また、IDN ccTLDsをめぐる最新の取り組みとしては、トップレベルでの一文字のドメインの申請を許可することであって、関連のドラフトは今パブリックコメント期間中です。

ブライツコンサルティングもいつも通り現地でこのミーティングに参加していますので、ニュースがあり次第お知らせ致します。

 
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